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CASE STUDY

三機工業株式会社の導入事例

聴覚障がい者向け「コミュニケーションUP研修」を実施

三機工業株式会社

業種
建設・不動産・物流
事業規模
1000名以上
成果
社員のコミュニケーション活性化

三機工業株式会社様では、障がいのある従業員も安心して活躍できる環境づくりに努めており、このたび弊社がダイバーシティ研修のひとつとして聴覚障がい者向け「コミュニケーションUP研修」を提供させていただきました。三機工業様で今回の研修企画に関わった総務人事本部の小沢智子様、湊洋行様、寺沢康佑様へのインタビューを行い、研修を実施した背景や弊社がご提供する研修等への感想などをお伺いしました。

研修当日の様子▲研修当日の様子 弊社コンサルタント:松久晃士

インタビュアー:株式会社ワーク・ライフバランス 松久晃士・滝沢雄太

◎働く仲間の幸福の追求

WLB松久:御社では多様な視点や価値観を持続的な成長につなげるという観点から、働き方改革やダイバーシティの推進に取り組まれ、2016年度からは対話型イベントCentury Communication Up(CCU)も継続されています。総務人事本部として、人的資本経営あるいはダイバーシティ推進において重視していることをお聞かせください。

小沢様(以下、小沢):当社では経営理念にもダイバーシティを掲げており、「コミュニケーションを重視し、相互に尊重する」とうたっています。現在の中期経営計画の中にも、マテリアリティ(重要課題)として「働く仲間の幸福の追求」という項目があり、職場環境や従業員の意識なども少しずつ変わってきていると考えています。

WLB松久:「従業員の幸福」ではなく、「働く仲間の幸福の追求」という表現で「仲間」に目を向けていらっしゃるのが素晴らしいですね。その実現に向けてどんなことに取り組まれてきたのでしょうか。

小沢:人事制度の中では、働きやすい環境づくりを進めており、育児や介護に関する休暇制度などは特に充実しているのではないかと思います。例えば、法律で決められている育児休業や看護休暇などに加え、当社においては有給休暇とは別に20日間取得できる独自の休暇制度を導入しています。かなり使い勝手もよく、他社に先んじた取り組みだと思います。採用においても「男性だから」「女性だから」優位にするといったスタンスではなく、フラットな採用を行っています。

◎コミュニケーションUP研修実施の背景

WLB松久:今回のコミュニケーションUP研修もダイバーシティの一環として実施されたとのことですが、改めて研修を企画された背景や意図についてお聞かせください。

湊様(以下、湊):当社の関西支社に在籍する落合孝幸が、聴覚障がい者(デフ)ラグビー7人制世界大会で日本代表チームのチームディレクターを務めており、「聴覚障がい者同士のコミュニケーションを活性化するための研修を実施してはどうか」と提案があったことが、直接のきっかけです。実施にあたっては、総務人事本部が研修計画や講師の人選などを進めました。

基調講演の様子▲基調講演の様子 三機工業 関西支社 設計2部設計1課 落合孝幸様

小沢:当社では以前から聴覚障がい者向けの研修を実施してきましたが、落合から「お互いに上手くいっていることや困っていることを共有する対面の場をつくりたい」との申し出があり、今回の研修につながりました。

WLB松久:研修講師の依頼先として様々な選択肢もおありであったかと存じます。その中で私たちに声をかけてくださいました。どのようなお考えがあったのでしょうか。

寺沢様(以下、寺沢):御社にはこれまで当社の管理職層向けの研修をしていただきました。今回の研修では、聴覚障がい者がコミュニケーションで困っていることについて上司や経営層に聞いてもらい、対話のきっかけをつくる目的で、グループワークの内容を発表する機会を設けました。研修の成果を上司と共有する機会を設けるにあたっては、松久さんに当社の管理職層への理解があることが1つの決め手となりました。

それに加えて、聴覚障がい者の方々の交流の機会をさらに広げたいという思いもあり、松久さんには企画段階から一緒に議論しながら、当社の意向を踏まえたプログラム構成に、柔軟に対応していただけることがわかっていたので、それもポイントとなりました。

湊:松久さんのお人柄も大きな要素でした。検討にあたっては数社から資料を取り寄せたのですが、その中で「まずはコミュニケーションを深めたい」という当社の要望に最適なご提案をいただけたと思います。

◎丁寧な事前準備

WLB松久:ありがとうございます。研修ではどんな配慮が必要なのか、どんな建付けなら参加しやすいのかいろいろ考えましたが、寺沢さんとお互いの考えを合わせながら計画していきましたね。一緒に研修を作っていけたのは、私にとって貴重な経験になりました。

寺沢:松久さんと事前に綿密なやり取りをしましたが、スライド1枚レベルの細かなところまでご提案をいただきました。松久さんの経験豊富なサポートのおかげで安心して進めることができました。今回の経験を次に活かしていきたいと思っています。

湊:事前に「どうやってコミュニケーションを取っているか」のアンケートを行ったところ、「私は手話を使います」「私は筆談です」「口話法です」「ジェスチャーです」「補聴器を使用して一部聞き取れます」など、いろんな方がいらっしゃいました。一言で聴覚障がい者といっても、いろいろなコミュニケーションの取り方があることを改めて認識しました。

それを踏まえて手話・口話・筆談グループに分けたり、手話通訳者の方を呼んだり、要約筆記アプリでテキストを画面に表示するなどの対応をしました。また事前にリハーサルも行い、そこで気づいた課題もクリアしていきました。入念に準備を行った結果、アンケートで感謝の言葉をたくさんいただくことができたと思います。

小沢:今回の研修に限らず、研修内容を作り込む過程では、当社の担当者と深くお話をしていただき、当社の課題や目線に寄り添った内容にしていただいていると思います。

◎研修を開催しての感想

WLB松久:実際に研修を開催して、何か反響はありましたか。

寺沢:私は研修を機に、社内の食堂などで受講者の方と会ったときに挨拶するようになりました。

湊:私も研修以降、参加者の方と親しく会話をするようになり、先日も「またやりましょう」と声を掛けられました。

WLB松久:それは嬉しいですね。研修での気づきや感想があれば教えてください。

当日のディスカッションの様子▲当日のディスカッションの様子

寺沢:研修時間は短くしたほうが、負荷が少ないと考えていたのですが、「1日通してやりたかった」などの意見がありました。また、コミュニケーションをスムーズに進めるため、コミュニケーションツールごとにグループ分けをしましたが、「混在した状態でのワークもやってみたかった」「もっと長い時間グループワークをしたい」といったポジティブな意見が見られ、私自身にとって意外な気づきでした。

WLB松久:皆さんが想定した以上の効果を実感してくださり、「もっと他の人とも話したかった」と思われたのかもしれませんね。

インタビューの様子▲(写真上段左から)WLB原わか奈 三機工業 湊洋行様、古谷伸之様・寺沢康佑様、WLB松久晃士(写真下段左から)小沢智子様、工藤正之様・藏田 裕美様

◎三機工業における働き方の変化

WLB滝沢:建設業では2024年から労働時間の上限規制がスタートし、御社でもいろいろな変化が求められたのではないかと思います。総務人事本部ではどのようなスタンスで取り組まれているのでしょうか。

小沢:当社では2015年から社長をリーダーとする全社横断的なプロジェクト「スマイルプロジェクト」を立ち上げ、働き方改革と長時間労働の低減に取り組んでおり、現在も形を変えて継続しています。また、数年前からは休暇の取得にもかなり力を入れているところです。

「休みをとる意志」「休める環境づくり」「休ませる決意」というスローガンを掲げて、本人の休む意識と上司の休ませる意識、その両方の変革を進めてきました。以前は、各個人で時間外労働を減らしていこうというスタンスでしたが、今は全社的に生産性を上げ、仕事をシェアするといった考え方にシフトしており、現場で行っていた仕事を内勤の人にシェアするなどの取り組みが進んでいます。

湊:私自身も現場出身なのでよくわかるのですが、現場の外勤は打ち合わせや書類作成、工程管理など、多種多様な業務があります。そういった業務の中で内勤ができるものを引き取ることで、「非常に助かっている」との声が聞かれています。

内勤の人は少しずつ外勤の仕事を引き取り、外勤の人はそれに感謝しながら残業を減らすという好循環が生まれてきているのを実感します。この数年間で働き方が大きく進化していることを日々感じます。

◎研修がもたらす効果

WLB滝沢:そういった中で、弊社では2023年から心理的安全性、1on1、キャリア、コーチング、メンタルヘルス等々さまざまなテーマで、マネジメント向けの動画を通じて学習機会をご提供してきました。ありがたいことに、アンケートを通じてたくさんの方から良い反応をいただいております。

特に2024年は動画だけでなく、コミュニケーションに関して実践型のフォローアップ研修を、私滝沢と、原で実施し、管理職の皆さんから「部下の話をしっかり聞こうと思った」「承認の言葉がけやポジティブなフィードバックを実践したい」という声がたくさん聞かれました。こういった研修等による変化や気づきなども、ぜひお伺いしたいと思います。

湊:管理職のアンケートを見ていて多かったのは、「今までは自己流でコミュニケーションを取っていたけど、その引き出しが増えた」という感謝のコメントでした。自分のやり方で一方的にコミュニケーションを取ると、「自分は伝えたつもりだけど、相手に伝わっていなかった」ということが起こります。研修では管理職が伝え方を十分に学び、自分が伝えた内容を相手が理解したかどうかをきちんとフォローできるようになったのが大きいと感じています。

寺沢:部課長研修の運営に携わった際、夜の懇親会で皆さんが「自分たちの時代とは上司のあり方が変わった」と口々にお話しされていたのが印象的でした。御社には時代の変化に合った研修をしていただいているので、新しく管理職になる人の意識も変わってきています。私自身、部下として上司と接しやすい環境ができているのを感じています。

小沢:対面・オンラインの研修すべてにおいて、受講している人たちの学びの意識が高く、アンケートでも「今後こういうことを取り入れていきたい」という積極的な感想が上がっていて、ありがたく感じています。

ただ、研修で学んだことを日常業務に定着させていくことが重要だと考えており、今後の研修や人材育成においては、学びを継続的に実践できるようフォローアップも計画していきたいと考えています。

WLB滝沢:ありがとうございます。実際に私も研修講師をさせていただき、管理職の皆さんの主体性が高く、前向きに質問や発言をされているのが印象的でした。建設業の中でも現場の皆さんが積極的に会話をされているのは大きな特徴であり強みだと感じています。ぜひ、皆様の取り組みが進むように、今度ともお力になれたらと思います。本日はありがとうございました。

三機工業株式会社様へのインタビューの様子▲三機工業株式会社様へのインタビューの様子

担当コンサルタント
滝沢雄太
原わか奈
松久晃士

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