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最高の成果を挙げるチームの条件
~心理的安全性 前編~
2019年6月13日
時間内にタスクを遂行し残業を減らすために、生産性向上は必須の課題です。チームの生産性向上に頭を悩ませるマネージャーも多いのではないでしょうか。
生産性の高いチームの特性とはーーこの問いに対する解を明らかにするため、2012年、Googleで「Project Aristotle(プロジェクト アリストテレス)」と名付けられたプロジェクトが立ち上がりました。アリストテレスの「全体は部分の総和に勝る」という言葉にちなんで名付けられたもので、エンジニアリングの115チームとセールス65チームを対象に、生産性の高いチームと低いチームを比較し、「効果的なチームを可能とする条件」を解明しました。
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チームの効果性に影響する因子
プロジェクトの結果、メンバーひとり一人の能力・パフォーマンスよりも、メンバー同士の関係性が、チームの生産性に大きく関わっていることが明らかになりました。
以下が、チームの効果性に影響する5因子です。
ー1 チームの心理的安全性(Psychological Safety)が高いこと
ー2 チームに対する信頼性(Dependability)が高いこと
ー3 チームの構造(Structure)が明瞭(Clarity)であること
ー4 チームの仕事に意味(Meaning)を見出していること
ー5 チームの仕事が社会に対して影響(Impact)をもたらすと考えていること
さらにこの5因子は、上の要素が、ひとつ下の要素達成のための基礎となっており、最上段の「心理的安全性」こそが、チームの生産性に最も寄与していることも明らかになりました。
そもそも心理的安全性とはなにか?
Googleでは、心理的安全性を、「メンバーひとり一人が安心して、自分が自分らしくそのチームで働ける」ことであると定義しています。「自分らしく働く」とは、自己認識・自己開示・自己表現ができるということ。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があることが重要です。
心理的安全性をチェックする方法
「チームの心理的安全性」という概念を最初に提唱したエイミー エドモンソン氏は、チームの心理的安全性のレベルを調べるため、チームメンバーに以下の項目を問うことを勧めています。
- チームの中でミスをすると、たいてい非難される。
- チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える。
- チームのメンバーは、自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがある。
- チームに対してリスクのある行動をしても安全である。
- チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい。
- チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない。
- チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる。
あなたのチームの心理的安全性はいかがでしたか?前編では、チームの生産性を上げる最大因子である「心理的安全性」を紹介しました。後編では、心理的安全性を高める方法を紹介していきます。
解説:佐々木希海
出典:Google re:Work「効果的なチームとは何か」を知る