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CASE STUDY

広島県の導入事例

夫婦で”共育て”を担うための職員研修~広島県庁が挑戦した、夫婦で考える家事・育児分担の第一歩~

広島県

業種
官公庁・自治体
事業規模
1000名以上

広島県では、本年度の前後に父親になった、あるいはその予定がある広島県庁の男性職員とその配偶者を対象に、男性育休の必要性を理解し、夫婦でより良い形で育児と仕事を両立できるよう最初の一歩を踏み出すことを目的とした研修を開催しました。

一般的に「パパママ学級」というと、沐浴やおむつ替えなど育児の基本を学ぶ場というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし今回の研修では、男性育休の必要性、産前産後のメンタルヘルス、夫婦関係の変化、育児スキル形成に関する知識をお伝えするだけでなく、ワークを交えながら “キャリア” や “夫婦の未来” についても考えていただく時間となりました。

育児は冒険みたいで楽しいよね

講師を務めたのは、弊社コンサルタントの山﨑純平です。冒頭の自己紹介では、自身の経験も踏まえて、日本において男性が育児に参画する難しさを語りました。

そのとき感じた
「こんな状況のままで、日本で子どもを持ちたいと思えるだろうか」
という強い憤りこそが、山﨑が今の仕事へ進む原点になっています。

また、今回の研修には「これから親になる」という方も参加されていました。特に第一子の場合は、何が分からないのかすら分からない…そんな不安を抱える方も少なくありません。

そこで山﨑からは「大人になると、新しい経験はなかなかしなくなりますよね。でも、子どもは成長するたびに、私たちに新しい景色を見せてくれます。それって、まるで毎日が冒険のようでとても楽しいんですよ。」というメッセージをお伝えしました。

データで読み解く“男性育休”の本当の意義

男性の育休取得率は年々上昇し、2024年度は40.5%に達しました。

取得率だけでなく、平均取得日数も大きく伸びており、2024年は29.9日。2019年の2.4日と比べると、実に12倍以上の増加です。

また、35歳以下の子どもがいない男性社員の86%が「育休を取得したい」と回答したデータもあり、今後も取得率の上昇が見込まれます。

しかし、その背景にある“男性が育休を取る意味”をどれほどの方が理解しているのでしょうか。

研修では、

といったポイントを、データを用いながら解説しました。

中でも、意外と知られていないのが「産後の女性の死因1位が自殺」という事実です。

産後2週間のタイミングでは、妊産婦or出産を経験した女性の4人に1人(25%)の女性が産後うつの可能性があると言われています。主な原因は、急激なホルモン変化と慢性的な睡眠不足。

この最も負担が大きい時期に、男性が育休を取得し、夜間の育児や家事をシェアすることは、妻の心身の安定につながり、ひいては“妻と子どもの命を守る行動”でもあるのです。

育休推進のよくある壁

続いて、男性が育休を取得するときに立ちはだかるかもしれない、
”4つの壁”を乗り越えるポイントをお伝えしました。

ひとつめは「代替要員がいない」こと。

育休を取得する際は、代替要員の確保や引き継ぎの負担など、職場に迷惑をかけてしまうのではないかという不安を抱える方も多いでしょう。しかし、その迷いが大きいからこそ、事前準備や働き方の見直しが重要になってきます。

「職場の無理解」に対しては、自分の主張だけを通そうとするのはNG。まずはなぜ相手がそう思うのか上司や同僚の立場になって考えてみることが大切です。その上で、相手の不安や課題に寄り添い、お互いがwin-winになるコミュニケーションのコツをお伝えしました。

「収入が減る」という不安もよく聞きます。

ですがある試算によると、育休を取得した場合としなかった場合で、年収ベースで数%しか手取りが変わらないという結果もあります。

もちろん育休の取得期間や個人の年収によっても差額は変わってくるので、「ただ不安に思う」のではなく一度シュミレーションしてみることをお勧めしました。

また長期間の育休取得によって、自分だけキャリアの歩みが止まってしまうのではないか、復帰後に評価や担当業務が変わってしまうのではないかと、「キャリアに響く」ことを不安に思う方も多いかもしれません。

しかし、育児そのものが「未開拓分野への挑戦」となります。

この新しい経験は、”仕事の幅を広げる”という観点で重要あり、”イノベーションの源泉”でもあります。

育休=ブランクと考えている方こそ、「育休はいい仕事をするためのインプット期間」と捉え直してほしいとお伝えしました。

未来を「ふたりごと」にするためのキャリアプランニング

研修の後半では、ワークを通じて「夫婦の未来」や「キャリア」をじっくり考える時間を設けました。これまでの講義内容を踏まえ、自分自身の価値観や将来像と向き合う、参加者にとって大切なステップになりました。

数十年前の日本では、女性にとって“結婚=幸せ”とされ、男性は仕事を最優先にするのが当たり前でした。しかし1986年の男女雇用機会均等法の施行をきっかけに、女性の就業機会は徐々に広がり、現在では共働き世帯が多数派となっています。

つまり現代では、男女ともに家庭でも職場でも担う役割があり、どちらか一方が犠牲になる生き方はもう成り立ちません。お互いのキャリアや希望、生活のあり方を“夫婦で”話し合い、納得のいく選択をしていくことが求められる時代になっています。

そのためにも、夫婦には大きく3つの転換期(挑戦期・再評価期・充実期)が訪れることを理解したうえで、それぞれのフェーズでしっかり対話を重ねることが大切です。

話し合いを深めるには、まず自己理解が欠かせません。自分が何に喜びを感じ、どんなことがストレスになるのかを知ることが、パートナーとの対話の土台になります。そのうえで「いま困っていること」「こうしていきたいという気持ち」などを素直に伝え合うことが、夫婦の協力関係を築く一歩になります。

研修ではその一環として、「あなたが死ぬまでにやりたい10のこと」を書き出すワークを実施しました。理想の未来を言語化し、そこから逆算して“いま”できる行動に落とし込む。そして夫婦で共有し、少しずつ実行していくことで、人生に主体性が生まれていきます。

キャリアの8割は偶然の出来事に左右されるとも言われていますが(プランド・ハップンスタンス理論)、だからこそ計画に縛られすぎず、好奇心や社会の変化に応じて柔軟に進路を修正していく姿勢が大切です。描いた夢や計画を夫婦で見つめ直しながら、納得のいく人生を一緒に歩んでいってほしい—そんなメッセージが込められたワークとなりました。

研修を終えて

今回3時間にわたる研修でレクチャー部分も多かったものの、グループワークやチャットを通しての参加者同士の交流もあり参加者からはたくさんの感想をお寄せいただきました。

■担当コンサルタント

講師プロフィール

山﨑 純平(やまざき じゅんぺい)/ワーク・ライフバランス コンサルタント
石川県かほく市在住、2児の父。建設機械メーカーでエンジン設計に携わったのち、2019年に株式会社ワーク・ライフバランスへ転身。自身の育休経験(3か月+7か月)や父親学級の講師経験を活かし、男性育休の推進や働き方改革の実現を全国で支援している。現在は完全テレワークで活動しながら、企業・自治体向けのコンサルティングや研修登壇を行っている。

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