2025年9月8日、弊社取締役の浜田紗織が委員を務める土木学会建設マネジメント委員会では、令和7年度土木学会全国大会で研究討論会を開催。「土木業界におけるウェルビーイング調査研究小委員会」と「働き方改革フォローアップ小委員会」の調査・研究をもとに、「明日誰かに伝えたい─ウェルビーイングな土木業界のためにできること」をテーマに、「ウェルビーイングな土木業界の実現」に向けた道筋を議論しました。本稿では、その内容をご紹介します。
ウェルビーイング委員会のnoteはこちらからご覧いただけます
https://note.com/from_doboku/n/n1be4e01b6bbf
(参加者)
佐々木 嘉仁(株式会社大林組)座長
島田 由香(株式会社YeeY 共同創業者/代表取締役、一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会 代表理事)
門馬 真帆(株式会社アイ・エス・エス)
東 香織(株式会社KSK)
浜田 紗織(株式会社ワーク・ライフバランス)
國枝 将大(Meaningful Design House)
中島 裕樹(大成建設株式会社)
目次
登壇メンバーのウェルビーイング
浜田:今、土木業界ではどうすればもっと幸せを感じながら働けるのかが大きなテーマになっています。今日はパネリストの皆さんと一緒に考えてまいります。まずは皆さんから、ご自身のウェルビーイングを感じたシーンを交えながら自己紹介をいただきたいと思います。
佐々木:大林組の佐々木です。当委員会の委員長をしており、会社では土木事業の責任者という立場で仕事をしています。41年間、会社に勤めていますが、うち土木現場が約3分の2という根っからの土木現場の人間です。写真は北米の支店に行った際、アメリカで最も歴史のあるボストンの地下鉄構内で同僚と撮ったものです。土木遺産的な構造物を見て、自分でつくっているつもりで苦労を想像することにウェルビーイングを感じています。

島田:私はウェルビーイングを世界で一番体現している体現者だと自負しています。なぜウェルビーイングを体現できているかというと、好きなことをやっているから、自然と触れているから、多くの人とのつながりがあるから、自分がこの世に生まれてやるべきことに気付いて関わっているからだと思います。土木は未知の分野ですが、今日のセッションが終わったあと、皆さんのウェルビーイングが爆上がりすることに貢献できたら嬉しいなと思います。

東:私は11年前、現場のショベルカーに一目ぼれして、この世界に入りました。ユンボに出会ってからはウェルビーイング爆上がりで、日々過ごしています。女性がもっと働きやすい環境を整えるという目標を持っているので、今日この会議に参加させていただきました。

國枝:私は大学時代にコンクリートの研究をしていて、そこからプラントエンジニアリングの業界に入りました。主に海外のLNGプラントの建設で、フィリピンやオーストラリアに駐在していました。その後、フィンランド留学を経て、組織のカルチャーの支援や事業創設の仕事をしています。ウェルビーイングを感じたシーンですが、土木で働いていたとき、1年半ぐらいかかってようやく現場が軌道に乗ったタイミングで帰りのフライトに乗れたときは、とてもうれしかったのを覚えています。

中島:私は2024年10月から現場監督をしており、その前は本社に配属され、土木学会の2023年度会長プロジェクトで土木の魅力を向上させるプロジェクトに携わっていました。写真はそのときの活動の一環で、高専生の前で土木の魅力をプレゼンしたときのものです。たくさんの高専生から「進路に悩んでいたけど、プレゼンを見てこの業界に進むことを決めました」という声をいただきました。そのときにウェルビーイングがかなり高まったと思います。

門馬:私は大学時代からコンクリートを学び、卒業後は首都高の現場で働いていました。その後、アイ・エス・エスという会社で設計に関わる中で、次世代に誇れる建設会社やインフラ業界にしていきたいと考え、インフラファーマーズという団体を立ち上げました。写真は新婚旅行でエジプトに行ったときに撮影したものです。仕事と私生活を共に楽しみながら人生をまっとうしていくことがウェルビーイングにつながると思っています。

浜田:3人の子どもたちと尾瀬に行ったときの写真をご紹介します。私はもともと鉄道土木の分野で、民間の発注者として現場におりました。今は働き方の専門家として、ウェルビーイング小委員会と合わせ、働き方改革のフォローアップ小委員会も兼任しています。皆さんそれぞれが納得した人生で、ライフからのインプットもあり、仕事がうまくいき幸せな状態を働き方のアプローチからつくりたいと思っています。今日は3000社のコンサルティングの現場で得た知見を交えて、一緒に考えていきたいと思います。

ウェルビーイング小委員会の活動
浜田:最初に佐々木さんからウェルビーイング小委員会の立ち上げの背景についてお話いただきたいと思います。
佐々木:建設業界では担い手の確保が大きな課題となっています。弊社でも多くの方が若いうちに辞める事態が起きています。使命感が旺盛で、チームで仕事をすることに高い意識を持った方たちが、どうして道半ばで辞めてしまうのか。その原因を明らかにして、すぐに手を打つ必要を感じています。現在はいろいろな方が問題意識を持ち、対症療法的なアプローチをしていますが、調査不足を強く感じます。そこで働く方のウェルビーイングに焦点を当ててアプローチしてみようというのが、この小委員会のテーマです。
ウェルビーイングに関して、私には特別な体験があります。現場で仕事をしているときにトラブルが発生し、大晦日の深夜まで仕事をすることがありました。そのとき、上司の所長が現場の職員1人1人に手紙を書いてくれました。家族に対するお詫びと、事業の意義を強く訴える内容でした。帰宅して妻に手紙を渡したところ、妻から「ご苦労さん。私も一生懸命支えなくちゃね」という一言があり、働きがいを強く感じたのを覚えています。
浜田:私たちは佐々木さんの問いかけに呼応して集まっているのですが、島田さんからご覧になって、私たちの活動はどのようにお感じでしょうか。
島田:いい感じですよ。業界に対しては大変だとかキツいというイメージがあるかもしれませんが、リーダーが深く関心を持ち、取り組もうとしていることが大事です。ここにいらっしゃる皆さんを見て、すでに何か変化が起きていると感じました。
浜田:ここで小委員会でこれまで勉強してきた内容を共有したいと思います。今、小委員会は21名のメンバーで進めています。最終的には、組織や属性ごとのウェルビーイングの度合いに基づいたマネジメント手法を提案したいと考えており、さまざまな研究を行う中で概念思考ワークショップを行いました。これは固定概念を乗り越えて、物事の本質や全体像を捉える力を養うためのプログラムです。今日の議論でも、ウェルビーイングの定義を探すというより、皆さんそれぞれが考えを深めていただくきっかけになればと考えています。
実際の活動としては、インタビューをもとにアンケートをつくり、土木従事者の価値観や幸福度を調査しました。現在は評価分析を行っています。例えば、これまでの土木のキャリアを振り返りながらモチベーショングラフを書いていただいほか、具体的なプロジェクトやスキル、背景などをヒアリングして、インタビュー内容をポジティブ文脈、ネガティブ文脈、ニュートラル文脈で語られているものに分けました。このインタビューをもとにアンケートを作っています。

例えば、ポジティブ文脈の中から、「目の前のつらい仕事がキャリアアップのためのものだと思える」「若いときに失敗して立ち上がっていく経験が、面白い人生につながっている」といった逆境に関する発言を拾い、そこから「あなたが幸福に仕事をするために、『成長のために厳しい環境に身を置くこと』をどの程度重要と考えますか?」といった1つの問いができるイメージです。今回はポジティブ文脈の問いが31項目、ネガティブ文脈の問いが27項目、それ以外にも満足度、愛着、属性などをアンケートですくい上げました。1万716名の方にお答えいただき、この場を借りて改めてお礼申し上げます。分析中の内容は、追って紹介いたします。
土木業界で働く幸せとギャップ

浜田:ここから議論に入りたいと思います。「土木業界で働く幸せ」について、皆さんそれぞれ感じられている一方で、現実はうまくいっていないところもあると思います。皆さんがどこに幸せを感じているのか、またそれに対するギャップについてお聞かせいただきたいと思います。
國枝:人それぞれで、正解がないとは思いますが、積み上がっていくことで幸せが広がっていく感覚があり、私もそこを大切にしています。例えば今はAIが流行るなど、新しい技術へのキャッチアップが求められる変化が激しい時代ですが、フィジカルにビルや道路をつくるというところでは目指すゴールが不変です。ちょっとずつ変わりながらも変わらないところもあって、その中で時間を経て経験や人間関係が広がり、徐々に幸せが広がっていくところを重視していますし、業界にとっても大事な考え方だと思います。
一方、先ほど佐々木さんから担い手不足というお話があったように、会社や業界が人を選ぶ時代から、今は人から選ばなければいけない時代になっています。今までは「3K」という言葉がネガティブに使われていましたが、そこがポジティブに変わっていくといいと思います。
東:私は土木や建築に全く興味のない主婦から、突然ユンボに一目ぼれして重機オペレーターになりたいと思ったので、いざ仕事を始めたときに大きなギャップを感じました。例えば女性目線で見たときにトイレがない。これでは仕事が好きでも続けられないと思い、重機の格好良さを伝えると同時に環境改善に向けた発信のため、インスタグラムを始めました。そこで同じような悩みを持つ女性や協力してくださる男性とも出会い、現場目線から業界の改善に貢献したいと思って活動しています。
中島:私自身は、国民全員が使うものをつくることができることにウェルビーイングを感じています。ギャップとしては、認知されていない現実があると思っています。普通の人には「これは建築の人がやっているのか、土木の人がやっているのか」の区別がついていない現状があり、そこに悔しさを感じています。もう少し土木技術者が認知され、「これは土木の人がやってるんだ」「災害対応には土木技術者が行っている」といった認識が広がるだけでも変わっていくと思います。
門馬:私は1人で黙々とやるのが得意ではなく、人と働くのがすごく好きです。現場でトンネルの漏水があったとき、設計図面を見て「ここに止水剤を打てば止まる」と思いながら対応していたのですが、全然止まらないことがありました。そのとき、経験値の高い職人さんから「ここに打ってもいいですか?」と提案があり、実際に打ったらすぐに水が止まったので「プロフェッショナルってすごいな」と思いました。
私たちの仕事は1人では何も完結できなくて、プロフェッショナルな職人さんや設計者、調整を行う自治体など、いろいろな人の支えや力が必要です。みんなで力を合わせて未来に向かって走っていくところに、言葉にできない魅力があると感じています。
一方で、業界の中では「前例にないからできない」みたいな話がよくあります。みんなで1つのものを成し遂げようと同じベクトルを向いているはずなのに、お互いを妨げ合ってしまうところにモヤモヤを感じています。ヒエラルキーや慣習みたいなところは、この業界に入ってのギャップではあります。
佐々木:皆さんのお話は、非常によく分かります。例えば今は省人化・無人化という技術開発が進んでいますが、なかなか実用化しづらい。前例にないとか、現在の法律に抵触するなど、世間に技術をアピールしづらくなっている側面もあります。ただ、そういった中で発注者の考えも随分変わってきたと感じています。
そして、もう少し認知されたいというのは私も同感です。40年前、私は現場の所長から「われわれは公共の場を借りて仕事をしているわけだから、誰も知らないうちに現場に入り、何もなかったような形でものをつくるのが最も美徳だ」と強く言われました。それは格好いい、正しい考えかもしれませんが、公共性というところで思考停止してしまい、自己犠牲を見て見ないふりしてきたと思う部分もあります。もっと業界の魅力を示しながら、現場で苦労されている方の苦労を早く改善しなければと感じています。

門馬:先ほど「慣習が根強い」というお話をしましたが、決して発注者を悪く言うつもりはありません。やることが多くて忙しく、新しいチャレンジをして失敗したときのリスクが大きすぎて、なかなか踏み出せないところがあると思っています。佐々木さんがおっしゃったように、公共性というところが大きく影響しているとも思いますので、一方的に誰かに責任を押しつけるつもりはないという認識はお伝えしておきたいと思います。
担い手不足解消には「発信」が不可欠
浜田:技術の実用化は安全性や影響の大きさを見極める必要がありますが、働き方の変化は実用化しないほうがリスクなので、まずは雰囲気や働き方、皆さんの生活を整える方面のスピードを上げていくという提案はできるのではないかと思いました。自己犠牲を見ないふりしてきたというお話に関しては、「しんどいけど、意義ある仕事だよ」と伝えてきたところを、「しんどくないよ、意義ある仕事だよ」と伝えていけるようになると良いのかもしれないですね。
今、配信をご覧になっている方から「担い手不足を解決するために、具体的にどんなアクションをしたらいいと思いますか?」というご質問をいただきました。中島さん、いかがでしょうか。
中島:まさに土木学会の会長プロジェクトで、これをテーマに活動してきました。まずは自分たちの仕事を発信しないといけないと考え、SNSを活用していました。私が学生に説明に行くときも、土木業界でコンサルやゼネコン、地方自治体が何をしているかが全く知られていないので、そこをしっかり見せてあげることが1つの方法ではないかと思います。
島田:皆さんのお話から私が感じるのは、お仕事が好きで、土木業界に誇りを持ち、楽しみを見出しているということです。そのこと自体が伝われば、全然違うと思います。発信は非常に重要だと思っています。
そしてもう1つ、技術を持つプロフェッショナルの職人というのは、重要なキーワードだと感じました。多くの人は「職人」という言葉に伝統工芸などをイメージしますが、そのイメージに土木に関わる方々が含まれるようになればいいのではと思います。どの業界にも職人気質が必要だと思いますが、それが発揮されたストーリーが伝わればいいなと感じています。

成長と挑戦が幸福につながるのか
浜田:魅力をもっと伝えていくことが私たちの挑戦でもあり、未来を担うための1つのアクションであることを確認できたと思います。
ここでアンケートを分析して見えてきたことをご紹介したいと思います。まず小委員会では、仕事に対する満足度と幸福度に影響のあるポジティブ項目に注目しました。仕事に対する満足度にポジティブな影響がある上位5項目は、1位:挑戦的に仕事ができる、2位:達成感がある、3位:社会的意義がある、4位:仕事を通して人脈が広がる、5位:成長のために厳しい環境に身を置く、でした。

幸福度に対するポジティブな影響度が高い項目は、上から挑戦的に仕事ができる、社会的意義がある、達成感がある、人として成長できる環境がある、裁量がある、という結果でした。「挑戦的に仕事ができる」ことを重視する人は、仕事に対する満足度や幸福度がどちらも高い傾向にあったということです。ここからは、成長と挑戦が幸福につながるのかというテーマについて、皆さんのお考えを聞いていきたいと思います。
東:私の場合は子育てをしながらこの職業に就きたいと思ったときに、いろいろな壁がありました。保育園や、未経験の主婦を雇う就職先がないという現実にぶち当たり、やっと採用してくれる会社を見つけましたが、そこで自分のしたいことは現場に出ることだと気づき、辞めるという決断をしました。2021年に個人事業主になり、それからはやりたいことに挑戦できるようになり、自分で現場や内容を選び、働く人さえも選べる個人事業主の働き方にとても魅力を感じています。挑戦できることが満足度や幸福度につながるというのは私の実感とも重なっています。
國枝:東さんの話を聞き、挑戦し続けられることが大事なのかもしれないなと思いました。私も第一子が生まれたタイミングで、プラントの業界から離れていますが、カタールやアフリカの何もないところに家族や子どもを連れて行けないという問題に直面し、東さんと同じように別の選択肢を取ることにした経緯があります。そういった意味では、どんな環境でも挑戦して自己実現していく人を確保すればよかった時代から、さまざまな家庭の事情を持った人や、性別、国籍が異なる人も挑戦し続けられることが大事な時代に変化してきたのではないでしょうか。

浜田:高度経済成長期には働き手がたっぷりいて、その中でがむしゃらにやり続けられる人が自己実現できればよかったかもしれないですが、今はそういう状況ではありません。2060年には、2020年と比較して労働力人口が60%になるといわれる中、國枝さんがおっしゃったように、いろんな人が挑戦し続けられるフェーズに入ってきている状況があるように感じます。
佐々木:私自身は、与えられた仕事を改善し、仕事場に自分の色を出すための努力を継続するところにやりがいを感じていました。その努力の結果として、「うまくいったよね」という実感を得ると同時に、それを上司がしっかり見て評価してあげることが大事なポイントではないかと思います。冒頭で上司から手紙をもらった経験をお話ししましたが、上司がしっかり評価して褒めることが「次はもっとやろう」というモチベーションにつながっていきますし、私もそういう働きかけができたらいいなと思いました。
中島:土木業界は、現場でそれぞれ問題を抱えているので、挑戦できる場面がたくさんあると思っています。がむしゃらに挑戦している最中は「今、成長できている」と感じられないかもしれないですが、終わってから振り返るとき、「あのとき頑張った自分がいるから今がある」というのが、自分を励ますと感じます。意識的に自分で振り返る時間を設けることが大事だと思っています。
まずは自分で自分を認めることが大事
島田:振り返ってかみしめるというのは、とても大事なポイントです。特にポジティブな感覚を持ったときに、かみしめることが重要です。それを自然にやられているというのは、中島さんはセンスがあると思いました。
浜田:事故がなくて当たり前、一般の人の生活が滞りなく進むのが当たり前、と思いがちな中で、幸せのかみしめ方があればぜひ教えてください。
島田:自分で自分のことを「よくやってるよね、頑張ったよね」と認める自己認知が非常に大事です。ウェルビーイングは他人からの承認ではなく、自分で自分のことを認めることからしかスタートしません。そうでなければ、他人から褒められるために何かする、みたいになってしまうからです。
ウェルビーイングを感じていく5つの要素のうち、大事なものにAccomplishmentがあります。達成や進化、進歩、熟練といった意味がある言葉です。同じく達成を意味する言葉にAchievementがありますが、ポジティブ心理学を提唱したセリグマン博士は、あえてAccomplishmentを使っていました。
例えば100のゴールを目指して頑張ってきて、70ぐらいで終わったとします。そのとき皆さんは「ああ、足りなかった」「なんでできなかったのか」と思いがちですが、これはAchievementが強い考え方です。Accomplishmentでは「100は行かなかったけど、ゼロから70行ったよね」と認めます。上司からこういう言葉があれば、メンバーの言動はがらっと変わっていきます。一度認めたところではじめて「残りの30は、どうすればできたと思う?」「100に行くには、何があればいいと思う?」という本当の対話ができるんです。
門馬:私は2年ぐらい前まで、ちょっと挑戦してくじけることを繰り返していましたが、それを突破したと思える経験をしました。自分では本気で取り組んだけどできなかったとき、社長の前で大泣きしてしまったのですが、社長が「100%とはいかなかったけど、70%まで頑張ったんだよ。次やればいいよ」という言葉で鼓舞してくれたんですね。私は1人で何かやろうとすると心が折れやすいのですが、1人で達成できないことでもチームでは挑戦しやすくなると感じています。この1年くらいは、周りに支えられることが成長につながっていると思えるようになりました。

國枝:島田さんがお話されていたAccomplishmentや、中島さんがおっしゃった、外からも認められる発信という2つを考えると、自分たちで自分たち自身を認めていくという内側からの自己認知も重要だし、外からの承認も追求していくとよいのではないかと感じました。
浜田:先ほどの島田さんの話では、まず自分で承認することができて、それが周りにも伝わっていくという順番が重要ということでしたね。
島田:おっしゃる通りで、内側で感じていることが全てなんですね。今は周囲の人の目や声を気にして優先し過ぎた結果、内側とのかい離が起きている状況です。その状況が悪化していくとメンタル疾患になったり、調子が悪くなったりします。ですから、自分の内側がどんなときにいい状態なのかを知っていることが前提となります。
ただ、「自分で自分を認めて褒めると良い」というのは言うは易しで、そうは言われてもどこかで比較してしまうのが人間です。ウェルビーイングはスキルなので訓練が必要です。「駄目だ」とか「またやってしまった」と素直に思うのはいいことですし、そういうときもありますが、そこで大事なのは人間関係です。チーム内で誰かの行動に対して「ほんといいね、それ」と、認めてお互いに声を掛け合うことをフィードフォワードといいます。
「すごいいい感じですよね」「明るい朝の挨拶が、職場を明るくしますよね」など、その人のいいところを見つけて、思ったときに言う。結果が違ったときも、いいところを見つけて「いつも準備してくれてありがとう」といった言葉を掛ける。そういったフィードフォワードを会議の前に5分使ってやってみるのをおすすめします。
浜田:土木業界はチームでやる仕事が多いので、明日から取り入れられそうですね。ウェルビーイングは訓練できるというお話に、少し希望が見えたと思いました。
國枝:フィードフォワードを、仕組みというよりカルチャーとして定着させていけるといいのではないかと思いました。
多様な価値観をどう生かしていくか
浜田:今日は門馬さんから「多様なメンバーを生かしていく」というところで、ご提案を持ってきていただいています。

門馬:私たちはインフラファーマーズという団体を立ち上げ、選ばれる業界にするために活動しています。そこで2024年にアンケート調査を実施しました。1問だけ紹介すると「次の世代にこの業界を勧めたいと思いますか」というシンプルな質問に対して、20代、30代ほど「勧めたいと思わない」と回答し、年齢が上がるにつれて「勧めたい」と回答していました。ただ、「どちらとも言えない」という人もたくさんいて、そこが希望であると捉えています。
理由について、20、30代は「働き方に負担を感じる」という回答が多く、40、50代になるにつれて「業界の将来性に不安がある」という回答が増え、60代以上は将来性への不安が突出する結果となりました。全体傾向としては、まだまだ働き方が課題として挙げられています。働き方に関しては職人さんや技能者が困っているだけでなく、建設コンサルと自治体の職員も疲弊していて、そこを丁寧に検証していく必要があると感じています。

われわれは、次の世代に選ばれる業界を目指す中で、働き方や雰囲気、慣習が若手のネックになっている状況がポイントであると考えています。ウェルビーイングを業界で展開したいと思う一方で、世代ごとの価値観の違いをどう捉えていけばよいのか、そのあたりについてお聞きできればと思います。
浜田:小委員会でもアンケートを通じて価値観が見えてきたところがあるので、少し紹介いたします。
土木従事者は、4種類の価値観を通して、自身の仕事を評価していることが分かってきています。1つ目は社会貢献やつながり重視という価値観。2つ目は自己成長やチャレンジ重視という価値観。3つ目は対人関係やコミュニケーション重視という価値観。4つ目は労働条件やワークライフバランスを重視する価値観です。そして、労働条件やワークライフバランス重視の価値観④は、若年層のほうが重視する傾向にあることが見えてきました。
仕事の満足度や幸福度に対して、これらの価値観がどう影響しているのかを、もう少し細かく見てみます。
20代以下の女性を見ると、価値観③対人関係と④ワークライフバランスが、仕事の満足度と負の関連を持っていることが分かります。対人関係やコミュニケーションを重視する若年層の女性にとっては、現状の職場環境が満足できるものではない可能性を示唆するデータだと考えています。同じく、労働条件やワークライフバランスを重視する若年層の女性が満足できるような働き方は、今のところ土木業界では少し難しいという可能性も示唆されています。
同じ若手でも男女で少し傾向が違っており、20代以下の男性を見ると、価値観②自己成長、③対人関係は、仕事の満足度及び幸福度と正の関連を持っていることが見えてきました。つまり、自己成長やチャレンジを重視するような若年男性にとっては、満足できる仕事が提供されていて、幸福度も満たされている。対人関係やコミュニケーションを重視する若年層の男性も同様に満足度も幸福度も高いということで、この辺りは上司も含めた上の世代が若い世代の男性の期待に応えられているということかもしれません。一転して、若い世代の男性でも価値観④については、仕事の満足度と負の関連を持っており、労働条件やワークライフバランスの面では満足できていないというところも見えています。
男性の40代を見ると、価値観①と③が仕事の満足度・幸福度と正の関連を持っています。社会貢献やつながりを重視する40代男性にとって、土木業界の仕事は満足できる。対人関係やコミュニケーションを重視する40代男性も現状の職場環境に満足できていて、幸福度が高いということが見えてきます。

しかし、男性の40代でも価値観④は満足度と負の関連があり、価値観④についてはどの属性で見ても低くならざるを得ない現状があるかもしれないとわかっており、それぞれの違いや共通項が見えてきたところです。多様な価値観をどうやって生かしていくかという課題について、佐々木さんにコメントいただきたいと思います。
対話と腹落ちを追求することの意味
佐々木:特に労働条件やワークライフバランスのところが、各年代で負となっているところが印象的でした。若手が辞めてしまう理由の1つに転勤が挙げられます。転勤イコール単身赴任という形になり、ご家族と別居する状況も出てくるので、幸福感を感じられるような制度を考えていかなくてはと強く思っています。
いろいろな考えを持った方たちが、一様にウェルビーイングを感じることは難しいと思いますが、大事なのは対話を欠かさないことだと思います。「黙ってついてこい」ではなくて、いろんな方たちと対話をしながら落としどころを見つけ、腹落ちできるようなきめ細かい対応が必要です。
私たちの会社でも、年度初めと中ごろには、本部長である私の方針を職員に提示していますが、そのとき、背後にある自分の想いがなかなか伝わりづらいと感じています。そこで現場の所長を10人ずつグルーピングして、1、2時間かけて意見交換し合う機会を約25回つくりました。現場の所長が所員に対して同じようなことを繰り返せば、いろいろな方の意見を吸い上げられるのではないかと思っています。
中島:大きな現場になると、得意分野が異なる人がたくさんいますので、それぞれの得意分野をできるだけ生かして現場を前に進めていくことが大切です。一番上で管理される方には、それぞれの得意分野を生かしてもらうような環境づくりが求められると思います。
浜田:得意・不得意を見るときに経験という軸で見ることが多いと思いますが、今のお話を伺い、もしかすると軸を増やしていけるかもしれないと思いました。その人本来の特性を発揮できるようになるといいですね。
今「男性社会にフィードフォワードを導入できますか?」というご質問をいただきましたが、東さんは性別の違いという切り口からご提案はありますか。

東:私たちは間近で男性職人さんたちが汗水たらして、必死に1つのものをつくり上げていく姿を見ているので、まず女性として、男性がつくり上げてきた社会の素晴らしさを伝えたいという思いがあります。それと同時に、女性が入ってきたときのギャップをなくし、環境面の改善をしていきたいとも思っています。今は男女比が9:1くらいのレベルだと思いますが、4:5くらいになれば必然的に改善される問題は多数あると思います。そういった面では、女性がもう少し参入しやすくなるように間口を広げるなど、業界全体の問題を同時に解決していくことが大事だと思っています。
門馬:背景と目的を伝え、手段を目的化しないことが大事だと思います。何のためにその仕事をするのかを、1人1人がしっかり理解していく必要があります。例えば、弊社で橋の設計をやっている中では、細かい設計計算があります。私はその1つ1つがただの作業ではないと思っており「何のためにこれをやるのか」を言語化してチームで共有しています。背景と目的をしっかり伝えると、腹落ちできるチームビルディングにつながると考えています。
佐々木:おっしゃるとおりです。自分が今やっていることをしっかり捉え、それをモチベーションに変えていくところは、とても大事だと思います。
國枝:対話と腹落ちで、いろんな声に耳を傾けるというお話がありましたが、そこで得られるのは定性的な言葉であり、データだと思います。今回のアンケート1万件のうち、3割は大手ゼネコンであり、50人ぐらいが電気・エネルギー分野の方です。この電気・エネルギー分野の方の回答は分析結果に強く反映されていないわけで、対話をしながら意思決定に生かすという軸でいうと、その約50人と対話をして、そこから意見を拾っていくことが大事だと思います。
まずは自分のウェルビーイングに責任を持とう
浜田:「それぞれの立場や性別、会社の規模によって、土木業への満足度や志に関して、かい離がある印象です。全員が等しくウェルビーイングに向かっていくのは難しいと思いますが、その点に関して、どのような考え方があるか、お聞かせいただければ幸いです」というご質問をいただきました。島田さんからヒントを教えていただきたいと思います。
島田:前提として、ウェルビーイングとは何かということを、改めてお伝えします。人間ですから毎日いいことばかりではないので、ウェルビーイングはポジティブシンキングとも違います。一言で言うと、「なんかいい感じだな」「いい調子だな」「いろいろあるけど、おしなべて自分っていいな」と思えているのがウェルビーイングです。
何をもっていい状態だと思えるかは、人によってバラバラであり、全員が同じことをしてウェルビーイングということはありません。では、組織でどうするかというと、まずは1人1人が自分のウェルビーイングに責任を持つことが大事です。教育や研修を通じてウェルビーイングについて理解し、まずは日々の暮らしや仕事の中で、「自分はこれをしているとき、誰といるときにいい感じであり、ポジティブな感情が持て、前向きになれる」ということを知る。さらに、知った上でシェアし合うことが大事です。
自分が知ってシェアする。そして他のメンバーは聞く。そういった場づくりを続けていると文化になっていきます。土木業界はチームで仕事を進めているということですので、取り入れやすいと思います。組織において重要なのは、制度よりも運用であり、運用のカギを握るのはリーダーです。もちろんリーダーが後ろ向きの場合もありますが、1人でも本気な人がいれば組織は変わります。
繰り返しますが、まずは自分のウェルビーイングに責任を持ち、自分がいい状態であるようにする。いい状態でないときも、「これが私のことを悪くさせます(イルビーイングにさせます)」と言えばいいんです。シェアしあうとチームビルディングにも良い作用をもたらしますし、ウェルビーイングをみんなで体現しやすくなります。

浜田:1人でもいれば変わるし、みんなでやれば早いということですね。
島田:かつ、佐々木さんのように「腹落ち」という言葉がリーダーから出てくるのは相当進んでいます。腹落ちは、経営学の分野においてセンスメイキング理論で説明されています。人は体にしっくり来るという身体知を通してしか本当の学びは得られません。皆さんは現場で仕事をしているので、体に染みついている身体知があります。体にしっくりくる感じがあると、本当に価値観が変わり、次の言動が変わりやすくなります。実は、土木業界の変化は早いのではないかとワクワクしています。
國枝:確かに「どんな瞬間がウェルビーイングだったのか」みたいなことは体感的に思い浮かびやすい業界ではあると思います。
中小建設会社でできること
浜田:「ウェルビーイングの考えは素晴らしいと思います。しかし、中小建設会社は、まだまだ非ウェルビーイングです。挑戦に否定的な人も多いです。そこで情報発信以外で社内でできることはありますか?」というご質問をいただきました。どんなことができそうでしょうか。
佐々木:なかなか難しいご質問だと思いますが、私は対話と腹落ちと同時に「自分ごと化」を非常に意識しています。例えば「自分の身のまわりで起きていることは、自分が原因で起きているのでは?」と、前向きに捉えることが大事ではないかと考えています。現場で職人さんに何回も同じ指示をするけど、いつも間違う、できないというとき、「その人、何回言っても駄目なんです」と言ってくる部下がいます。そうではなくて、「自分の伝え方が悪かったんじゃないか」と、自分で原因を感じ取り、それに対して手を打っていける組織になるといいなと思います。そんな気運が職場のグループの中で出てくると、非常にいいのかなと思いました。
門馬:インフラファーマーズの活動のなかで、地方の建設会社やスタートアップの会社でのヒアリングを通じて、ポジティブに変革している企業がたくさんあることを知りました。その中では、島田さんのお話にもあったとおり、社内で何パーセントか「とにかく変えていきたい、変革していきたい」と思っているコアパーソンがいると感じています。そういう人をいかに見つけられるかも大事ですし、見つけていくために日々のコミュニケーションが非常に重要だと思いました。また「空気は伝染していく」という実感もありましたので、いろいろな場所に出ていって成功していそうな人とつながり、伝染してもらうことも大事だと思っています。
うまくいっている会社のやり方は、私たちも研究テーマとしていますので、よろしければホームページをご覧いただければと思います。地方の建設会社さんがいるからこそ、私たちの土木、社会インフラが支えられているわけですので、ぜひ一緒にやっていけたらと思います。
東:私自身、民間や中心企業の元請けさんの下に入ると、そういう難しさを感じます。まず職人さんの声を吸い上げる機能がありません。私たち職人の声を匿名で届けてもらえるようなシステムや、「このカードを持っているから安心だ」みたいなウェルビーイングを担保するシステムがあればと思います。それから、安全対策は事故が1つ起きたら「これは駄目です」「ああしなさい」という制約がどんどん増えていきますが、要らないものを排除するという視点も必要だと思います。
中島:島田さんからフィードフォワードという言葉をお聞きして、私もついつい照れくさくて褒め言葉を口にしてこなかったので、自分が思ったことを言葉に出していきたいと思いました。

今日の感想とアクション宣言
浜田:まとめに入りたいと思います。冒頭では皆さんそれぞれがウェルビーイングを感じることについてお聞きしました。そして環境づくりや理解を広げる意味でも「まずは発信が大事」というお話をいただきました。そしてAccomplishmentという概念を教えていただき、フィードフォワードができるカルチャーが大事という議論になりました。
当日のグラフィックレコーディング シミ イラストレーター/漫画家 作
門馬さんが持ち込んでくださった多様性を生かすというテーマでは、対話と腹落ちというキーワードが出ました。ウェルビーイングはトレーニングできるというところも希望のあるお話だったと思います。全体を通して、島田さんからコメントをいただければと思います。
島田:今日のお話を土木業界の皆さんがすぐ実践されたら、本当に変化が起きるだろうなと思います。外側での発信ももちろん大事ですが、内側での取り組みがないと絵に描いた餅になってしまいます。決して大仰なことをする必要はなくて、私は経営者やリーダーの方に「3つのことをやってください」とお伝えしています。
1つ目は、本当のコミュニケーションを取りましょう。2つ目が、自分のパーパスを認識しましょう。それを会社のパーパスに結びつけていくことも大切です。3つ目は、先ほどの身体知と関わりますが、体を使って学ぶ機会を広げましょう、ということです。
本当のコミュニケーションに関しては、フィードフォワードを以外に「グッドアンドニュー」という手法があります。会議の冒頭5分などを使い、「過去1週間程度を振り返って、どんないいことがあった、どんな新しいことがあった」というのを、3〜4人程度で、できたら立ってシェアし合うというものです。これをするだけでもポジティブな感情になり、大きな変化が起こります。
ウェルビーイングは、心理的安全性があるかないかで全て決まります。心理的安全性とは、全員が「ここでは何を言ってもいい。失敗も次のチャレンジだと思える」ということです。もちろん業界としては物理的、肉体的な安全性も大事ですが、それと同じくらい心理的安全性が大事です。みんなで現場の安全性と職場の安全性、両方に力を入れていったら、本当に変わるのではないかと思いました。
浜田:それではパネリストの皆さんに、今日のご感想とアクション宣言をいただけたらと思います。
門馬:今日は大変勉強になりました。すでに意識していることがありながらも、今日いただいた新しい知識を還元していきたいと思います。自分の職場は、割と心理的安全性が担保されているほうだと思いましたので、早速、会社の人とコミュニケーション取りたいと思いますし、会社の枠を超えた活動でも心理的安全性の醸成を意識していきたいと思います。
東:島田さんのお話を聞いて、「意外に私、ウェルビーイングのことができている」と思いました。私は自己肯定感が低めですが、今の私でいいというのを、今回初めて認識できました。貴重な体験をいただき、ありがとうございます。
中島:今日お聞きしたウェルビーイングの話は、職場だけでなく日常生活全部に活用できそうだと感じました。職場で実践するだけでなく、妻に向かってグッドアンドニューとフィードフォワードを始めていきたいと思います。

國枝:最初に出た「どうすれば選ばれる業界になるのか」というのが大きな命題だと感じています。中小企業がどうすればいいか、という質問もありましたが、私は女性比率が5%から12%まで上がった地場ゼネコンのカルチャー変革の支援をしたことがあります。
そこでは「もっとかっこいい会社になりたい」と考える5名くらいの方が、「自分たちにとって、格好いいって何?」と自問自答し、「すでに、こんないいことやっているよね」などと認めながら、「普段こんな言葉を使っているけど、本当はこんなふうになれたらいいよね」といった施策を実践し、結果を出していました。ウェルビーイングとか、格好いい会社になりたいとか、志を同じくしている仲間を3人でも4人でもいいから、まず見つけることが有効ではないかと思いました。
佐々木:改めて気付かされることが多く、いろいろな刺激をいただいた時間となりました。現在は、皆さんからいただいたアンケートやインタビューの結果を分析し、まとめる作業をしています。今後は分析結果をいろいろな場面で発信していきながら、業界のウェルビーイングをさらに高めていきたいと思います。ありがとうございました。
浜田:働き方の側面から見たときにも、先にウェルビーイングに取り組み、対話をしていくことは、仕事を円滑にし、手戻りを減らすことにつながると思いました。もちろん働き方のテクニックも必要ですが、ウェルビーイングに取り組んでいくことが働き方に関しても影響が大きいのではないかと感じました。最後に島田さんからご感想とアクション宣言をいただければと思います。
島田:ハーバード大学の教授が、3.5%の人が動いたら社会は変わるという「3.5%ルール」の法則を提唱しています。まさに本気の1人がいれば組織は変わるということです。イノベーター理論でも、市場全体の約2.5%のイノベーターが動くことでアーリーアダプターが飛びつき、社会全体にムーブが起きることがわかっています。つまり、今日聞いていた誰かが「ウェルビーイングのこと、やってみようよ」と動くだけで、組織は変わります。
「ウェルビーイングじゃなきゃいけない!」みたいなことではなく、楽しくやることが大事です。「今日をどう楽しく生きる?」「今日何を楽しくやる?」というコミュニケーションを取っていけば、選ばれる業界、仕事、会社になると思います。
浜田:土木業界におけるウェルビーイング調査研究小委員会では、引き続き分析を進め、提言をまとめてまいりますので、ぜひご注目ください。今日ご参加いただいた皆さんは、より良い環境をつくっていく2.5%の仲間として、一緒にウェルビーイングに取り組んでまいりましょう。本日はどうもありがとうございました。

担当コンサルタント
浜田紗織







