週休3日制と適材適所で生産性が飛躍的に向上

高知・株式会社幸が進める“みんなでつくる働き方改革”

業績は上昇、生産性は飛躍的に向上。その一方で見えてきた課題

滝沢：
貴社は高知県事業2024年度の高知県働き方改革普及促進事業（多様な働き方）に参加されたところから本格的に働き方改革に取り組んでこられたかと思います。その際、弊社でもご支援をさせていただきました。その後どのような変化があったのでしょうか。

中平：
支援していただいてから、業績は本当に大きく伸びました。年商は2.3億円から3.3億円となりました。職員数はそこまで増えていないので、時間当たり生産性は飛躍的に向上していると言えます。ただ、残業時間がまだ十分に減らせておらず、特に管理部門は改善の余地があります。

滝沢：
取り組まれている中で引き続き課題もあるのですね。ただ、残業の“最大値”は下がってきたと伺いました。

中平：
はい。これまで長時間残業の中心だった職員の残業が、45時間近くから30〜35時間まで減りました。平均値はまだ課題ですが、確実に変化が出ています。
今採用を新たにしているところなので、その方たちの育成状況も加味しながらですが、今後の改善を見込んでいます。

「社長が」ではなく「みんなで進める改革」へ

滝沢：
中平さんご自身にも認定コンサルタント養成講座にご参加いただきました。そこで得た学びは、どのように社内で役立ちましたか？

中平：
これまで働き方改革は、社長が圧をかけているだけのように感じられる部分がありました。でも養成講座で本質的な理解を得て、取り組みの目的を「時間当たり賃金を改善するため」「みんなが働きやすくなるため」と言語化できるようになったことで、私自身とても楽になりました。

滝沢：
働き方改革を、会社のためだけでなく「皆さん自身のための取り組み」として再定義されたのですね。

中平：
はい。高知県の事業でカエル会議を実施したことで、役割カードやファシリテーション輪番など、みんなで議論する文化がどんどん強まっていきました。

適材適所の実現へ。得意・やりたい業務を基に業務を再設計

滝沢：
現在、適材適所の取り組みも進めていると伺いました。

中平：
全職員に「得意な仕事・やりたい仕事・苦手な仕事」のアンケートを取りました。その上で、ダブル・トリプルキャストを維持しながら、どう業務を割り振るか話し合っています。やりたくない仕事を担う人には周囲が協力する、という共通理解もでき、良いスタートが切れています。

7段階の事務手当制度で離職を防止し、賃金アップにもつながる仕組みへ

滝沢：
事務処理に関する新しい手当制度も導入されたそうですね。

中平：
事務処理が苦手な方が離職につながるケースがあり、そこに向き合う必要がありました。そこで、熟練度に応じた7段階の手当を設定しました。やらない人はゼロですが、やる人には最大2万5,000〜3万円程度の手当がつきます。その結果、離職が防げ、10月からは多くの職員がベースアップしました。

滝沢：
また、週休3日制への挑戦も進めていらっしゃいますね。

中平：
求人に掲載したところ「週休3日で働きたい」という応募がありました。高知県では導入企業がほとんどなく、採用力アップにもつながりそうです。週5勤務と週4勤務、二つの働き方を選べるように設計しています。

社内からも2名が養成講座を受講。推進役の育成へ

滝沢：
社内からも養成講座を受講された方がいらっしゃいますね。

中平：
働き方改革にアクセルを踏める社員を幹部に入れたかったんです。利益だけでなく、職員の働き方をより良くするという価値観を共有するには、養成講座が一番の近道だと思いました。

働き方改革を始めたい企業へのメッセージ

滝沢：
最後に、これから働き方改革に取り組む企業の皆さまへメッセージをお願いします。

中平：
養成講座では考え方だけでなく、「具体的にどう進めるか」まで学べます。短時間で成果を出すワーク・ライフバランス社のスピード感を体感できるのはこの講座だけ。受講することで、必ず新しい未来が開けると思います。

（取材：株式会社ワーク・ライフバランス　コンサルタント 滝沢）