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日本の有給休暇取得率の低さから見る課題点

2019年2月12日

【コンサルタントによる解説】

有給休暇の5日間の取得が義務化となりました。厚生労働省からのリーフレットでは、「年次有給休暇は、原則として、労働者が請求する時季に与えることとされていますが、職場 への配慮やためらい等の理由から取得率が低調な現状にあり、年次有給休暇の取得促進が課 題となっています 。」と記載されています。
次のグラフを見ると国際的にみて、日本の有給休暇取得の状況がわかります。

【図 有給休暇取得率の国際比較】

日本は20日付与のうち10日消化と取得率が50%で最下位となっています。

【図 日本の有給休暇取得率の経年比較】

また、2008年からの推移をみると、最下位もしくは下から一つ上という状況が長年続いているのです。

ブラジル、フランス、スペインなどは日本より付与日数が10日多い30日ですが、100%の消化率となっています。日本人は有給休暇を「いざというときのため」と取っておきがちですが、諸外国では病気の際は有給休暇と別枠で休暇を取得できる場合があるため、予備として取っておく必要がなくすべてを使い切るという意識が定着しているという側面もあるでしょう。

2019年4月の法改正によって、有給休暇取得率の数値は増えることを期待しますが、事業者が具体的に指定することなく、労働者が取りたいと思う日にとれるようにするためには、職場の風土や有給休暇取得に対する罪悪感を払拭することが求められると考えます。

解説:堀江咲智子
出典:エクスペディア