Case Study

社会を変えるイベントレポート

経営者限定セミナーレポート[4]
働き方改革先進企業「最優秀賞」「特別賞」に輝いた “あの企業”の注目すべき取り組み

小泉進次郎衆議院議員をはじめ、働き方改革にまつわるさまざまな分野の専門家をゲストにお迎えして、弊社が主催したトップセミナー『働き方改革と人生100年時代の企業経営』。第三部では、働き方改革に率先して取り組んでおられる企業への表彰式を行いました。

また、その後の懇親会では「最優秀賞」「特別賞」に選出された7社の代表より、受賞への感想・働き方改革への想いを語っていただきましたので、その内容もご紹介します。

今回の表彰を行った目的は、生産性向上と働きやすい職場の実現に向けた先進的な実例を多くの方に知っていただき、日本社会全体の働き方改革をさらに推進していくことです。みなさまも、ぜひご一読ください。

最優秀賞は大企業・中小企業から1社ずつ選出!

★最優秀賞 大企業部門★
大和証券株式会社

評価基準:働き方改革に多面的にアプローチし、育児・介護・シニア人材・外国人材など様々な背景をもつ多様な社員がモチベーションと生産性を最大化できる仕組みを作った大企業

大和証券株式会社
代表取締役社長 中田誠司様

私どもは2005年に女性活躍推進チームを立ち上げ、本格的な女性活躍推進に取り組んでまいりました。
2007年には、全従業員のワーク・ライフバランス向上を目指して「19時前退社」をスタートさせました。これによって生まれた時間を自己研鑽にあてたことで、ファイナンシャルプランナーの最高位資格であるCFP取得者が、2007年の170名から現在791名と、金融機関ナンバー1となっています。
また、現在、女性の管理職が385名。2005年の4.5倍になっております。さらに、4月より新たに1名の女性役員を任命し、女性役員が計8名となるほか、代表取締役副社長にも女性を任命しました。
直近の取り組みでは、若手社員に対して奨学金の返済をサポートする制度を導入し、営業職では雇用上限の年齢を撤廃しました。今後も、女性男性問わず若手からベテランまで活き活きと働くことができる働き方改革、さらにそれを一歩進めて従業員の満足度を向上させる働きがい改革にも取り組んでまいります。

★最優秀賞 中小企業部門★
株式会社エムワン
弊社HPに掲載中の事例紹介記事

評価基準:代替要員の確保が困難な少人数組織において、働きやすい職場を実現し、優秀な人材の獲得に成功している中小企業

株式会社エムワン
代表取締役 村井俊之様

私が一つだけやったことは、従業員の取り組みに「一切口を出さない」ということです。その結果、店舗の従業員が、自ら有休消化100%を目指すことを決めました。そして、従業員だけで有休消化100%を達成する方法を決めていきました。
取り組んだことは、2つです。ひとつは、スキルマップを作ることで、属人化された仕事をみんなができるようにしたこと。もうひとつは、有休を取って何をするかについて「やりたいことリスト」を作り、全員がシェアして有休を消化していったことです。
これによって、社員の相互理解が深まり、心理的安全性が確保され、売り上げも伸び、新卒採用もうまくいったという状況です。やはり働き方改革は、社長の意識改革が一番重要だと実感しております。

特別賞は「業界変革」「評価制度」など5つの部門で評価

★特別賞 業界変革部門★
大塚倉庫株式会社

評価基準:自組織の働き方改革にとどまらず、取引先を含めた業界全体の働き方の変革に寄与した企業

大塚倉庫株式会社 

代表取締役社長 濵長一彦様

キャッシュレス時代が到来するなどデジタル化の波によって、私たちのライフスタイルは激変していますが、仕事では今までのやり方を打破できないのが現状かと思います。私たちは「仕事も遊びも一生懸命」をモットーとし、早く帰り、遊びの中での良いインプットが、業務での良いアウトプットに繋がるという考えの元、さまざまな取り組みを実施してきました。その結果、社員一人ひとりの意識が変革し、作業の標準化や有給取得率の向上に繋がりました。

けっして「働き方改革ありき」だったわけではなく、自分たちの会社をより良くする延長線上の打ち手が働き方改革だったと考えております。今後もこのような賞をいただけるよう頑張ります。

★特別賞 評価制度部門★
住友生命保険相互会社

評価基準:時間を度外視して仕事の総量が評価される「期間あたり生産性」を見直し、「時間当たりの生産性」を高く評価する制度を実現している企業

住友生命保険相互会社 

取締役代表執行役社長 橋本雅博様

当社は、限られた時間の中でしっかり成果をあげた人を評価する、また、同じ成果であれば時間の短い人を評価する、という思想で評価制度を作りました。
これは、介護や育児などで時間の制約を抱える方も正しく評価することにつながり、ワーク・ライフバランスに資するものだと考えております。
引き続き、こういう評価制度を通じて、職員が元気で健康で働けるようにしていく。それが会社としての成長にもつながると考えております。

★特別賞 インセンティブ部門★
三菱地所プロパティマネジメント株式会社

評価基準:社員が自発的に「働き方変革」に取り組むようになる、優れたインセンティブ設計を実現した企業

三菱地所プロパティマネジメント株式会社
代表取締役社長執行役員 川端良三様

2016年から働き方改革に取り組み、2015年度対比で残業時間が30%減、営業利益が18%アップした上で、減った残業代の1億8000万円を全社員に還元したことを評価して頂けたと思っています。
今年度は固定残業代を導入し、職種毎一律に還元することで、時間を意識した働き方を定着させようとしております。さらに「断捨離プロジェクト」と称して、トップダウンで業務整理や効率化を断行することで、働き方改革をより推進し、社員が安心して働ける会社を目指していきたいと思っております。

★特別賞 ビッグインパクト部門★
株式会社ジャパネットホールディングス

評価基準:社員の意識、社会の意識を大きく変えるような、インパクトのある取り組みと発信で成果をあげた企業

株式会社ジャパネットホールディングス
代表取締役社長 兼CEO 髙田旭人様

私は2015年に社長となり、短い時間でいきいきと成果を出すのが最高の会社だと思い、いろいろ取り組んでまいりました。取り組むのであれば業績もついてこないとダメだと考えております。
私は、やることの背景はすべて正直に伝えています。たとえばRPAを導入するにあたって、「ロボットはこんなにすごいです。だから人間にしかできない仕事をしないとみんな本当に仕事がなくなる」と説明しました。その結果、一般職から総合職に転換する人が60名ほど出てきました。まだ道半ばですが、そういうことを地道に行いながら、素晴らしい会社を作っていきたいと考えております。

★特別賞 労働時間部門★
さくらインターネット株式会社

評価基準:全社の労働時間が劇的に削減され、現在も維持し進化し続けている企業


さくらインターネット株式会社
代表取締役社長 田中邦裕様

経営者の方に、ぜひお伝えしたいことがあります。それは働き方改革の中で、一番働くことを楽しみ、そしてワーク・ライフバランスを充実すべきは経営者であるということです。
私は結婚して15年になりますが、新婚旅行に行っておりませんでしたので、一昨年、1カ月の休みを取り、新婚旅行に行ってまいりました。1カ月も社長がいなかったら1本や2本は電話がかかってくるだろうと思っていましたが、1本もかかってきませんでした。正直、寂しい気持ちもありましたが、現場はみんな頑張って仕事をしてくれていて、私がいなくても普通に回る状況になっているんだと、感謝の気持ちで一杯になりました。経営者は、社員を信頼して一番に働くことを楽しむ。そういった働き方改革になればいいなと思います。

優秀賞を受賞された20社の一覧はこちら!

有限責任あずさ監査法人
イーソル株式会社
株式会社えがお
梶川土木コンサルタント
株式会社かんぽ生命保険
株式会社キャッチネットワーク
株式会社サカタ製作所
JSR株式会社
株式会社シップス
信幸プロテック株式会社
新菱冷熱工業株式会社
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
豊田通商株式会社
日通商事株式会社
日本郵便株式会社
PHCホールディングス株式会社
株式会社ベアレン醸造所
株式会社丸井グループ
コミュニケーションズ株式会社
株式会社リクルートマーケティングパートナーズ

(五十音順)

受賞企業のみなさま、ご列席いただきありがとうございました。今後もますますすばらしい取り組みを続けていただき、業界全体、そして日本社会全体を牽引してくださることを、弊社コンサルタント一同、楽しみにしております。