Case Study

日野市様

日野市が進めた部署の働き方改革は自身の業務把握から。 属人化している主業務が8割を占めていたことから、13のマニュアル作成により脱属人化へ

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日野市が進めた部署の働き方改革は自身の業務把握から。 属人化している主業務が8割を占めていたことから、13のマニュアル作成により脱属人化へ

「生きがい創出」と「労働生産性」の向上を目指した全庁での改革の一環として日野市では2021年から弊社と働き方改革の取り組みを開始。
2021年度に管理職研修を実施し、2022年度は福祉政策課と職員課給与厚生係の2チームを対象に、朝メールドットコムとカエル会議オンラインを導入し、働き方改革に取り組みました。コロナ禍で開始したということもあり、コンサルタントはリアルで訪問ではなく、すべてオンラインで実施。働き方改革が進みにくいというイメージがある自治体組織において、ITシステムをフル活用し、取り組まれた内容とは。具体的な施策とともにお伝えします。


取り組み概要 ~働き方改革を具体的なアクションにつなげるためのポイント~

日野市では対象2チームに、朝メールドットコムを使っての業務時間入力、カエル会議オンラインを使ってのカエル会議を行ってもらいました。キックオフから始まり、情報共有会までに定例会を3回実施。2チームそれぞれの課題を抽出し、チームごとに定期的に話し合いが行われました。

日野市様 自治体働き方改革事例1

●朝メールドットコムを活用して現在の働き方の把握・見える化

取り組み開始から2か月後の時点で、弊社サービス朝メールドットコムを使い日々の業務時間を入力。翌月に働き方の実態を分析・確認し、その結果からどんな気付きを得たのかを共有頂きました。

実際に時間をかけている業務と時間をかけたい業務に差はなぜ生まれるのか。思っていた通りに時間は使えているのか。カエル会議で、現在の働き方から見えてきたギャップ=課題を取り上げ改善策を話し合っていきます。

  • 働き方改革の4ステップ
  • ①現在の働き方を確認する
  • ②業務の課題を抽出する
  • ③カエル会議で働き方を見直し
  • ④見直し施策の実施

●カエル会議を行って働き方改革の4ステップを実現し具体的な取り組みへ

カエル会議では課題の提出、働き方の見直し、見直し施策の実施をしていきます。カエル会議オンラインを使い、コンサルタントとzoomで繋いで、それぞれの議題ごとに無記名で意見を書き出していきます。

2チームは、メンバーも人数も業務も環境も異なりますので、ステップは同じでも内容は変わってきます。

ここからは各チームでの課題、それに対する具体的施策の取り組み実施内容について詳しくご紹介します。


職員課給与厚生係の取り組み

●取り組み期間中7回のカエル会議を実施。課題に対して具体的な施策を導き出す

まずはカエル会議でありたい姿の設定から始め、「各個人が抱えている業務で、マニュアル化できていないものはマニュアル化し、コミュニケーションを積極的にとり、チームで仕事をして業務の偏りをなくす。」というありがたい姿が決定。それに対し現状のギャップを洗い出したところ、次のような課題が見えてきました。

  • ・制度や作業が細かく、マニュアルがないものは、どうしても属人化しがち(●●さんに聞かないと分からない・・・etc.)
  • ・近年職員の入れ替わりが激しく、引継ぎが大変・届出関係等の問い合わせで、似たような問い合わせが多い

そこで、具体的にはカエル会議を通して、マニュアルの優先順位やどの業務をマニュアル化させるか等意見を話し合い決め、マニュアル作成の時間を少しでも多く取るようにし、
カエル会議のたびにそれぞれマニュアルの完成度が何%かを確認し、作成に向けカエル会議で再確認を行っていきました。

日野市様 自治体働き方改革事例2

さて、「属人化している業務のマニュアル化(マニュアル作成)」を最優先にし、これに関わる業務時間も増やすことを目標にしたが実際はどんな時間の使い方をしているかを分析。

その結果、主業務=事務作業が83.9%と大半を占めている事がわかり、マニュアル作成の必要性を痛感。その時間を確保することに気づきながらも、マニュアル作成に費やす時間は1%。改めてマニュアルの作成をチーム内で合意した上で、では「どの業務のマニュアルを作成するのか?」「そのような内容がよいか?(内容構成)」「マニュアル作成の担当振りは?(役割分担)」という切り口で、何を決定していけばよいかアクションを整理。主業務一人にかかる業務量の負担の減少や業務の効率につながることを目的・狙いとしたうえで、問い合せ対応が多いもの関連を中心にマニュアル作成を進めることに。

    そして、このような効果を感じていただいています。

  • ・係の抱える課題が明確にできた
  • ・実施する取り組みの進捗状況を共有できた
  • ・カエル会議を導入する前とした後を比較すると、導入した後の方が積極的にコミュニケ―ションを図ることができている。

取り組みを進める中で新たな課題も見えてきたため、共有会後もチームで話し合い改善を試みていきます。

日野市様 自治体働き方改革事例3


福祉政策課の取り組み

●業務情報の共有(マニュアルの共有と組織的管理)と保存データの整理に着手

福祉政策課においては、職員課給与厚生係においても取り組んだマニュアル作成について、その後の運用も見据え、庁内情報システムを活用し、管理者を置いて組織として管理することにしました。

(取り組み1)業務情報の共有

  1. ①業務情報の共有の必要性が高いとの意見が多く提案された。
  2. ②定型業務のマニュアル化・定型業務のマニュアルの必要性を課内で共有し、作成することとなった。また、今まではマニュアルを組織として管理する意識に乏しかったが、管理者を置いて組織として管理することとなった。
  3. ③庁内情報システムを用いた情報共有・現在導入されている庁内情報システムにおける電子会議システム(マイスペース)で、業務の振り返り等に対し意見等を共有する取り組みを実施。他者の意見を参考に別の意見が出されるなど、業務の見直し・反省点の洗い出しなどが活性化している。

日野市様 自治体働き方改革事例4

(取り組み2)業務用に保存しているデータの整理

  1. ①不要データの整理:フォルダ、データの量が多く、ドライブ上の保存容量を圧迫するとともに、必要なデータを探しづらくしているとの意見を受けて、データの整理を行うこととしている。
  2. ②データ保存ルールの設定と徹底:ドライブ上で保存可能な容量が少なくなったら不要なデータを削除するという場当たり的な対応ではなく、データでも保存年限を設定するなど新たなルールの導入を予定している。また、従来から設定していた保存ルールについても改めて徹底を図ることとした。

定期的な異動に伴う引継ぎを効果的に進めること、新しく異動してきた職員にも分かりやすくデータを保存することは市役所全体の課題です。
今回、自分たちの部署の課題を自ら話し合い解決するボトムアップの取り組みをする中から、その解決の方向性が見えてきました。

取り組みに対する感想

  • ●これまで各担当で抱えがちであった課題について、カエル会議で共有できたことが良かったと思います。また、朝メール・夜メールで自分がどの業務にどれだけ時間をかけているかが見えるようになったので、今後の改善につなげていきたいです。
  • ●カエル会議や朝・夜メールの機能を活用したことで、以前より係内でのコミュニケーションが増えたように感じます。また、個人分析で担当業務やその他の業務にどのくらい時間をかけて行っていたのかを知ることができ、大変勉強になりました。計画性をもって業務にあたることが以前に比べ増えたので、今後も引き続き取り組んでいきます。
  • ●朝メール夜メールの活用を通じて、どの業務にどれくらい時間を使うのかという自分の認識と実績のズレに気付き、時間の使い方を意識することの大切さを強く感じました。この気付きを生かし、問合せ対応の改善等について引き続き取り組んでいきたいと思います。
  • ●カエル会議オンラインはメンバー内で意見交換を行うためには下記の点で有効なツールであると思われる。
  • ●電子版KJ法であること。(他人の意見を参考・きっかけに発想が生まれ、議論が活性化する)
  • ●匿名性が高く、意見を提案することに抵抗感が少ない
  • ●時間を明確に意識することで効率的な会議ができるため、短時間で会議が終了する。
  • ●異動により途中から参加したのですが、カエル会議を通じて、チームの業務量や現状抱える問題点をスムーズに理解することが出来ました。また朝メール夜メールの実施により1日のスケジュールが見える化し、より効率的に業務を行えたように感じています。今後もスケジュール管理を意識し日々の業務に取り組みたいと思います。

今後取り組みを始める方々へ

私たちはツールを使用しましたが、1日の予定を立てた後、どの業務にどれだけの時間を消費したかを振り返るようにしてそのデータを蓄積してみてください。継続することで①タイムマネジメント力の向上、②部署の課題の発見につながると思います。

サービスの紹介

2チームには各サービスを利用いただきました。
朝メールドットコムを実施し、さらにカエル会議を通して業務の課題抽出→働き方を見直し→見直し施策の実施を繰り返すことが働き方改革の基本的なステップです。

朝メールとカエル会議、二つの取り組みが両輪となって働き方改革を加速させるのです。
※今回日野市様ではカエル会議の実施はカエル会議オンラインという会議ツールを使用いただきました。

各サービスについての詳細

担当コンサルタント

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