Case Study

社会を変えるイベントレポート

withコロナ時代、企業が今すぐやるべきこと
−社員は「時間自律性」、管理職は「マネジメント手法」確立のチャンス−

小室淑恵 オンライン講演『これからの働き方の変化 〜withコロナ時代に着手すべきことは〜』

働き方改革は福利厚生ではなく経営戦略です。「コロナ対応で大変だから改革は先送り」ではなく、今こそ果敢に攻めるタイミングといえます。なぜ今がチャンスなのか? 具体的にはどうしたらいいのか? 少しでも多くの方々に第一歩を踏み出していただけるよう、全国各地に向けてオンライン講演を行いました。

用語解説

『オンライン講演』:インターネット上で、オンライン会議システムやWeb会議ツールなどを使って実施する講演会やセミナー。PC、タブレット、スマホがあればどこからでも参加できるため、新型コロナウイルス感染拡大防止の切り札として活用する企業が多い。弊社ではコロナ以前からリアルタイムのオンライン研修や講演を日常的に実施しており、ノウハウや事例も豊富。現在も多くの依頼が寄せられている。
※オンライン講演/研修の詳細はこちら

中止や先送りはもったいない。今こそ、攻めの働き方改革を!

去る5月29日、弊社代表・小室淑恵がリアルタイムのオンライン講演を実施しました。

新型コロナウイルスへの対応を迫られる昨今、テレワークを中心に生産性をあげながら働くにはどうしたらいいのか。これは、連日多くのセミナーでご依頼いただいているテーマでもあります。本記事では、当日小室がお話しした内容をダイジェストでご紹介。今必要な動き方ができるよう、ぜひ参考にしてみてください。

なぜ「今」、着手すべきなのか?

「これまでにもテレワーク導入を検討したが定着しなかった」という企業は多いはず。それが今回の感染症対策で有無を言わさず在宅勤務をすることになりました。準備不足のままスタートしたテレワーク。社員側にも管理職側にもまだまだ課題が多いことは、弊社に寄せられるセミナー依頼やクライアント企業の相談内容からも明らかです。

この事態が落ち着いたら、「ようやく職場に戻れる」「やはり出社しないとダメだよね」と、元の勤務態勢に戻そうとお考えでしょうか?

経営戦略として、選択すべきはむしろ逆。「全員出社」に戻してはいけません。これを機に、テレワークでの生産性向上を是が非でも進めるべきです。

そもそも働き方改革を行う理由は、労基署対策でも残業削減でもなく、「勝ちにいくため」。多様性が求められる今の時代に、組織として、個人として、心身共に充実した真の勝利をおさめるために必須の改革なのです。

現代社会では、多くの社員が介護、通院、子育てなど各自の事情を抱えながら働いています。働く時間や場所にこだわらず「テレワークOK」と決めて環境を整えれば、諸事情のかげで時短勤務や退職を余儀なくされていた人でも、フルタイムに戻して生産性を上げ続けることができます。

「緊急事態で出社できないから仕方なくテレワークでやりすごす」のではなく、いつでも必要に応じてテレワークができ、今以上に生産性をあげられるしくみ・環境を平素から整えている組織。それこそがこれからの時代に求められる価値を生み出せるのです。

社員・管理職、それぞれに実践してほしい具体的なアクション

「社員の目標=時間自律性を高める」

テレワークでありがちな課題は:
・仕事にメリハリがつかず、モチベーションが落ちる
・自分がやったことを見てもらえない孤独感や
 サボっていると思われるのでは?という不安感
・資料や依頼を手渡しで直接連携できない

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対策は:
●自分の時間に対する自律性を高めるため「朝・夜メール」を活用!
・仕事が“見える化”され、ムダが減る
・チーム内のスケジュールは一目瞭然、業務の属人化も防げる
・「時間内に終わらせよう」という意識が働き、生産性が向上
・朝一番でコンディションや意気込みが共有できる
 (出社しなくても朝礼ができる!)
・一日の終わりに振り返りができ、孤独感や不安感が解消できる

「管理職の目標=心理的安全性を高めるマネジメントを体得」

テレワークでありがちな課題は:
・頼んだ仕事の進み具合が心配で、頻繁に確認したくなる
・自分の考えや方向性が直接伝えられない不安
・メンバーの個別事情が多様でマネジメントが困難
・自分に相談なく業務が進み、アウトプットが的外れになる

じつは、これらの課題はテレワークによって生まれたのではなく
もともと抱えていたマネジメントの問題点が顕在化しただけ!

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対策は:
●マネジメントの手法を、指示命令型(ティーチング)から心理的安全性を高めるコーチングへ変えていく!
●「以前のような全員出社の状況に早く戻したい」ではなく、マネジメント手法を変革する絶好のチャンスととらえる!
※昭和型のティーチングは相手の緊張感を高めてしまうが、コーチングなら相手がリラックスできるのでイノベーティブなマネジメントができる。

・先ほど紹介した「朝・夜メール」で、励ましコメントを返す
 (朝3人、夜3人などでOK。偏らないよう、いろいろな人に)
・「雑談・相談」のチャットを立ち上げる
 (まずは自分の課題をオープンにし、言いやすい環境をつくる)
・各自の育児・介護状況を把握し、配慮を呼びかける
 (たとえばランチ時は「子どもとの時間」だからWeb会議は避ける、
 子どもがぐずっていたら「5分休憩しよう!」と呼びかける、など)

・Web会議では頷き・同意・質問など、大きく反応する
・取引先にもWeb会議やデータでのやり取りを呼びかける

せっかく始まったテレワーク。このチャンスを逃すことなかれ!

withコロナの態勢は今後もしばらく続き、どの業界でも今までとは違う働き方が求められます。

「事態が落ち着くまでの辛抱だ。終息したら元の働き方に戻せばいい」と一過性の対策を講じるよりも、「今後、どのような事態になっても動じることなく効率的な働き方ができるよう対応していこう」と考えて、ぜひ本質的な働き方改革に取り組んでください。

なぜなら、感染拡大の懸念がなくなって事態が終息した後にも、台風や地震などの自然災害、あるいは出産・介護・通院など個々の事情によって、テレワークや在宅勤務、時差通勤、時間単位での有休取得などが必要になることは今後もずっとあり得るからです。

時間・場所にこだわらないフレキシブルな働き方が実現できれば多様な人材がしっかり活躍でき、人にも組織にもイノベーションが起こるのです。

この機会を逃したら、もうドラスティックな変革はできないかもしれません。迷わずに、そして早期に、貴重な第一歩を踏み出していただきたいと思います。オンラインでの講演やセミナー、ご相談も随時承っておりますので、どうぞ今すぐアクションを起こしてください!

●講演・研修をはじめ、各種お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ。