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人口ボーナス期・オーナス期について

2016年4月27日

ワーク・ライフバランスの推進にあたって、人口構造の変化と社会の仕組みを理解しておく必要があります。ここでは人口ボーナス期・オーナス期の考え方を解説します。

【コンサルタントによる解説】

ハーバード大学のデービット・ブルームによると人口ボーナス期は「若者の比率が高く、高齢者の比率が非常に少ない人口構造の状態」を指します。この人口比率にある国は、安い労働力があふれることで、早く・安く・大量に仕事をこなして世界の市場を凌駕する事が出来ます。かつ一方では、社会保障費が極めて低く、国として儲かったお金は全てインフラ投資へ回すことができるので、爆発的な経済発展が実現できます。
人口オーナス期は「若者の比率が低く、高齢者の比率が非常に高い人口構造の状態」を指します。オーナスとは「重荷・負荷」の意味です。人口の構造が、その国の経済に対して重荷に働く時期ということです。人口ボーナス期における経済発展の結果、富裕層が子どもに教育投資を初めて高学歴化し人件費が上昇し、世界中からの仕事が集まらなくなります。高学歴化により男女ともに結婚・出産年齢が後ろ倒しとなり、少子化になります。また、経済成長により医療や年金システムが充実すると寿命が伸び、高齢者率が増加し、社会保障費が増大するので一人当たりGDPが横ばいになります。人口オーナス期の典型的な問題は、労働力人口の減少・働く世代が引退世代を支える社会保障制度の維持困難です。

※出典 小室淑恵著 「労働時間革命」 毎日新聞出版社 26ページ

解説:小室淑恵