
DE&I時代に求められる”マネジメント力”とは
多様な人材が活躍できる組織づくりの重要性は、多くの企業で認識されるようになりました。
一方で、「DE&I(Diversity, Equity & Inclusion)の必要性は理解しているが、現場のマネジメントでどう実践すればよいのか分からない」という声も少なくありません。
私たちのもとにも多種多様な業種・規模の企業経営者や人事ご担当者からご相談を受けることが増えています。
今回ご紹介する、総合建設コンサルタントとして社会インフラ整備に取り組むパシフィックコンサルタンツ株式会社では、「多様な人材が力を発揮できる組織づくり」を重要なテーマとして位置付けていらっしゃいます。高い技術力を維持するだけでなく、さらなる付加価値につなげるために、どのような組織づくりを意識するのか。今までの延長線上の人材育成にとどまらない、一歩進んだDE&I戦略を構築するには、どのようなマネジメントが必要なのか。こうしたテーマを対話を通じて深めるべく、国土基盤事業本部の室長クラスの管理職を対象に、「DE&I時代に求められるマネジメント力をテーマとしたワークショップ型研修」を開催しました。
本研修では、DE&Iの考え方を理解するだけでなく、ディベートやロールプレイなどの実践的なワークを通じて、「管理職自身が自分のマネジメントを振り返り、アップデートすること」を目的としました。大いに盛り上がった研修の様子をご紹介します。
研修概要
| 研修名 | DE&Iマネジメントワークショップ |
|---|---|
| 実施日 | 2025年10月22日 |
| 対象 | パシフィックコンサルタンツ株式会社 国土基盤事業本部 室長クラス |
| 参加人数 | 約70名 |
| 形式 | 対話型ワークショップ(ディベート・ケーススタディ・ロールプレイ) |
なぜ今、DE&Iがマネジメントのテーマなのか
近年、日本社会では人口減少や人材不足が進み、企業にとって「多様な人材の力を活かす組織づくり」が重要な経営テーマになっています。
特に建設コンサルタント業界では、若手人材の確保・働き方の多様化・技術者のキャリア継続など、組織運営の課題が大きく変化しています。
こうした環境の中で、DE&Iは単なる制度や方針ではなく、管理職の日々のマネジメントの中で実践されるものとして捉える必要があります。
そこで今回の研修では、「同じ立場で組織をマネジメントする室長同士が集まり、DE&Iを自分ごととして考える場」としてワークショップが実施されました。

ディベートで「自分の考え」を整理する
研修の冒頭では、DE&Iをテーマにしたディベートを実施しました。
参加者は「DE&Iはなぜ必要なのか」「現場でどのような課題があるのか」「組織の成果とどう関係するのか」といったテーマについて議論します。
このディベートの目的は、正解を出すことではなく、自分の考えを言葉にし、他の管理職の視点を知ることです。
普段はあまり議論する機会のないテーマについて率直に意見を交わすことで、参加者それぞれが自分の考えを整理していきました。

<参加者コメント>
「DE&Iは制度の話ではなく、組織のマネジメントの話だと感じた。」
「DE&Iの必要性は理解しているが、どう実践するかはまだ整理できていないと感じた。」
DE&Iに関する「よくある誤解」を整理する
ディベートの後には、DE&Iの基本概念についてのレクチャーが行われました。
研修では「DE&Iは女性活躍の取り組みではない」「特定の人を優遇するものではない」「成果と対立する概念ではない」といった「DE&Iに関するよくある誤解」について整理しながら、その本質について理解を深めました。
DE&Iは単なる制度ではなく、「多様な人材が能力を発揮できる環境をつくるマネジメントの考え方」であることが説明されました。

職場での実践方法を学ぶ ― ハード面とソフト面の両方からアプローチ
DE&Iは知識として理解するだけでは、現場で活かすことが難しいテーマです。
そのため今回の研修では、「制度や仕組み(ハード面)と、マネジメントやコミュニケーション(ソフト面)の両方からDE&Iを捉えるアプローチ」が紹介されました。
ハード面では、制度や評価の仕組み・働き方の選択肢・キャリア機会の公平性といった組織の仕組みについて考えます。一方、ソフト面では、管理職と部下の対話・心理的安全性・個々の価値観の理解といった「日常のマネジメントのあり方」が重要になります。
研修では、こうした考え方を踏まえながら、「職場での実践を想定したケーススタディとロールプレイ」を通じて、マネジメントスキルを学びました。


ロールプレイで体感する「マネジメントの難しさ」
研修では、実際の職場を想定したロールプレイを行い、管理職としての対話の進め方を実践的に学びました。
扱ったケースは主に次の3つです。
◎ケース① 育児とキャリアの両立に悩む社員との対話
パフォーマンスの高い社員が、育児との両立に不安を感じており、プロジェクト参加について悩んでいる状況を想定しました。
管理職として、本人のキャリア志向を尊重しながら、どのように対話し支援するかを考えます。
◎ケース② 若手社員との1on1
入社数年目の若手社員が、自信を持てず仕事について相談しづらい状況を想定しました。
心理的安全性を確保しながら、挑戦を後押しするコミュニケーションのあり方を考えます。
◎ケース③ 経験豊富なベテラン社員との関係づくり
異動によって、かつて上司だった社員やベテラン社員が部下となるケースを想定しました。
経験や立場を尊重しながら、チームとしての目標に向けて協働していく関係づくりについて議論しました。
ロールプレイを通じて多くの参加者が口にしたのが「頭では分かっているが、実践するのは難しい」という感想でした。
実際に対話をしてみることで、相手の話を最後まで聞く・オープンクエスチョンで対話する・相手の背景を理解しようとする、といったコミュニケーションの重要性を改めて実感する機会となりました。
<参加者コメント>
「頭では理解しているつもりでも、実際にやってみると難しいと感じた。」
「相手の話を聞くことの大切さを改めて実感した。」
「部下とのコミュニケーションの取り方を見直したいと思った。」
DE&Iは日々のマネジメントの中で実践される
研修の最後には振り返りが行われました。
参加者からは「DE&Iは制度ではなくマネジメントの話」「多様な価値観を理解することが重要」「対話の質がチームの力につながる」といった気づきが共有されました。
DE&Iは特別な施策ではなく、「日々のマネジメントの中で実践されていくもの」です。
今回のワークショップで得た学びを、管理職一人ひとりが現場に持ち帰り、組織の中で実践していくことが期待されています。
<参加者コメント>
「DE&Iは特別な取り組みではなく、日々のマネジメントの中で実践していくものだと感じた。」
「今回の学びを、日々のマネジメントに活かしていきたい。」







