2025.12.18
開催レポート
100年時代のキャリアデザイン研修~キャリア研修は誰のもの?キャリアの折り返し地点で私らしい生き方を描き直す
本レポートは、「介護離職予防研修 定額制サービス」で提供している研修「人生100年時代のキャリアデザイン研修」の開催レポートです。導入企業の皆様には、従業員に向けて、介護に直面する前の早い段階での両立支援に関する情報提供の場として活用いただいております。
目次
「キャリア研修」と聞くと、これから成長していく”若手社員が受けるもの”というイメージを持つ方が多いでしょう。しかし、今回の研修は40代・50代の参加者が中心。いわゆる”キャリアの折り返し地点”に差し掛かった世代を対象にしたものです。
本研修では、「キャリア=仕事上での昇進や役職のステップアップ」という枠を超え、人生100年時代と言われる今、私たちはこれからの生き方をどう描き直すのかを考えていきます。
これから自分に起こりうる現実を知る
人生全体の歩みを考えたときに、みなさんはどんなストーリーを思い描くでしょうか?
「学ぶ→働く→引退」という一本線を想定している方も多いかもしれません。
しかし医学や介護予防などの発展、健康志向の高まりによって、平均寿命・健康寿命は延び、2007年生まれの50%は107歳まで生きると推測されています。「ライフシフト(リンダ・グラットン著)」のヒットにより「人生100年時代」というワードが一気に広まりましたが、これからの時代、引退後の人生のほうが現役時代より長くなるかもしれないのです。

健康リスクはじわじわ、介護は「ある日突然」始まる
こうした長い人生の中で何が起きるのか。
研修の中では、現実的な問題として「自身の健康リスク」と「親族の介護」について講師の実体験も踏まえてレクチャーがありました。
厚労省の調査によると、40代以上になると社会人の数割~半数が、何らかの生活習慣病にり患する可能性があり、がんについては「生涯で二人に一人が罹患する」と言われています。
実際、当社のような30名規模の会社でも、過去に二人ががんを経験しており、決して”他人事”ではありません。講師の「”大きな病気”は突然起こるわけではなく、小さな不調の積み重ねが原因」との言葉に、わが身を振り返りはっとした方もいたはずです。
介護についてはどうでしょう。
介護こそ、「親がだんだん弱ってきて、ゆるやかに始まる」イメージを持つ方が多いかもしれません。ところがデータを見ると脳卒中・骨折・関節の病気・心疾患などで、ある日突然介護が始まるケースが3割程度もあるのです。今や介護の担い手は配偶者や子がほとんど。「全部自分でやらなければ」という発想は、本人も家族も共倒れになるリスクが高くなります。講師からは「介護は、身体介護はプロに任せて、家族は心のケアと意思決定を担うのが基本」とお伝えさせていただきました。
このような自身の身体の変化や、親の老い、家族役割の変化、キャリアの停滞感などから、30代後半から40代は人生の踊り場にいるような感覚を持ちやすい時期と言われています。この年代特有の、制約・停滞・下降を感じている心理状態を「ミドルクライシス(中年の危機)」と呼ぶそうで、残りの人生を想像して明るい気持ちになれないのも仕方のないことなのかもしれません。
ではミドル世代にとってのこの先の人生はずっと下り坂なのか?というと、実はそうでもないようです。
あるデータによると、「能力のピークは年代によって違う」ことがわかっていて、記憶力や情報処理能力は30代くらいまでがピークである一方、感情認知能力や語彙力など、40代以降にピークがくる能力もあるそうです。
つまりミドル世代は、「失ったもの」にばかり目を向けるのではなく、「育ってきたもの」にも目を向けてキャリアを再構築するチャンスだと捉えることもできるのです。
「ありたい姿」からキャリアを考える
前半のレクチャーを踏まえて、後半はぐっと自分の内面に向き合う時間でした。
本研修の最後のワークは「終わりを想像する」という、少しドキッとするテーマです。
「自分はどんなことに後悔していそうか?」「どんなお葬式になっているだろうか?」など、普段はあまり考えない問いをあえて扱いながら、本当にやりたいことを丁寧に言語化していきました。
ここで重要になるのが”ありたい姿”です。
注意したいのは、”あるべき姿”とはまったく別のものだという点。
ありたい姿:自分が心からこうなりたいと思う状態
あるべき姿:社会や他者から求められる「〜すべき」という基準
私たちはどうしても「〜すべき」「〜でなければならない」に引っ張られがちですが、前向きな人生を送るためには、まず「やりたい(Will)」を大切にし、そのうえで「できること(Can)」「やるべきこと(Must)」との重なりを明確にすることで、ありたい姿が実現しやすくなると紹介されました。
さらに、キャリアを考える上では、自分でコントロールできることとできないことを整理して無駄な悩みに時間を使わないことと、楽な方へ流れず必要な努力を続けていく姿勢だという点も、忘れてはいけないポイントです。

また主体的にキャリアを描いていくためには、今この瞬間の「挑戦を生み出す心のエネルギー(気力)」も欠かせません。
普段あまり意識することはありませんが、気力は有限のリソース。無限に湧き出るものではないため、意識して気力を減らさない工夫や回復する工夫をしていく必要があるのです。研修の中では、講師から「気力が減ると大事な決断や判断が適切にできなくなり、その状態を放置するとメンタルヘルスまで害する可能性がある」とお伝えしましたが、自分の気力マネジメントの必要性は、盲点だった方も多いのではないでしょうか。
本研修を受けただけでキャリアデザインが完成するわけではありませんし、これからも常にアップデートしていくものです。
ただ、今回の参加者の皆さんにとって本研修が、仕事も人生も、後悔の少ない方向を「自分で選んでいく」覚悟を持ちそのために今何ができるかを考えるきっかけになれば幸いです。
参加者からいただいたご感想を一部ご紹介します
- will・can・mustを持ちいたありたい姿の導きかたが参考になった。また、当たり前のことですが、癌は早期発見・早期治療が大事ということ(現在私には気になる部分があるので)」
- 人生の先の事を全く考えていなかったが、今回の講義で為になりました。
- 今までで一番楽しかったことや辛かったこと、自分のお葬式等、普段考えもしていないことを振り返ったり、想像することが新鮮だった。
- まずは自分の健康状態に気を付けるところから始める。(育児・介護ともに自身が健康であることは重要であるため)
- なりたい自分について、意識する機会は普段はなかなか取れないので、考える機会、きっかけが出来て良かったです。
- なりたい自分について、定期的に考えていこうと思います。運動を少しずつ始めようと思います。
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従業員にとって介護と仕事の両立は、「親の老い」という向き合いにくいテーマ。そのため情報収集が遅れ、介護開始後に負担が一気に高まり離職につながるケースが少なくありません。当社では、本サービスを通して早期に必要な知識や支援策を届け、「介護」と「キャリア」を天秤にかけずに済む社会を目指しています。
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