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2026.07.16

開催レポート

介護と仕事の両立セミナー~誰にでも訪れる介護に備えるために~

本レポートは、「介護離職予防研修 定額制サービス」で提供している研修「介護と仕事の両立セミナー」の開催レポートです。導入企業の皆様には、従業員に向けて、介護に直面する前の早い段階での両立支援に関する情報提供の場として活用いただいております。

団塊の世代が後期高齢者となり、日本ではこれからますます高齢者の割合が増えていきます。この人口構造の変化は、近い将来「誰にとっても、いつか介護が訪れることが前提の社会」がやってくるということを意味しています。

とはいえ、介護について考えることは、親の老いと向き合うことそのもの。できれば避けたいテーマと思うことも人情ですし、「自分にはまだ関係ないかもしれない」と感じている方も少なくありません。このためつい情報収集を後回しにしてしまい、その結果、誤った思い込みのまま介護と仕事の両立に挑むことになり、やむなく離職を選ばざるを得ないケースも決して珍しくないのです。

だからこそ今回のセミナーでは、”どこか遠い未来の出来事”として捉えがちな介護を、正しい知識を身につけ、今のうちにできる備えについて一緒に考えながら、まずは自分事として考えてもらうことを目的に開催いたしました。

「働き方を変えないと、後悔する」講師2人のストーリー

本セミナーはチャット機能も活用して、参加者とインタラクティブにやり取りしながら進行しました。まずセミナー冒頭で「自身の介護の状況」を回答してもらったところ、参加者約500名のうち、「まだ介護への不安はない」と答える方が45%となった一方で、「介護認定を受けて介護をしている」と答えた方が18%という結果に。

みなさんはこの結果みてどう感じたでしょうか?

育児と違い、介護を抱えている方はあまりその情報を表に出さないため周りに介護中の同僚がいることはなかなか気づきづらいもの。

そういう意味では、「約2割が介護中」という結果は「意外と多いな」と感じた方も多かったかもしれません。

実は今回講師を務めた新井と桜田も、それぞれに介護を経験しています。

新井は、20代の時にがんの闘病を続けていた母を亡くした経験から「母との時間を大事にしていたつもりでも、亡くなった時には”もっと一緒にいればよかった”と強く後悔した」と語りました。

桜田からは、男性9割の職場で、家族のことは職場に持ち込まないよう必死に働いていたけれども、子どもが小1のタイミングで義父の入院と義母の認知症が一気に進み、自宅に義母も住むことになり介護を開始、「育児+介護+フルタイム勤務」が同時に押し寄せた経験が語られました。状況こそ全く異なりましたが、二人に共通していたのは、大切な人の介護の体験を通じて抱いた「自分を犠牲にし、後悔する人を増やしたくない」という強い想い。

これは、「今の仕事にしがみついてほしい」という意味でもなければ、「介護に専念すべき」ということでもありません。本当に大切なのは、いざ介護に直面したときに、適切に外部の力を借りながら、自分の働き方や時間の使い方も見直し、仕事と介護の両方を”無理なく続けられる形”を模索していくこと。

そのための視点やヒントをお伝えできればーー。そんな願いが、このセミナーには込められています。

仕事を辞めても負担は減らない?

多くの方が、介護について次のような期待を抱きがちです。

  • 「自分の親は要介護状態にならないのではないか」
  • 「もしなっても施設に入ると言っていたから、自分には影響がないだろう」
  • 「自分が介護することにはならないはず」
  • 「公的サービスを使えば何とかなるだろう」

しかし、残念ながら、こうした期待は実現しない可能性が高いのが現実です。

セミナーでは、厚生労働省の統計データや講師自身の体験談を交えながら、「介護は誰にでも訪れる可能性がある」という事実をお伝えしました。データの具体性に驚く参加者も多く、まさに”自分事化”が進む瞬間でした。

介護と両立セミナー当日資料イメージ

では、私たちは介護と仕事にどう向き合っていけばよいのか。両立は本当に可能なのか。それとも、やはり離職して介護に専念すべきなのか。

ここで紹介したのが、介護を機に離職した方へのアンケート結果です。「仕事を辞めてからの変化」を尋ねたところ、経済面・精神面・肉体面いずれの面でも「負担が増えた」と答えた方が半数以上にのぼりました。

つまり、両立の負担を減らすつもりで離職したはずが、介護に専念することで、かえって心身の負担が大きくなる可能性があるのです。先が見えない長期介護のなかで、介護者が鬱状態に陥るケースも珍しくありません。

だからこそ講師からは、「周りを頼っていい。むしろ頼った方がいい介護になる。だから、どうか介護を理由に離職しないでほしい」というメッセージが繰り返し伝えられました。

自分の介護リスクを可視化し、備える

誰にでも介護の可能性があると理解した次に気になるのは私たち自身は実際にどれほど介護に直面する可能性があるのか、ということです。

セミナーでは、介護リスクのチェックリストと家系図を使ったワークを行い、自分の状況を”目に見える形”で確認していきました。チェックを進める参加者からは、「3つ以上当てはまった」「全部当てはまる」といった声も多く寄せられ、多くの方が想像以上に介護リスクを抱えていることが明らかになりました。

介護と両立セミナー当日資料イメージ

いざ介護と仕事の両立が必要になったとき、最初に考えるのは「どう会社へ相談するか」という点かもしれません。

ある調査によると、「介護に関して企業に求めること」の第1位は「再雇用制度の創設」でした。つまり、”一度退職して介護に専念し、介護が終わったら職場に戻る”という流れをイメージしている人が多いようです。

しかし、介護の平均期間は5年1か月。

セミナーでは、現在の介護状況別に、ライフとワークの面でどんな準備やどんなアクションが必要なのかもお伝えしましたが、どのフェーズでも一貫してお伝えしたいのは一人で抱え込まずに、適切に周囲の力を借り、仕事とどのように両立するかの視点で考えるということです。

そのなかで両立を成功させるカギとなるのが、「初動」です。

「介護休業」という制度を知っている方は多いと思いますが、実はこの休業は”介護に専念するため”ではありません。本来の目的は、これからの介護体制を整える期間として使うものなのです。

この期間に必要な窓口へ相談し、申請や面談を進めておく。これが、その後数年にわたって続くかもしれない介護との両立を、無理なく実現するための大切なステップになります。

再度お伝えしますが、介護を理由に離職することは、介護する側にもされる側にも大きな負担をもたらします。

本セミナーを受講された皆様が、正しい知識をもとに、介護と仕事は両立できるイメージを持てたなら幸いです。

参加者からいただいたご感想を一部ご紹介します

  • 今まで考えなければなと思いつつリアルな想像が出来ておりませんでしたが、参加者様からの情報も含めどうしたらよいかが自分事として捉える事ができました。実際に起きたらまた思うようにはいかないと思いますが、このセミナーを思い出しながら行動していけたらと思います。
  • 親族で介護で苦労していた人が身近にいるので、いつか自分も直面することだとは思いつつも、両親の年齢的にまだ先だとはとらえているが、いざ直面した際の情報として有益であった。またできる備えをすること、知識はつけておくことはいざ直面した際の助けになると思った。
  • もし今後、自分が介護の状況になった場合には、「退職した方が楽」とは安易に考えず、まずは人事課に相談して、自分に合った働き方を一緒に考えていきたいと思いました。
  • 介護のために離職してはいけないという言葉が印象的でした。介護の必要性や家族に寄り添ってあげたい気持ちなどもあり、今後の状況によっては離職も選択肢の一つかと思っていましたが、本セミナーを受講し、考えが変わりました。
  • 受講者側の方々の中で、これほどまでに介護に携わっている方が多いことに正直ビックリしました。そして、不安等ありつつも仕事と両立されている事に感服しました。
  • 介護はぜったいムリしないこと。介護休業は「初動の体制を構築するために使う」ことを知りました。知らない人が多いことかもしれません。貴重な研修ありがとうございます。
  • 介護の緊急度がそれほどない(これから介護が必要になるかもしれない)段階の対象者にも、今からできる予防策を教えていただけたのがありがたかったです。
  • 「家族は心の介護ができる余裕を残す」そのためのサービスを活用するという部分が印象的でした。
  • 一人で抱え込まないことが大事。自分自身で分かってはいても、親に頼られると自分がやらなくてはと思う気持ちが強く悩んでいたところ本セミナーがタイミングよく開催されタイムリーに受講することが出来ました。自分と同じような状況の方がたくさんいること、講師の方からの温かいお言葉によるアドバイス大変参考になりました。
  • 基礎知識を学べたこともありますが、参加者の様々な質問を聞いているうちに介護を身近に感じました。それに対する講師の回答も分かりやすかったです。

   

介護離職予防研修 定額制サービスのご案内

介護離職予防研修 定額制サービスについて詳細はこちらをご覧ください

介護離職予防研修 定額制サービス」では、本研修のほか、下記のサービスもご提供しております。

  • トップメッセージの発信のハードルを下げ、効果を高めるための「トップの発信サポート」
  • トップやマネジメント層の理解促進と推進を加速するための「経営層・管理職向け研修」
  • 介護はまだ先と感じる方向けの「人生100年時代のキャリアデザイン研修」
  • 介護中の方、または両立に備えたい方向けの「介護と仕事の相談カフェ」
  • 担当者間の交流でノウハウを深める「人事・推進者向け交流会」
  • イーラーニングに活用可能な「介護が始まる前に知っておきたい初動のキホン」動画コンテンツ

従業員にとって介護と仕事の両立は、「親の老い」という向き合いにくいテーマ。そのため情報収集が遅れ、介護開始後に負担が一気に高まり離職につながるケースが少なくありません。当社では、本サービスを通して早期に必要な知識や支援策を届け、「介護」と「キャリア」を天秤にかけずに済む社会を目指しています。

■お問い合わせはこちらから

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