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CASE STUDY

日本総合住生活株式会社の導入事例

「個人がやりがいを持ち、輝くこと」がすべての出発点。ダイバーシティ推進によりエンゲージメントスコアの向上を後押し!

日本総合住生活株式会社

業種
建設・不動産・物流
事業規模
1000名以上
成果
経営層の意識変革 働き方改革の意識向上 心理的安全性の向上 管理職層の意識向上

日本総合住生活株式会社様は、集合住宅管理のパイオニアとして設立から65年の歴史を有する住宅管理サポート企業。2017年から全社を挙げてダイバーシティ推進に取り組み、女性活躍推進やワーク・ライフバランスの実践を推し進めています。そして2025年度からは小室淑恵の講演を機に、弊社が全国の支店長向けの研修・行動支援をさせていただきました。日本総合住生活様でダイバーシティ推進に携わる岩田みどり取締役、ダイバーシティ推進室の外村様、八森様、船塚様、森田様(以下敬称略)へのインタビューを行い、取り組みの背景や内容、感想などをお伺いしました。

インタビュアー:株式会社ワーク・ライフバランス 原わか奈・高安千穂

ダイバーシティ推進はゴールではなくプロセス

WLB原:御社は2017年にダイバーシティ推進をスタートされ、働き方改革やダイバーシティ推進に取り組まれています。御社ではダイバーシティをどのように捉えているのでしょうか。

八森:私たちが考えるダイバーシティ推進とは、性別や年齢・働き方といった属性の違いを、配慮すべきものとして扱うことにとどまらず、一人ひとりの違いや価値観、強みを活かしながら、全員が力を発揮できる組織を作ることです。

当社では「企業は人なり」「個人が輝けば職場が輝き、そして会社が輝き、強くなる」という考え方をダイバーシティ推進の軸としてきました。「個人の活躍なくしては、会社の持続的な成長はあり得ない」との前提に立ち、制度づくりとともに職場の意識やマネジメント変革にも取り組んでいます。

特に重視しているのは、育児や介護などの事情を抱える人に限らず、誰もがライフステージや価値観の変化を前向きに捉えながら働き続けられることです。ダイバーシティ推進は一部の人のための施策ではなく、会社全体の働き方やマネジメントを見直して、組織力を高めるための経営課題でもあります。各種ワーキングにより、業務効率化と働きやすさの両立を目指しています。

また、私たちはダイバーシティ推進をゴールではなくプロセスであると捉えています。社会環境が大きく変化する中で、当社の良さを大切にしながらも、変わるべきところは変わる必要があります。その変化の原動力となるのが一人ひとりの多様な視点や想いであり、それを引き出して活かす土壌を作ることが当社のダイバーシティ推進であると考えています。

岩田:平成27年のトップコミットメントでは「当社で働く全ての人が生き生きとやりがいを持って働ける環境づくり、職場づくり」を掲げています。当社の従業員は約8,000人ですが、そのうち社員・再雇用社員は約1,700人であり、その他パートやアルバイトなど多様なスタッフの方々が現場で働いています。そういった方々を含めたすべての人がやりがいを持って生き生きと働ける職場づくりを目指しています。その中では、女性の活躍推進や障がい者の活躍推進も大きなテーマとなっています。

日本総合住生活株式会社様インタビュー

エンゲージメントスコアが継続的に向上

WLB原:ここまでのダイバーシティ推進を振り返って、どのように評価をされていますか。

岩田:4年前から従業員エンゲージメント調査を実施し、スコアが毎年向上していることは明るい材料です。特に、若手社員のスコアが上がってきている。全員が同じ温度感で取り組むことは難しいですが、少しずつダイバーシティ推進に共感する人が増え、それがスコアにも表れているのではないかと感じています。

WLB原:ダイバーシティ推進を持続させ、会社の取り組みに共感する人を増やしていくのは簡単ではありませんが、岩田さんの想いにダイバーシティ推進室の皆さんが共鳴することにより、ここまで取り組みが進んできたと感じています。その情熱はどこから生まれるのでしょうか。

岩田:個人的な話になりますが、私は2歳から12歳まで団地に住んでいた経験があり、そのコミュニティの中で人格が形成されたと実感しています。団地の存在が大好きで、団地を守り続けてきたこの会社のことが大好きなのです。ですから、今は恩返しのつもりで仕事をしています。若い人たちには、この会社で仕事をすることにもっと誇りを持ってほしいし、私自身はこの会社の成長にワクワクした期待を持ち続けたいと思っています。

講演がもたらした変化

WLB原:弊社との関わりは、2025年に小室の講演をご依頼いただいたところから始まりました。ご依頼のきっかけと、講演後の変化についてお聞かせください。

岩田:私自身、前職の勤務先で小室さんの講演を聴いたことがあり、衝撃を受けたのを覚えています。小室さんのお話はエビデンスに基づいているだけでなく、論理的で説得力があります。ぜひ当社の役員や管理職層にも聴いてほしいと思い、ご依頼したという経緯です。

森田:初回はマネジメント層向けにご講演いただき、それを受けて全社向けにもお話いただきました。ダイバーシティ推進は2017年にスタートしていますが、当時はどこか他人事のような空気感があり、特に支店の現場では「自分は直接関係ない」と捉える人もいたのではないかと思います。

小室先生の講演を全員が聞くことで「本社でいろいろやっているダイバーシティの取り組みは、特定の人に関係することではなく、自分たちにも関係があったんだ」と腑に落ち、共通認識を持てたことが大きかったと思います。

また、勤務間インターバルについても大きな反響があり、人事部内でも早期導入を目指した検討を進めています。

外村:勤務間インターバルに関しては、弊社の業務には事故対応などイレギュラーな業務もあり、最初は導入が難しいと思いましたが、調べていくと適用除外の設定が可能であるとわかりました。現在、勤務間インターバルの導入は努力義務となっていますが、今後義務化も予想されるため、当社への導入を進めたいと考えています。

また、小室先生のような外部の著名な方の講演を、経営層・部長クラスだけでなく、ほぼ全社員が聞いたことにより、ダイバーシティを進めるうえで共通の土台づくりができたと考えています。一例を挙げれば、男性育休について昭和世代と若い世代が共通認識を持つことで、堂々と育休を取得できる空気感が醸成されました。


PDCAを回す習慣が定着

WLB高安:講演のあと、弊社がご一緒する形でイクボスワーキングを進めてまいりました。導入の背景についてお聞かせください。

森田:もともとイクボスワーキング自体は社内で実施していましたが、今回の大きな変化は外部コンサルに初めてご依頼したということです。

これまでのワーキングは、現場の課題やエンゲージメント調査の結果を受け、各支店長と各支社総務部長が各拠点で行った取り組みを共有する場となっていました。和気あいあいとした空気の中で行っていた反面、より実効性の高いワーキングとならないか考え、ワーク・ライフバランスさんに伴走していただきました。

初回のワーキングでは、原因分析の考え方や、効果の出やすい施策の検討方法、カエル会議の具体的な進め方など、これまで伝わりにくかったので、手法や知識をご紹介いただき実行することで、ワーキングメンバーの取り組みに深みが出たのではないかと思っています。

また、自分たちで課題を選定し、改善策に取り組むことにより、これまで単発だった取り組みが線でつながり、継続性が出てきたところも収穫だと感じています。

八森:支社の総務部長や支店長たちが各拠点をまとめる立場にあることを再認識し、主体的に自分の拠点を良くしていく意識が芽生えたのではないかと感じました。森田が話したように、継続的に結果を出していくという空気が生まれたのではないでしょうか。

岩田:ワーキング後にはアンケートを取り、次の取り組みにつなげることを意識しました。結果としてPDCAを回す習慣が定着してきたと感じています。

WLB原:ワーキングでは対話の時間も長くとりました。皆さんが自分の言葉で話そうとする意識が高まり、役員の皆様との対話により視座の変化があったことが印象的でした。

日本総合住生活株式会社様インタビュー

カエル会議から新しい試みが生まれた

WLB高安:カエル会議では「いろいろな人の意見を聞くことができ、お互いの距離が近くなった」という感想をたくさんいただきました。支店長が突然皆さんの意見を聞こうとしても、なかなか難しいかもしれませんが、「カエル会議で宿題があるから」ということで熱心にコミュニケーションを取られていました。皆さんがワーキングを上手に活用されていたと思います。

森田:カエル会議について、支店長からは「正直当初はあまり期待していなかったが、参加した従業員が普段感じている悩みや思いを積極的に発信し、最後には発信したことで不安が少し解消された様子だったので、やってみてよかった」というコメントをいただきました。

ワーキングメンバーが部下を知るきっかけになっただけでなく、部下のほうも「こんなことを聞いていいのかな」という疑問を投げかけられるようになったと感じています。

八森:部長や支店長は普段課長など管理職との対話が中心なので、課長以下の課員と直接話す機会が生まれたのは良かったと思います。コミュニケーションの回路ができていると、何か問題が発生したときに話しやすくなり、問題解決のスピードが上がります。

森田:今回、カエル会議の実施を強制したわけではないのですが、いくつかの支店では自主的に取り組んでいるようでした。事務局として嬉しかったですし、そこから変化を感じることができたのはとても良かったと思います。

八森:メンバー同士のつながりを通じても、カエル会議の情報が広がったようにも感じています。「隣ではどうやってるの?」「意外と良かったよ」「そうなんだ。じゃあ、やってみるか」といった情報交換が行われていたようです。

森田:2回目のワーキングでは「その取り組みいいね。うちの支店でやってみようかな」という声がちらほら聞こえました。いい取り組みが横に広がっていく様子を感じることができ、嬉しかったです。

WLB原:どのような取り組みに関心が集まっていましたか?

森田:アンケートで関心が高かったのは事務職と技術職が合同で行う全体朝礼です。ほかには、支店独自の取り組みである「デスクデコレーション」が好評でした。自分の座席を趣味のグッズなどで飾り、会話のきっかけにするというユニークな試みです。

日本総合住生活株式会社様インタビュー

外部の視点が加わり、議論の幅が広がった

WLB原:これまでのイクボスワーキングでも事例共有をされていたと思いますが、今回の取り組みとの違いはどこにあるとお感じですか。

八森:これまでは社内で完結していたこともあり、外からの目線に乏しい状況がありました。そのせいで現場に対する先入観や遠慮がありましたが、今回ワーク・ライフバランスさんに入っていただいたことで、客観的な視点や他社事例に基づく示唆が加わり、ワーキングメンバーの気づきや議論の幅が大きく広がりました。第三者からの問いかけやフィードバックを受ける場ができたことにより、より自分ごととして捉える意識が高まり、行動が具体的になったと思います。

岩田:単なる情報共有レベルから実践度が上がったのが印象的でした。特に、当社ではこれまで支店長が一堂に会する会議体がなかったので、その意味では支店長同士がコミュニケーションを図る場を提供できたことに大きな意味があります。

WLB原:御社では「いつまでに何をやるか」というワークフローを明確にした上で、宿題に取り組んでいただきましたが、支店長の皆さんがしっかり期日までにデータを格納してくださいました。これは非常に素晴らしいことであり、御社の真面目な社風とワーキングの立て付けがフィットしていたのではないかと感じました。

ワーキングの実践度を上げる工夫として意識していたことはありましたか。

岩田:エンゲージメントの調査結果を活用することには大きな意味があります。これにより、組織単位・支店単位での強み弱みが可視化されるので、特に同じ弱みを抱えている支店長同士で実践的な取組みや情報の共有ができるのは、より良い組織運営に繋がると思います。。

私たちは調査開始当初から「スコアを上げることを目的にしないでください」とお伝えしていますが、「弱みの原因となる組織の状態を見極めて、各支店で解消向けて取り組んでください」とお願いしています。調査結果は、実効性を上げるうえで貴重なベースとなっています。

WLB原:課題を明確に持つことが重要ということですね。ワーキングメンバーの皆さんは、調査結果などから支店の課題を的確に捉え、ありたい姿を定めながら取り組まれていたと思います。

日本総合住生活株式会社様インタビュー

伴走力や共感力の高さに感動

WLB原:イクボスワーキングを通じて皆さんがお感じになった弊社の特徴についてお聞かせいただければと思います。

船塚:原さん、高安さん、お2人の伴走力や共感力が非常に高く、私たちの想いや会社の背景などを丁寧に汲み取りながら進めてくださったところが、とても良かったと感じています。

私たちが迷ったときにも、決して押しつけがましくなく「こういった考え方もありますよ」と提案してくださったのが印象的でした。自分たちで考えられるように支えてくださり、ありがたかったです。

また、企画段階から運営に至るまで、当社の状況を理解し、常に私たちの事情に寄り添いながら現場で無理なく取り組めるようにサポートしてくださったので、安心して進めることができました。

女性コンサルタントの方に伴走していただくのが初めての経験でしたが、コミュニケーション力をフル活用されていて、多くの学びがありました。お2人の熱意に呼応して、ワーキングメンバーの取り組み姿勢からも「与えられた課題に対してしっかり応えよう」という想いが伝わってきました。

岩田:弊社の中には、長年にわたって培われた風土や文化があり、特にイクボス世代の人たちには暗黙知が共有されていると感じています。この暗黙知を理解して進めないと協力を得ることは難しいのですが、お2人は暗黙知を含めて弊社をできるだけ深く理解しようと努めてくださいました。

WLB原:たくさんのお褒めのお言葉をいただき、非常に嬉しく思います。

日本総合住生活株式会社様インタビュー

進める上で苦労したポイント

WLB原:事務局として工夫したこと、苦労したポイントについてお聞かせください。

船塚:支店が全国に点在しているので、取り組み状況が直接見えにくいという問題があります。進捗状況を把握するため、普段より定期的な情報共有を心がけました。当初は、支店長の方々がオンラインミーティングに対応できるか不安もあったのですが、前向きに取り組んでくださり、デジタルツールの活用促進にもつながったと思います。

ほかには、ワーキングメンバーがとても忙しい管理職層でしたので、スケジュール調整や情報の伝え方には細心の注意を払いながら進めてきました。そこでもコンサルタントのお2人には細かいところまで柔軟にご提案いただき、事務局として大変助けられました。

岩田:私たちは現場の状況をすべて理解しているわけではないので、「わかっていないことが多い」という前提のもと、いかに寄り添うかを意識しました。懇親会などで支店長さんと会話をするチャンスがあれば、積極的に話しかけることを心掛けています。

あきらめずに伝え続けることが大切

WLB高安:それでは、これからのチャレンジについて教えていただければと思います。

岩田:令和8年度は次期中期経営計画がスタートします。未来に向けて「今何をすべきか」を考え、あるべき姿に向かってアクションをとっていく重要な3年間になると考えています。

これから具体的な行動計画が支社・支店に落とし込まれる予定です。その行動計画をしっかり把握しつつ、変化する外部環境にキャッチアップできるよう、ダイバーシティ推進に向けて今まで以上に情報収集や意見収集などを行い、施策を遂行していきたいと思います。

WLB原:御社と同じようにダイバーシティ推進に取り組む方々へのエールをお願いします。

岩田:弊社は関連会社の方々の協力・支援がないと変わることができませんし、私たちの力だけで社内を変えることもできません。社長や役員の皆さんにも、折に触れて「変えてはいけないことは守りつつ、変えるべきことは変えていきましょう」と伝え続けています。会社の未来を見据えて、とても大事な次の3年も、信念を持ってあきらめずに伝え続けることが大切だと思います。

外村:変わろうとしている人を上手く見つけて巻き込むことが大事ではないでしょうか。世の中の変化に合わせて、社内でも変化を求める人が少しずつ増えています。そういう人を見つけて対話を続け、じわじわと変えていければと考えています。

WLB高安:若い方のアイデアも活かしながら取り組むパワフルな3年間になると思い、私たちも楽しみにしています。改めて御社のことが大好きになりました。今後もいろいろなお話ができればと思います。本日はありがとうございました。

日本総合住生活株式会社様インタビュー

担当コンサルタント
原 わか奈
高安 千穂

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