株式会社ワーク・ライフバランスからのお知らせ
【新型コロナ感染拡大による働き方の変化に関する実態調査】「研修・勉強会」時間は79%減で外出自粛により大幅減少一方「面談・雑談」時間が56%増、社内コミュニケーションを重要視する傾向に
更新日:2020年04月10日
【新型コロナ感染拡大による働き方の変化に関する実態調査】
「研修・勉強会」時間は79%減で外出自粛により大幅減少
一方「面談・雑談」時間が56%増、社内コミュニケーションを重要視する傾向に
~在宅勤務状況下では、チーム内の「人間関係構築」がスムーズな業務遂行のカギを握る~
2006年創業以来、これまでに働き方改革コンサルティングを1,000社以上に提供してきた株式会社ワーク・ライフバランス(本社:東京都港区、代表取締役:小室淑恵) は、新型肺炎ウイルス(以降はコロナと呼称)の感染拡大を受け、時間の使い方や業務の進捗を“見える化”できるITツール「朝メール.com」(https://asacom.net/ 以下、「朝コム」と呼称)を利用する企業のデータをもとに、仕事中の時間の使われ方の変化を分析いたしました。
その結果、コロナ発生前の2019年11月とコロナ発生後の2020年の3月を比較したところ、以下のことがわかりました。
<分析結果トピックス>
- 朝コムユーザーの総労働時間は13%減少
- 「研修・勉強会」にかける時間が79%減と大幅に減少
- 「面談・雑談時間」にかける時間が56%増と大きく増加
- 「社内資料作成」にかける時間の割合が3%増加(一人当たり14分/日の増加)
<分析結果への考察>
今回の分析で、コロナの影響は労働時間や業務内容にも及び、特にこれまで対面でのコミュニケーションが当然と思われていた研修や勉強会の開催手法に対して、その限界を感じさせる結果となりました。このことは、従業員のスキルアップ等にも影響をもたらすこととなります。そのため、オンラインでの研修や勉強会を進められる環境の調整を急ぐことで、新たな方法を用いた能力開発や新規ビジネスの開拓等を進めることが可能になると思われます。
また、社内のコミュニケーションに関連した業務への投下時間が増加したことは、近年注目されている“心理的安全性”の担保、すなわち“このチームメンバーには些細なアイデアや意見も蔑ろにされることはないなどの安心感”の確保にもつながり、チームワークの向上等に長期的に前向きな影響をもたらすものと思われる一方、対面での会話がないままにオンライン上でのコミュニケーションが長期化することで「気軽に話しかけることができない」「ホワイトボードなどを使った会話がしにくい」などのデメリットが生じる可能性もあります。そのため、オンラインツールを使いながら本質的な議論を行うためにも、「毎日の時間の使い方をお互いが見えるようにする」「オンライン会議ツールを使いこなす」といった工夫がより一層求められていくと考えられます。
さらに、減少傾向にあった社内資料作成業務が復調していることから、対外的な業務が制限されるなかでも、在宅勤務等でも可能な社内向け業務を中心に遂行されていることが予想されます。今後、各社にて社内業務の内容をより具体的に分析することにより、アフターコロナを意識した社内の業務調整や情報整理を行っているかどうかなど、コロナ後に向けた対策への行動の有無を評価することが可能となります。また、コロナの影響が長引く場合には、対外的に提供できる価値の創出が必須となり、さらなる業務内容の変化が求められるといえるでしょう。
<調査結果>
1.朝コムユーザーの総労働時間は13%減少
朝コムへの入力率が50%以上の企業の朝コムデータを利用し、時間の使われ方の変化を分析したところ、コロナ報道ピークとなった2月以降、総労働時間が減少しており、コロナ発生前の11月と比較して3月は13%減少していることがわかりました(図1参照)。
コロナの影響で仕事の予定がなくなったことが大きな要因であると考えられます。(なお、各データは、各社毎月の該当項目時間の合計を稼働日数でわり、11月を基準値1.0として、各月の増減率を算出し、各増減率を平均化しています。)
▲図1 総労働時間の推移
▲図1 総労働時間の推移
2.「研修・勉強会」にかける時間が79%減と大幅に減少
朝コムは利用企業が共通した業務内容項目(以下「大項目」と呼称)の下に、独自で自社の業務項目を設定し分析することが可能です。この大項目のデータを抽出し、コロナ発生前・コロナ発生後の業務内容ごとの所要時間の変化を分析しました。
その結果、コロナ発生前の11月と比較し、コロナ発生後の3月では特に「研修・勉強会」に関する所要時間が79%減少していることがわかりました(図2参照)。
これは、大勢での研修などの自粛要請に伴い、多くの企業が社内外でのイベント等をキャンセルしたことが大きな要因であると考えられます。
▲図2 研修・勉強会の時間の推移
▲図2 研修・勉強会の時間の推移
3.「面談・雑談時間」にかける時間が56%増と大きく増加
続いて、2.と同様の時期での比較分析を行ったところ、「面談・雑談時間」に関する所要時間は11月と比較すると、3月は約56%増加しており、コミュニケーションをとる機会が増えている結果となりました(図3参照)。
これは、3月が年度末である企業も多く、もともと面談等の設定が多い時期という可能性もあることに加え、コロナによって予定がキャンセルになった時間を、コミュニケーションの時間に充てていることも推測されます。このことは、仕事の成果を高めるには人間関係の質を向上させることがカギであるという研究結果(マサチューセッツ工科大学 ダニエル・キム教授提唱)もあるように、コロナで予期せぬ時間が生まれた今、普段忙しくてゆっくり話すことができなかった上司や同僚、部下と会話し、関係の質を高められる大きなチャンスであるととらえることもできます。
▲図3 面談・雑談時間の推移
▲図3 面談・雑談時間の推移
4.業務全体に対する「社内資料作成」の割合が3%増加(一人当たり14分/日の増加)
さらに、2.と同様の時期での比較分析を行ったところ、「社内資料作成」に関する所要時間は、2月までは減少傾向でしたが、3月には増加傾向にあることがわかりました(図4参照)。
これは、2.での分析結果とあわせて推察すると、コロナの影響を受けて延期や中止となった研修・勉強会に投資するはずだった時間が空いたことで、その時間に社内資料作成などの仕事が入れられるようになったためであると考えられます。
また、仕事全体に対する業務割合をみると、時期にかかわらず「社内資料作成」業務が最も大きく約1/4を占めており、3月の割合は11月と比較すると3%増加していました(図5参照)。1日8時間労働と仮定すると、一人当たり毎日14分の社内資料作成時間が増えていることになります。
これらのことから、対外的な業務が制限されるなかであっても、在宅勤務等で可能な社内向け業務を中心に遂行されていることが予想されます。
▲図4 社内資料作成時間の推移
▲図4 社内資料作成時間の推移
▲図5 仕事の時間の使われ方内訳
【調査概要】
調査対象:朝コム利用者のうち、利用率の高いユーザー249名
調査期間:2019年11月1日~2020年3月31日
■朝メール.comサービス概要
・対象:企業や教育機関、官公庁、自治体など、生産性向上を目指す組織
・人数:3人~
・料金:年間46,000円~(利用人数等による)
・活用シーン例:
-時間の使い方を見える化したい
-社員のタイムマネジメントスキルを向上させたい
-残業が起きている原因を探りたい
-部署の生産性を向上させたい
-コミュニケーションを通じて関係の質を向上させたい
-突発業務を部署で助け合いたい
・URL:https://asacom.net/
◆株式会社ワーク・ライフバランスについて
2006年創業、以来14年にわたり企業の働き方改革により業績と従業員のモチベーションの双方を向上させることにこだわり、働き方改革コンサルティング事業を中心に展開。これまでに自治体・官公庁も含め企業1,000社以上を支援。残業30%削減に成功し、営業利益18%増加した企業や、残業81%削減し有給取得率4倍、利益率3倍になった企業など、長時間労働体質の企業への組織改革が強み。
会社名:株式会社ワーク・ライフバランス
代表者:代表取締役社長 小室 淑恵
サイト:https://work-life-b.co.jp/
創立年月:2006年7月
資本金:1,000万円
主な事業内容:
働き方改革コンサルティング事業・講演・研修事業
コンテンツビジネス事業・コンサルタント養成事業
働き方改革支援のためのITサービス開発・提供
「朝メール.com」「ワーク・ライフバランス組織診断」「介護と仕事の両立ナビ」
カードゲーム体験型研修「ライフ・スイッチ」
実績:1,000社以上(国土交通省、鹿島建設中部支店、住友生命保険相互会社、アイシン精機株式会社、内閣府、三重県、埼玉県教育委員会など)
・代表 小室 淑恵プロフィール
2014年9月より安倍内閣「産業競争力会議」民間議員を務め、働き方改革関連法案施行に向けて活動し、2019年の国会審議で答弁。2019年4月の施行に貢献。国政とビジネスサイドの両面から働き方改革を推進している。年間200回の講演依頼を受けながら、自身も残業ゼロ、二児の母として両立している。
株式会社ワーク・ライフバランス 広報 田村・三山・小田桐
TEL:03-5730-3081 / Mobile:080-3347-3081 / Email: media@work-life-b.com