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【開催レポート】2021年12月3日(金)、警察大学校様にて弊社コンサルタントの松久晃士が「働き方改革」について講義いたしました

更新日:2022年01月19日

全国の都道府県警察ならびに皇宮警察の人事等担当者48名様が対象となる、警察大学校様での講義。人事管理分野の一連のプログラムのうち、2時限(計160分)が「働き方改革」となり、松久晃士が講師を担当いたしました。

 

 24時間365日、常に緊急事案に迅速かつ的確に応じることの求められる警察組織においても「働き方改革」に取り組む重要性が増しています。講義の冒頭で「10年前と比較し労働環境が良くなったと感じる方はいますか?」と松久から質問をすると、ほぼすべての都道府県警察において「よくなった」との回答がありました。例えば「以前よりも時間外勤務が少なくなった」「休暇が取りやすくなった」などの働き方改革による変化を、各地で実感されているようです。

 一方で、非常に大きな組織であり全職員の認識を一致させる難しさも存在します。例えば働き方改革についてまだ多くの誤解が存在していると考えられます。その中でも「労働時間の削減や休暇取得推進が目的である」との誤解がよく聞かれるといいます。「早く帰ること」「休暇を取れるようにすること」が目的であると捉えられてしまうことです。そこで松久からは「労働時間の削減や休暇取得推進は“手段”。“目的”は都道府県民の信頼と期待に応える強い警察であること。」とお伝えしました。つまり睡眠時間が不足し疲労の蓄積された状態では、脳のパフォーマンス(注意力・認知力・身体能力)が低下しており、決して国民の期待と信頼に応えられる仕事のできる状態ではない。睡眠が不足(1日あたり7時間未満)していても、脳のパフォーマンス低下について自覚症状を持つことができず「いい仕事」はできていない恐れがあるのです。国民の信頼と期待に応える仕事をするために、長時間労働から抜け出し、休暇を取り、疲労を蓄積させないことが重要です。

 また、職場ごとに実践できる「カエル会議」について講義内で練習をしました。成功する働き方改革の秘訣と失敗パターンを比較し、成功のために何をすべきかを全員で考える時間を設けるなど、双方向性の高い講義形式で進行しました。

 

アンケートのお声

■「労働時間が長いことを頑張っていると評価しない」「やめる判断」など、目からうろこの内容でした。属人的な仕事や形骸化している仕事はないか、改めて見直すことも大切ですし、いい仕事につながる職員個人のアイデアを眠らせず、それを吸い上げる努力も人事管理を行う側として必要だと思います。

■働き方改革はそれなりにやってきたと思っていたが、まだまだやるべきことはたくさんあると認識を新たにすることができた。心理的安定性が確保された組織が強いということを知り、大いに共感できた。

■講義の中でも実施した「カエル会議」を係内で実践するとともに、目標達成シートも作成したいと思います。組織全体で「カエル会議」ができるように取り組んでいきたい。

■まずは一歩を踏み出す、行動に移すことの重要性を学びました。これを受け、既にチームで「いかに早く帰るか」をテーマにミーティングを実施し、実践をスタートしました。また、業務の合理化についても検討し、手続関係書類の一部廃止を今月中に実行する予定となりました。

■最近では、「余計な仕事、紙を作るのをやめようよ」と言う幹部もかなり増えました。例えば、何かを質問したときに、「新たに資料を作らず、既存のデータをパソコンの画面に入った状態で見せてくれればいいよ」と具体的に指示してもらうなどです。組織全体に対しても、意識を変えていけるように働きかけたいと思いました。

 

講師のメッセージ

これまで、警察大学校での講義だけではなく、各都道府県警察様にお伺いして研修をご提供したり、警察署単位でのカエル会議等に何度も同席をさせていただいたりと、警察組織の働き方改革を長年支援させていただきました。今回の講義で「10年前と比較してずっとよくなった」という声を聞くことができ、本当にうれしく思います。

そうした変化を実感なさっているからこそ、すべての警察官・警察職員が自己の持つ能力を最大限発揮できる職場を作ること(=ダイバーシティ&インクルージョンの推進)が極めて重要な経営課題となっており、今後進む定年延長や役職定年制の導入への対応にも目が向けられていました。警察組織は「誰でもできる仕事」であると国民は思っていません。国民の信頼と期待に応えられる、人材と組織づくりをこれからも進めていただきたく、また私もその支援を少しでもできればと考えています。

株式会社ワーク・ライフバランス 執行役員 松久 晃士

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