Case Study

株式会社JERA様

経営層連続対談企画 第2弾 「女性活躍と新しいマネジメントを考える」

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【対談】株式会社JERA 取締役副社長執行役員 財務・経理管掌(CFO)酒入和男様 ×株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長 小室淑恵

JERAが抱えている大きな課題

小室:本日はよろしくお願いします。

酒入:こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。

小室:酒入さんから、今日の対談に先立ってアンケートをいただいたのですが、それを拝見して「どうしてこんなに進んだ考えをお持ちなのだろう」「いったいどういう方なんだろう」と思っておりました。

酒入:それをご理解いただくために、少しだけ自己紹介をしたいと思います。JERAの役員はほとんど東京電力か中部電力の出身ですが、私は違う世界から2019年に入ってきました。もともとアドバイザーの仕事をしており、いわゆる電力マンではありません。 それから、私は父の仕事の関係で子どもの頃に海外にいたことがあり、母、妹、妻、妻の母親、妻の妹もみんな働いていたので、男女ともに働くという価値観が当たり前だと思いながら育ってきたんですね。

小室:そうですか。それは珍しい。

酒入:最初に就職したのは東京銀行という銀行でして、入社した年は男女雇用機会均等法が施行された初年度だったんです。東京銀行は当時、海外に勤務ができる可能性が高い国際的な銀行であり、海外志向の強い人が集まると同時に女性活躍も非常に進んでいました。そんな環境で仕事をしてきたことも、自分の考え方のベースになっていると思います。

現在はJERAで財務経理の管掌をしていますが、電力会社以外のいろいろな業種のいろいろな価値観を持った人にも入ってもらい、化学変化を起こそうとキャリア採用を促進し、既に電力出身社員の比率は3分の1以下です。

小室:何かを経験して変わったのではなく、ネイティブに女性活躍や多様性を当たり前の価値観とされてきたわけですね。そんな酒入さんの目から見て、今のJERAで最も課題であると感じているのは、どんなところでしょうか。

酒入:そもそも社員に占める女性の比率が非常に低く、10%あるかないかというレベルです。また、女性の管理職比率もどうしても低くなってしまい、現在は4.7%程度。これは悲劇的な状況といえます。

日本の人口の半分は女性ですし、私は能力という点で男女の差はまったくないと考えています。にもかかわらず、女性が重要なポストに就いていないのは、国全体としても企業としても大きな損失です。

そこを変えるための仕組みを考えていく必要があるわけですが、終身雇用・年功序列の下での評価の仕組みが固定化していて、ここにメスを入れるのは非常に困難であると感じています。

なぜ女性活躍から先に始めるのか

小室:「女性が増えなくても特に困らないし、経営に何のダメージももたらさない」「むしろ女性を増やすには手間や時間がかかって、本人たちもそんなに上昇意欲がない」「だから現状でわざわざやる意味がないでしょ」といった声が上がることもあると思いますが、酒入さんはどんなふうにお話をされていますか。

酒入:今のように会社が成長している局面においては、人材不足が顕著な課題となっています。そこで自分たちがすでに持っている貴重な戦力である女性社員が活躍できていないというのは、大きな損失だと思うんです。 こういう話をすると、「われわれが抱えている発電所は男の世界だから」とか「確かに女性もできる仕事が増えてきたけれど、そもそも理系は女性が少ない」といった反論を受けます。

この問題をどう解決すればよいのかと考え、東工大の先生と話をしたことがあります。
私が「STEM(Science:科学、Technology:技術、Engineering:工学、Mathematics:数学)の分野を女性は本当に苦手にしているのでしょうか?」と尋ねたところ、先生は「実際には得意な女性もいっぱいいるし、能力もあります。
そういう女性が東工大や東大などの理系学部に進学しないのは、企業側がそういう人材を採用しないからです。大学の理系に女性を増やすためには企業と大学が一緒になって現状を変えていく必要があります」とおっしゃっていました。

また、社内には火力発電所の所長をしていた女性がいるのですが、彼女に「発電所は夜勤もあるし、男性でないとできない仕事が大半なんですか?」と質問したら、「現代の自動化・機械化が進んでいる状況では、女性にできない仕事はごく一部に限られていて、ほとんどの仕事は男性と同じようにできますよ」という答えが返ってきました。その発言は衝撃的でした。

「そうだったの!? だったら、女性が遠慮しないで働ける仕組みを作ればいいじゃないか!」と思ったんです。

小室:国際的に見て、日本のジェンダーギャップ指数は非常に低い順位ですが、教育はなんと1位です。女性の教育1位、そして女性の健康度も1位なんですね。

世界中で最も能力があって最も健康な女性を抱えていながら使わないというのは、エネルギーが膨大に埋まっている鉱脈があるのに掘らないみたいなものです。そう考えると「どうして女性活躍からやるの? ほかにもシニアとか外国人の活躍もあるでしょ」という声がいかにナンセンスであるかがわかります。一番豊富な資源が埋まっている鉱脈が明らかなのに、そこから先に掘らずに別の鉱脈も均等に掘ろうと主張しているのと同じですから。

こういう当たり前の優先順位がつけられないのは、それをされると困る人や、変えたくない人が絡んでいるのかもしれません。でも、変えたくない人たちの論理を優先していたら企業は確実に競争に負けるということをシビアに認識しなければならないと思うんです。

育休経験や海外経験を仕事にフィードバックする

小室:女性社員の割合を増やし、管理職も増やしていく上で、具体的に何をどう変えようとされているのでしょうか。

酒入:1つには社外から女性を積極的に採用しているほか、新卒の女性比率を高めており、その点はだいぶ変わってきたと思います。

あとは本当に地道な取り組みかもしれませんが、男性の育休取得も積極的に推進したいです。国としても育児休職を促進していく中、取得率は向上しているものの、その実情は1~2週間程度のケースが多いようです。JERAでも1年間の育休を取得する男性が出てきてくれたのですが、やはり1年くらいの育休期間を通じて夫婦で子どもを育て、お互いの仕事の負担を平等にできるような取り組みをしていかなければいけないですよね。

ほかにもできることはあります。例えば「受付は女性の仕事」というのは完全に男性目線の価値観であり、冷静に考えるとおかしな話なので、私は新卒で入社した全員にローテーションで受付を経験させたいと考えています。

そうすれば、全員がお客さんと接するし、社内にどんな人がいるのかもわかるようになるので一石二鳥です。もし、受付に若い男性が複数人いる光景を見たら、きっとお客さんは驚いて「JERAって新しいことをやっているんですね」と言ってくださるはずです。そんなふうに、できるところからどんどんやっていけばいいと思うんです。

小室:酒入さんのお噂はいろいろ聞いていましたが、予想をはるかに超える素晴らしさで感動してます。特に男性育休については、なかなか理解できずに「どうして男性が1年も休む必要があるの?」となってしまう方がたくさんいます。「育休期間中の経験は仕事にもフィードバックがある貴重な経験であって、同じ仕事を1年続けるよりも価値がある」というのは女性側からは言いにくいですが、男性から言っていただけるのは本当にありがたいです。

酒入:そしてもう1つ取り組んでいるのが、配偶者が海外赴任するときの女性社員の処遇です。女性が配偶者に帯同する場合、これまでは退職や長期休職の選択肢しかなかったのですが、今はテレワークもできる時代ですから、現地でそのまま継続して仕事ができるような制度を整えました。すでに3人が制度を利用しています。

小室:素晴らしい。まだそこまでできてない企業が多いですよ。

酒入:こういう制度を利用した人や、男性育休を取得した人に対しては「評価が下がって当然」という話になりがちですが、それは間違っています。子育てや海外経験を通じて養われるスキルがあるはずですから、むしろ評価を上げてもいいと思いますね。

小室:今、私自身も夫の転勤でシンガポールにいます。コロナ禍では自宅でテレワークをしている人もたくさんいますから、本来、海外でも仕事はできるはずなのに、多くの企業では「住んでいる場所が日本ではない」というだけで日本の仕事はできないと自動的に判断しがちです。

確かに赴任先の国の法律によって、帯同のビザでは仕事ができないなどさまざまなハードルがあるので、その場合は企業側のサポートが必要となります。ただ、単に配偶者の住む場所が変わったというだけで、優れた能力を持つ人を長期間手放すなんて、なんてもったいないんだろうと思います。

しかも、いったん退職してしまったら、そこから再び自社に戻る可能性は非常に低いですよね。外の世界を見ると、逆に自社の特異さが目立ってしまい、現地企業に転職してしまうケースが多いんです。

御社にはせっかく3人の実例があるわけですし、先進的な取り組みでもありますから、採用活動などでアピールされると女子学生からの高い評価ポイントにつながるのではないでしょうか。できれば、その制度に会社独自の名前を付けることをおすすめします。

女性管理職を増やすためにできること

小室:これから酒入さんのような方が女性にどんどん昇進を打診していかれると思いますが、長年JERAで働いている女性たちは、昇進をそのまま素直に受け入れるかというと、そうではないかもしれません。

酒入:実際に、私の部署で上位職になってもらいたいと思い、打診している人がいるんですけど、「いえいえ、私なんてとんでもございません」みたいな返答がずっと続いています。

「人生は1回なんだし、失敗してもそんなに大したダメージはないよ」「やるだけやってみたらいいじゃない」「僕は全然違う業界から来て、できるかできないかわからない中で仕事をしてきたんだからさ」

こんなふうに話をして、最近は少しずつ前向きになってくれているように感じているのですが……。

小室:それはいったいどうしてなのか、どう変えていったらいいと思われますか。

酒入:根底には男性中心の縦割り組織にどっぷり浸かっている中で、知らず知らず男性側の価値観が女性にも浸透している部分があると思います。

ですから、女性たちが積極的にトライできるように後押しをしたいと思っています。その過程では失敗することもあるかもしれませんし、「やっぱりうまくいかない」「女性は特別扱いしてもらっていいよね」という声が出るかもしれないですが、そこは全面的にフォローしていきます。 私にしてみれば「逆にあなたたちは今までずっと特別扱いされてきたから偉くなってるんですよ」ということですから。

小室:それは心強いですね。女性には「詐欺師症候群」という特有の傾向もあり、男性と同じ能力があっても、昇進を打診されると、自信がなくて尻込みしてしまうことがあります。そういった傾向も理解して、伝え方を微調整するような配慮も必要です。もちろん、男女の違いですべてが説明できるわけではないですし、最終的には1人ひとりの性格や受け止め方を踏まえた対応が求められると思います。

酒入:本人が自信を持てるように、海外勤務や出向を経験してもらうとか、仕事の内容を変えてみるといったことを試みたいですし、その中で女性特有の問題があればフォローしたいです。

例えば、最近は女性の更年期や女性特有の疾患に関する話題を耳にすることが増えましたが、この問題について私は今までほとんど意識したことがありませんでした。こういった問題は「知らない」で済ませるのではなく、きちんと社内で理解を進めなければならないと考えています。

外の世界に目を向けて学ぶ

酒入:私がもう1つ問題視しているのは、「自分の上司に評価されないとキャリアアップできない」というシステムです。私は、このシステムを取り壊して、外部の人から評価をされるシステムに作り替える必要があると考え、財務経理のミッション・ビジョンにも明記しています。外部の人から評価をされる業務のプロを目指せば、上司の価値観に忖度することなく、自分が正しいと考える価値観を前面に出しながら仕事ができるようになります。

ですので、私はあえて若い人に対して「外にいいオポチュニティーがあったらここを辞めて外で揉まれて、また面白い仕事ができそうだなと思ったら戻ってくるのもアリだと思うよ」と話すこともあります。

小室:外に目を向けるというのは、外の世界を経験された酒入さんならではの発想ですね。

酒入:外の人と接したり話したりすることで、「自分に近い考えの人もいる」「私は間違っていない」と気づけるようになると思うんです。そこで、JERAでも異業種の人やスタートアップの人たちと接する機会を積極的に作っています。特に女性活躍の面で先進的な会社から学ぼうと考え、最近は丸井のIRチームの方にお話を聞く機会を作りました。

小室:丸井の青井社長は古くからの知り合いでもあり、過去に対談させていただいたことがありますが、そのとき伺ったお話が印象に残っています。

丸井の業績が非常に落ちているとき、対策を考えるための役員会議を深夜まで何度も重ねていたそうですが、あるとき、ふと会議のメンバーを見たら、全員が疲れたおじさんだった、と。「この疲れたおじさんたちが何十時間議論しても、まったく市場を反映していない。これが低迷の原因じゃないのか」と気づかれたんですね。 そもそも、どうして深夜までおじさんたちが会議に参加できるかというと、仕事以外のことは家庭で誰かがやってくれるから。そんな、普通ではあり得ない状況の中で、特異な人たちだけで議論をしていることが問題であると考え、それ以降は深夜の会議を止めたそうです。

もう1つ丸井の取り組みで素晴らしいと思ったのは、女性が一定の割合で参加していない会議は流す、ということです。会議に十分なダイバーシティが担保されているかどうかを最初に確認し、そうでない場合は会議を開催しないし、意思決定もしない。だから、会議を流されないために、部長会議には部長候補の女性にも入ってもらう形で女性を登用していったんです。

そうした取り組みを徹底した結果、丸井の残業時間は1日あたり数分程度にまで激減していますし、V字回復も果たしています。このように女性が昇進してもライフとの両立が可能な環境を整えることによって、安心して女性を引き上げることができています。

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酒入:かつて丸井が事業計画を策定する会議はスーツを着たおじさんがスクール形式の座席に居並ぶ形式で行われていたそうですが、現在は青井社長がラフな服装で若者たちと車座になり、フラットに意見を交換しながら行われていると聞きました。

私はアドバイザーの仕事を長く経験する中で、いろいろな業種・業界を見てきましたが、電力業界に顧客視点が欠けていたのは否めない事実だと思います。電力は安定供給が非常に重要であり、そこに命をかけている人はたくさんいて素晴らしいのですが、最終的に電気を使ってくださるお客さんがどう思っているのかを探ろうとする発想が乏しかったんですね。

しかし、これからグローバルな競争と電力自由化が進む状況にあっては、そういった発想を持てるかどうかが成長を大きく左右します。お客さんにはいろいろな価値観を持つ人がいますし、男性も女性も同じように電気を使うわけですから、女性の意見を聞かずしてどうする、と思いますね。

小室:特に家庭でのお金の使い道の意思決定の8割は女性ですからね。

これからのJERAに求められるマネジメント

小室:先ほど青井社長のお話もありましたが、リーダーに求められる資質がガラリと変わっていて、上から強い姿勢で指示命令をするリーダーシップはもう通用しなくなっています。それを踏まえてJERAのマネジメント層にはどう変わってもらう必要があるでしょうか。

酒入:例えば、経営会議は「大事な場だから」という理由で部長以上が参加しているわけですが、我々の事業は今投資の判断をしたとしても実現するのは10〜15年先です。特に環境問題の影響を受けるのは若い世代ですよね。私たちが良かれと思って行った判断が、若い人たちにとって本当に良いのかどうかはわからない。

だから、丸井のように若い人たちの意見や考えを取り込めるような仕組みを作らないといけません。もちろん、その意見の中には女性の視点があるべきだし、20代の視点や外国の人の視点があってもいい。

仕組みづくりの1つとして、若い人や女性、外国人の社員を集め、経営会議と同じテーマを与えて議論してもらう機会を作っています。シャドー・キャビネットのようなイメージです。そこで「あなたたちの結論を教えて」と言うと、実際の経営会議とはちょっと違う結論が出ることがあるんです。

小室:それはとても面白いです。若い人たちが議論をして出した結論を知ることが勉強になるわけですね。

酒入:やっぱり気付かされることが多いんです。私自身、「外の視点を持ち込もう」という意識は強いつもりですが、いつの間にか「こういう社内事情だから仕方がないよね」と流される部分も出てきています。そういった部分に対しては「おかしいですよね」とバシッと指摘されるので、こっちがタジタジになることもしばしばです。

小室:今のマネジメント層は自分が見聞きしてきたマネジメントが通用しなくなってきているけれども、新しいマネジメントを教えてもらっていないというジレンマを抱えています。もしかしたら、一番困っているのはマネジメント層の皆さん自身かもしれません。

日本では優秀なプレーヤーをマネジメントに引き上げるケースが多いですが、プレーヤーとして必要な能力と、マネジメントをする能力は全然別物です。海外ではマネジメント能力に長けた人をマネジメントにしますが、日本の場合は「プレーヤーの進化版がマネージャー」という位置づけなので、マネジメントのスキルをしっかり教育する必要があります。

でも現実にはマネジメントスキルを教えていないどころか、必要なスキルが180度変わったことについても教えていない。にもかかわらず「ダイバーシティを実現しろ」という結果だけ求められるのは酷です。

酒入:同感です。

小室:私がある企業をコンサルしたときに、50代・紺色スーツの人たち約200人を前に研修を行いましたが、初日はほとんど全員が一様に腕組みをして、のけぞりスタイルで話を聞いていました。その姿勢がクセになっているんです。

でも、最終日はちゃんと前のめりでメモを取りながらうなずいたり、納得したときには「納得した」という表情で話を聞いてくださったりするようになりました。これだけでも、女性の部下がどれだけ萎縮しないで自分の意見を言えるようになるかと考えると、相当大きな変化といえます。つまり、きちんと教えてもらいさえすれば、マネジメントのスタイルは変わります。

最新のマネジメントを徹底的に教育して、新しいマネジメントができているかどうかを評価していく方向に変化させないことには、女性の比率は絶対に増えません。そういう意味ではまだまだ取り組む余地はあると思います。

酒入:おっしゃる通りです。本当にやらなければいけないことがたくさんあると自覚しています。

小室:きっとダイバーシティ&インクルージョン推進ユニットでも同様の発信をされてきたと思いますが、スムーズに予算を取ることができないなどの困りごともあるはずです。ぜひ酒入さんから「どこまで進んでるの?」「どこで止まってしまっているの?」「どれぐらいの予算が必要だと思うの?」「それをサポートするよ」といった声かけをしていただければと思います。

酒入:頑張ります。私はこの会社の経営のはしくれであり、「この会社を良くしたい」「この会社の価値を高めたい」という意識を強く持っています。それを実現するには、1つや2つの個別の取り組みだけでは無理で、全社的な取り組みにしていく必要があると考えています。これから積極的に仕掛けていきたいです。

小室:今日のエキサイティングなお話を伺って、酒入さんのお力があれば困難を突破していかれると確信しました。本日は貴重なお時間をありがとうございました。

酒入:こちらこそ、非常に楽しい時間でした。本当にありがとうございました。

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