Social Ttrends

ワーク・ライフバランス基本データ解説

組織の生産性を“下げる”方法

2019年1月31日

【コンサルタントによる解説】

2008年に公開されたCIAのマニュアル『SIMPLE SABOTAGE FIELD MANUAL』。
敵国にいるスパイが、潜入した組織の生産性を落とすために、どのようなおサボりができるかについて書かれています。
日本の組織の普段の慣行に酷似しているということで、話題になりました。

以下、一部の抜粋と意訳です。

  • 「注意深さ」を促す。スピーディーに物事を進めると先々問題が発生するので賢明な判断をすべき、と「道理をわきまえた人」の振りをする
  • 可能な限り案件は委員会で検討。委員会はなるべく大きくすることとする。最低でも5人以上
  • 何事も指揮命令系統を厳格に守る。意思決定を早めるための「抜け道」を決して許さない
  • 会社内での組織的位置付けにこだわる。これからしようとすることが、本当にその組織の権限内なのか、より上層部の決断を仰がなくてよいのか、といった疑問点を常に指摘する
  • 前回の会議で決まったことを蒸し返して再討議を促す
  • 文書は細かな言葉尻にこだわる
  • 重要でないものの完璧な仕上がりにこだわる
  • 重要な業務があっても会議を実施する
  • なるべくペーパーワークを増やす
  • 業務の承認手続きをなるべく複雑にする。一人で承認できる事項でも3人の承認を必須にする
  • 全ての規則を厳格に適用する
原文はこちら

私もコンサルタントとして多くの組織を訪問してきましたが、
承認手続きが多い、会議が長く、何が決まったのかわからない会議がある、
といった課題感を持たれているクライアントが多くあります。
ある行政機関で回覧資料に10個以上の押印欄が用意されているのをみて、ギョッとしたことがあります。
また日本経済新聞社の調査では、残業時間が減らない要因に関して「非効率的な会議や資料作成が多い」との答えが約3割に上り最多です。

ではどうするか。解決策は簡単。マニュアルと逆のことをすればよいのです。
階層を減らし、承認手続きを簡略化する。
会議に集まる人を減らし、資料も減らす。作った資料は印刷をせず、ペーパーレスで会議を行う。
資料については「てにをは」レベルのミスをなくす努力よりも内容の充実、意思決定のスピードを優先。
また7~8割程度の完成度でも構わないので資料作成を終えて、仕事を先に進めることを優先する。

会議が長いと感じている方は、まずは自身が所属・所管する部署だけでもはじめて見てはいかがでしょう。

改めて、マニュアルの11項目をご覧ください。
みなさんの組織の中に、にスパイはいませんか?

出典: 「SIMPLE SABOTAGE FIELD MANUAL」(STRATEGIC SERVICES FIELD MANUAL No.3)

「CIAのスパイマニュアルに学ぶ「会社をダメにする11の行動様式」」
(ON OFF AND BEYOND[渡辺千賀]テクノロジー・ベンチャー・シリコンバレーの暮らし」2015/11/04)

「残業減らない要因、「非効率な会議や資料作成」3割 第293回 編集委員 木村恭子」(日本経済新聞電子版調査 2016/10/20)

解説:村上健太