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CASE STUDY

会津若松市の導入事例

「トップダウン×ボトムアップ」で挑む!会津若松市の働き方改革

会津若松市

業種
官公庁・自治体
事業規模
300名以上1000名未満
成果
経営層の意識変革 働き方改革の意識向上 管理職層の意識向上

会津若松市では2021年度に弊社小室の全庁向け講演をキッカケに市役所の働き方改革が本格始動し、2021~2023年度の3か年にわたって働き方改革のモデル職場の取組を行ってこられました。2024年度は、これまでの取組をさらに加速させ、現場だけでは解決できない市役所全体に関わる課題、部局を超えた課題を取り扱い、さらに一歩改革を進めるために幹部職員で構成する「働き方改革課題解決特別タスクフォースを立ち上げました。
会津若松市役所の初めての試みとして、本タスクフォース立ち上げから運営に携わった事務局(人事課)の江川大樹さん、熊谷徳子さんにお話を伺いました。

WLB:取り組み当初、どのような期待と不安がありましたか。

江川:これまでのモデル職場の取り組みとは異なり、副市長や全部局長で構成するタスクフォースを立ち上げたため、従来のボトムアップのやり方では進められなかったこともトップダウンで大きく進められるのではないかという期待がありました。ただ、本当に幹部職員が集まって、市役所全体の働き方改革の議論が成立するのか、また現場の職員からの期待が大きい分、それに見合う成果が本当に出るのかという不安もありました。

WLB:実際に1年にわたってタスクフォースの取り組みを続けてみて、現在の率直な感想を教えてください。

熊谷:各部局において、職員からタスクフォースで取り上げてほしい課題を聞き取ってもらいました。ワーク・ライフバランス社コンサルタントの皆さんの後押しもあり、部局長の皆さんそれぞれが、上がってきた課題に向き合い、各部局で対応できることは率先して積極的に進めていこうというスタンスになってくれました。

その結果、議会資料作成の効率化など、部局長が関わったからこそ進んだ取り組みが複数見られ、改めてトップダウンで物事が大きく進むことを実感しました。一方で、当初想定していた以上に、何かを「やめる・変える」ためには、さらに越えなければならない山が高く、険しいことも実感した1年でもありました。

会津若松市様▲小グループによるグループディスカッション

会津若松市様▲全部局長による全体ディスカッション

WLB:タスクフォースを立ち上げたことで、具体的に良かった点と成果や手応えなどについて教えてください。

江川:全庁的に影響がある取り組み、例えばMicrosoft Officeの利用者拡大(下図成果②)や各種懇親会等についての申合せ(下図成果④)、議会対応の効率化(下図成果⑤)などを実施できたのは、モデル職場の取り組みでは得られなかったタスクフォースのメリットだったと思います。また、タスクフォースで全部局長を巻き込めた結果、各部局でも様々な改革を実施いただき、全庁的に働き方改革を進めることができました。

会津若松市様▲人事課山田氏からMicrosoft Officeの利用者拡大に関する説明の様子

会津若松市様

WLB:実効性の高い議論がなされるよう、事務局が各回のタスクフォース終了後、次のタスクフォースに向けて素晴らしいサポートをされていました。運営について工夫したこと、重視していたことを教えてください。

熊谷:タスクフォースで扱う議題について、担当部局が進めている取組や今後の考えをお聞きしておいたほうが良いと思われる事案に関してのみ、事前に部局長へお聞きすることがありましたが、基本的にはあまり根回しをせず、メンバーができるだけ同じ情報を持ってタスクフォースに臨み、フラットな議論をしてほしいと考えていました。

取り組みについては、ワーク・ライフバランスのコンサルタントの皆さんが、アクションシートを作成・管理する手法を提示してくださり、全部局長が部内の取組を見える化して、進めることができました。また、各部局のアクションシートは常にだれでも確認できる場所に保存・管理していたため、他部局の取組も参考しながら、実効性の高いものとなったと考えています。

WLB:事務局の皆さんの心理的安全性が高く、仕事の属人化を排除したチーム体制を取られていたのが素晴らしかったと思います。秘訣はどこにあったのでしょうか。

熊谷:2024年度は4名体制でしたが、働き方改革の取り組みを始めた際の主担当である岡部と、2022年度から担当になった江川との間でチーム体制が構築されており、この数年で属人化排除の素地ができていたと思います。

また、2024年度途中から江川が育児休業を取得することが決まっていました。江川が下準備を整えてくれていたおかげで安心感はありましたが、江川が不在の間は情報共有をしなければ事務局を回せない、江川が戻るまで頑張らなければという危機意識が共有されており、岡部も事務局1年目の山田も自分事として携わってくれたことが大変ありがたかったです。加えて、山田のユーモアがいい潤滑油になり、皆で意見を言い合える雰囲気が作られていたと思います(笑)。

江川:そうなんです、実は第2子出産のときに、6か月の育休を取ることができました。一緒にタスクフォースを進めていたので、スムーズに育休に入ることができて、本当に助かりました。

WLB:自治体職場では、職員一人ひとりに事務分掌が決められていて、人に仕事がついていることが多いですよね。定期的な人事異動もある中で、会津若松市の人事課では毎年新しいメンバーが加わるたびに、チーム力がますます磨かれていることが、本当に大きな強みだと思います。今のようなチーム体制ができるまで、具体的にどのようなことを工夫されましたか。

熊谷:毎年新しいメンバーが加わるごとに、そのメンバーはワーク・ライフバランスさんが開講されているワーク・ライフバランス養成講座を受講しました。基本的な知識や具体的な進め方、事務局のノウハウを学べることで、即戦力としてチームに加わることができました。また、さまざまな組織で同じような取組を進めておられる方々と一緒に学べることは大変勉強になりました。人事異動によって、市役所の働き方改革が後退することのないよう、これからもチーム体制を維持していきたいと考えています。

会津若松市様

WLB:3月に開催した成果報告会は庁内・庁外からたくさんの方が聴講されていました。こうした取り組みの広報、発信の取り組みや、今後定着させていくための工夫を教えてください。

江川:広報については、成果報告会の動画や資料などを「庁内掲示板」という全職員が見ることができる場所に掲載し、職員であればだれでも見られるようにしています。また、不定期になりますが、「働き方改革ニュースレター」と銘打ち、1トピックスを1~2ページ程度にまとめ、庁内掲示板に掲載し、取組の参考にしていただく工夫もしました。

定着については、なかなか難しいのが現状ですが、2021~2023年度の3年間はモデル職場というボトムアップの方法で取り組み、2024年度からはタスクフォースというトップダウンの方法で取り組んできた中で、ボトムアップとトップダウンをしっかり嚙み合わせ、「現場の職員がやるものだ」「上でやってくれる」といった他力本願にならないことが重要と考えています。

タスクフォースの取り組みを始めた2024年度も、希望者を対象に「働き方改革勉強会」を開催するなど、ボトムアップの取り組みも並行して、実施しました。

職員に働き方改革の取り組みを一方的に押し付けるのではなく、常に目に触れる場所に情報を置いておき、少しでも働き方改革に関心を持って、前向きに取り組んでくれる職員を増やすことが広報や定着の双方の観点から重要と考えています。

WLB:ありがとうございました。

会津若松市様

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