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出生率が回復しないと日本の人口は4割に激減!
2017年4月3日
2014年に内閣府「選択する未来委員会」がシミュレーションして作成したデータによると、現在の出生率が回復しなかった場合、2100年には日本の人口は4割になり、高齢者の割合はなんと4割を越えます! それを救うことができるのはあと2年しかありません。その理由を小室が詳しく解説します
【コンサルタントによる解説】
これは、2014年に内閣府「選択する未来委員会」がシミュレーションして作成したデータです。
黒い点線であらわされているのが、現在の出生率のまま推移した場合の日本の人口ですが、なんと2100年には日本の人口は現在の4割になり、そのうち41%は高齢者という国になります。年少人口(子どもの割合)も20%以上いて、残りの30%強が年金を払う側ということになるので、3割の労働力人口で残りの7割近い人口を支えることになり、ほぼ財政破綻の状態になります。今の日本は、財政破綻に向かってフリーフォールを落ちているところ、というような状況なのです。
一方でこれを救うことができるとすると、グラフで灰色にあらわされているように「今すぐ、出生率が2.07程度に改善したとすると」2100年に現在の8割の人口になったところで下げ止まります。高齢者比率も26.6%でおさえることができます。
このシミュレーションに少しでも近づかせることが重要なのですが、それができるのも、あと2年しかありません。それは、日本の最後のボリュームゾーンである団塊ジュニア世代の女性の出産期があと2年で終わるからです。
それまでに「この国は確かに働きながら産み育てやすくなった!」と実感できるだけの働き方改革をし、「こんな風に両立できる国ならば、もう1人、2人、産みたい!」と感じる人を増やすことができれば、遅れて来た第3次ベビーブームを起こすことができるかもしれません。
つまり働き方改革のタイムリミットはあと2年(2019年まで)なのです。この国を沈没させないように、各自、各社、各自治体、加速して取り組みましょう!
解説:小室淑恵