Case Study

個人から学ぶ成功事例

「一歩踏み出したその先に、何があるかわからなかった。 でも、その先の景色を見てみたかった」

〜有志で始めた「朝メール」を機に、変化していく働き方〜

——中外製薬株式会社 稲木健一郎さん・小竹智也さん

今回ご紹介するのは、中外製薬の有志11人の熱き取り組み。2020年、エリアも部署も越えて集結したメンバーは、「効率的な業務遂行」「充実した自分時間」という2大共通目標を掲げ、働き方改革に乗り出しました。その中で活用されているのが、弊社の『朝メール.com』です。会社の指示で導入されることが多い本ツールを自ら選び、今では「日々の業務に不可欠」と位置づけるほど。メンバーのお二人に伺いました。


岐阜三重支店の稲木健一郎さんと創薬化学研究部の小竹智也さんに弊社の担当コンサルタント 桜田陽子がお話を伺います。

この記事でご紹介するポイント

  • 個人で社内を巻き込んでいく方法とプロセス
  • 時間の使い方や心理的安全性が向上する『朝メール.com』
  • 他部署・他社員への波及効果で、業務効率が改善
  • 全社的な学会で取り組み成果を発表する機会を獲得
  • 組織の枠を越えて共感できる仲間と行動し、見えてきたこと
地域も部署も違う有志が自発的に集い、社内学会で成果を発表するまでに

「自分たちの働き方をなんとかしたい」という思いを持つメンバーが集まるきっかけをつくり、その後も活動の中心となったのは岐阜三重支店のMRである稲木健一郎さん。


稲木健一郎さん

全ての始まりは、稲木さんが発した一つの投稿でした。

もともと用意されていた社内用SNSに、
稲木さんが投稿

面識もなかった御殿場(創薬化学研究部)の
小竹智也さんが共鳴して熱く反応


小竹智也さん

稲木さんの投稿に小竹さんがすぐに反応し、社内SNS(Yammer)で初めて繋がって、ユニークな働き方改革活動を開始した二人。この事例は社内報に取り上げられた事で全社的に認知されていきました。働き方改革に関するセミナー開催情報を積極的に社内SNSで公開し、希望するメンバーで受講した内容を振り返りながら議論する中で、最終的に興味を持った11名が集結、活動の枠を広げることに。

「効率的な業務遂行」「充実した自分時間」という目標を掲げ、
『朝メール.com』無料トライアル開始

カエル会議を最初に行って「効率的な業務遂行」「充実した自分時間」を目標にしようとメンバーで決定。朝メール.comの無料トライアルも開始し、朝は1日の予定を、終業時には行動を振り返って毎日入力したところ、今まで見えていなかった「自分の働き方の課題」が明確化。目標に向かって、TeamsのチャットやZoomでのカエル会議を行って解決のアイディアを話し合っていきました。

取り組みのサイクル 取り組みのサイクル

業務効率が改善され、
心理的安全性の向上を実感

解決のアイディアを話し合ったり、ITで解決できる方法を教え合ったりする中で、参加者全員のデジタル力、タイムマネジメント力が向上。また、実際の仕事の場面でも助け合う機会が出てきたり、メンバーを介して他部署や他社員へ波及したりと、新たな展開もありました。

会社全体の学会「中外学会」で発表する機会を獲得

1000件ほどの候補の中、口頭発表できる30件の1つに採択され、この取り組みをまとめて社内で発表しました。その後、別の場面でも「発表してほしい」と声をかけられる機会が広がり、「働き方に興味を持つ人が増えている」ということを実感しています。

『朝メール.com』を活用してよかったこと、変われたこと

11名のメンバーに「『朝メール.com』を活用してよかったこと、変われたこと」をお聞きしました。

●朝、その日の予定を入力するメリット
・適度にプレッシャーがかかる事が奏功する。入力する時点で「よし、この時間でやるぞ」とスイッチが入る。
・入力の手が止まる日もあるが、逆に「仕事のやり方が雑になっているのかな」という反省材料になる。毎日リセットできる。
・いつも外付けディスプレイで朝メールの予定を見ているため「これが終わっていない」と気づける。その時の気分で脱線するのを未然に防げ、自分を律することができる。

●他のツールと比べた長所
・スマホで入力できるのがラク! 社外からも入力できるから便利。
・他のツールより入力行程が少なくて分かりやすい。他の人の予定も一覧し易く、一つのチームである事を実感できる。

●コメント欄の盛り上がり・コミュニケーション
・他部署同士でも心理的安全性を高めながら互いを高め合う「インスパイア合戦」が継続できている。が、部署によっては「個人ベースでの成果主義」ゆえに、「互いの手の内を晒したくない」という心理が働き、「朝コム導入は難しい」と感じる。そこは今後の課題のひとつ。
・コメントを見ることが楽しくて「あと1時間でコメント欄を見られるから、それまでに、ここまでの仕事を頑張ろう」と思える。他のメンバーの様子が気になってしまい、朝メールを細かく見てしまうのが副作用(笑)。

価値をまだ体感していない人にも、良さを分かりやすく伝えるために

取り組みの成果を発表する「中外学会」では、「朝コムを知らない人に向けて良さを伝えるには、分かりやすい指標にする必要がある。働き方改革の物差しの一つの具体例として心理的安全性が高まったことも数字にしないと伝わりにくい。メンバーで知恵を絞り、数値化することにチャレンジしよう」と考えたという稲木さん。

今、社内の働き方改革を進めようとしている人たちにとっても、大いに参考になるのではないでしょうか。


「中外学会」で発表するため稲木さんが用意した投影資料のひとつ。


ID比(全労働時間のうちCoreな業務時間が何%あるかを示したもの)が日を追うごとに向上している。「中外学会」資料より。


心理的安全性の向上についても具体的な指標を設け、数値で示した。「中外学会」資料より。

困難に直面しながら前進する日々を振り返って。

志を同じくする11人がスタートさせた中外製薬の働き方改革は、この先さらに拡大しながら続いていきます。取り組み真っ只中のお二人は、どのような思いをお持ちなのでしょうか?

Q:働き方改革に取り組む必要性を感じたきっかけはどんなことでしたか?

稲木さん(以下敬称略):
社内だけだと視野が狭まるので、社外の情報をとれるように以前から心がけていました。コロナ禍の中で外部環境の情報を積極的に収集していましたが「乗り遅れているんじゃないかな」と感じていて・・・とはいえ実際に何をしたらいいのか具体的に分からず、モヤモヤしていました。

小竹:
世界で例のない新しい研究を実施するには時間が必要です。一つでも多くのチャレンジをするためには、労働生産性の向上が不可欠だと考えていました。そもそも私は10年来、小室(淑恵)さんのファンなので、稲木さんが呼びかけてくれたことに即、反応しました。「仲間を見つけた!」という感覚です。あの時、社内SNSで稲木さんの第一球に出会わなければ、今これだけのアウトプットを出せていなかったと思います。

Q:朝メール.comを活用したメリット、実際に感じた変化を教えてください。

稲木:
まず、朝メールで予定を可視化でき、「分析」のボタンを押すだけで何の業務が計画していた予定時間を超過したか、何が短縮したかが簡単に分かるのがポイントです。時間目標とマイルストーンが決められているため「目標を達成できないんじゃないか、もっと意識しよう」というマインドが生まれるのも大きいですね。そして、部門を越えて一緒に取り組む中外製薬の仲間がいたこと。みんなが頑張っているから自分も頑張らなきゃというポジティブ要因は欠かせないと感じています。

小竹:
朝メールを自分の秘書にしたい。そのくらいの存在感です。朝イチで「よし、これやるぞ」と立てた計画が一日中、サブディスプレイで常に“見える化”されているので、進むべき道をきちんと進めているか、都度リマインドされます。まさに秘書が「社長、次の予定はこちらです」と言わんばかりに。脱線を回避できるため、行き当たりピッタリに一日を過ごす事が出来、その結果、ID比の向上に繋がっているものと考察しています。

Q:上手く進んだ部分がある一方で、難しさや困難もあったと思います。組織として、どのような課題を感じておられますか?

稲木:
ボトムアップで何かを大きく変えていくのは実際、相当ハードルが高いです。難しいなと感じることは多々あります。

たとえば、世の中の潮流では「属人化をなくす」のが一つのテーマですが、業界によっては“秘伝のタレ”みたいなのが各自にあって、個々で成績を残さないと評価につながらない現状があります。弊社に関しては、今年から個人→チームでの成果に評価の軸が変わったので、今後の変化に期待しています。

でも、とにかく重要なのは、まず自分がやってみること、そして近しい人やチーム内で働きかけること、組織の枠を越えて共感できる仲間と行動することです。今回の取り組みは目標・筋道を立てて進めていくのではなく、とりあえずやってみたことがよかったと思っています。ポジティブな気持ちを尊重し、まずはやってみる。一歩踏み出したその先に何があるのか、ひと筋の光明をたどりながらとにかく進んでいくことが重要だと思います。

また弊社は『部門の枠を越えてイノベーションを生み出す風土の醸成』を目標にしていますので、働き方改革やそれ以外の活動でも一歩踏み出したコラボレーションが起これば良いなと思っています。

小竹:
個人ベースでの成果主義そのものを全否定する訳ではありませんが、部署を越えた関わり合いについても、今回のような行動に対する評価軸があれば、もっと大きな波が起こせるのかなと思います。「こうした活動をもっと積極的にやっても良いんだ」と思う方が増えると期待します。

稲木:
小竹さんが主宰している「Weekly KOTAKE」というオンライン勉強会の場に集う人も増えていて、「働き方改革の困り事」を解決し、波及させていく大きなきっかけになっています。何もしなかったら悩みを抱えている人がいるのかどうかすらわかりませんが、実際には相当の人が「なんとかしたい」と思っている。それだけは実感しています。コネクトする場作りが鍵です。

今回、社内SNS「Yammer」を通じて小竹さんと知り合い、想いを共有することでポジティブ思考になって、活動の輪を広げることができました。その結果、さらに多くの方々と情報交換ができています。今後は、働き方改革に悩んでいる方、一歩踏み出したい方の後押しができたら、と考えています。

小竹:
ハードルは高いですが、その分得られる成果も多いです。研究所の働き方改革アンバサダーとして、多様な人財から発信される想いにインスパイアされたい、自身のスキル・強みで全社をインスパイアしたい、そう考えています。稲木さんが第一球を投げてくれて始まったコラボが、共鳴した複数の人たちとともに次のステージへと繋がっています。「あのときの投稿にインスパイアされて○○が成功したんだよ」と言える日が来たら素敵ですよね。今からワクワクします。

一人ひとりの行動が大きな波を起こしていく。今後にますます期待!

『朝メール.com』を組織単位ではなく個人レベルで導入されたこと自体が、社内初の出来事でしたが、「やる気を持つひとりが行動することで、大きな流れができる」「社内にはきっと志を同じくする人がいて、部署や場所をこえて共に行動することができる」と実証してくださった、すばらしい事例です。

以前は面識すらなかったという稲木さん、小竹さんが、今では毎日のように朝メールやコメント欄でつながり、他の皆さんも巻き込みつつ、次のステップを見据えながら、今も動いておられます。

朝メール.comのことを「秘書にしたい」「生産性の高い仕事をする上でなくてはならない存在だ」とおっしゃっていただけたことはとても嬉しく、今後開発を進める上で励みになる言葉でした。

中外製薬の皆さまの今後の取り組みを、ますます大きな期待感とともにフォローさせていただきながら、弊社としても、朝メール.comがますます「有能な秘書」となれるよう成長し続けたい!と決意を新たにしています。

「朝メール.com」へのお問い合わせはこちらからどうぞ。

担当コンサルタント・聞き手

桜田陽子

文/山根かおり