Case Study

経営層連続対談企画 第5弾「仕組みが変われば、働き方は変わる! 」

【対談】株式会社JERA 常務執行役員 O&M・エンジニアリング管掌 渡部哲也様 ×株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長 小室淑恵

 

JERAを取り巻く3つの変化

渡部:本日はよろしくお願いします。昨年に小室さんの講演をお聞きしてから、御著書も拝読して勉強しています。

小室:なんと!望外の喜びです。ありがとうございます!

では早速お伺いしたいのですが、渡部さんは社内でD&Iが必要な理由について、どのようにお話をされていますか。

渡部:最初に話しているのは、多様性が新しい価値を生み出す原点であるということです。これだけ変化の激しい時代になると、同じ発想の人だけでは生き残っていけません。また、それぞれの家庭の幸せが従業員の活力になって、それが組織の原動力になっていく部分も大きいと考えています。

小室:現場のみなさんは、変化を肌で感じてらっしゃるのでしょうか。

渡部:私たちが同じ仕事をしている間にも、否応なく周りの世界が大きく変わっています。それはみんなが感じていることだと思います。今、直面している大きな変化は「脱炭素化」「少子高齢化」「グローバル化」の3つです。グローバル化は、かつては海外で働くことを意味していましたが、人口減少が加速する時代にあっては、外国の人と一緒に働くという意味でのグローバル化の比重も高まっています。国内で働いているから自分は無関係、とは言ってはいられない状況です。

小室:置かれている環境を俯瞰して見れば、私たちは変化の渦の中にいます。そこで勝ち残っていくためのD&Iという視点は本当にその通りですね。

 

なぜ日本が少子化から抜け出せないのか

小室:2つ目に挙げてくださった少子化について、今は「女性の就業率が高いほうが出生率が高い」というのが世界的な傾向となっています。昔は専業主婦のほうが出生率は高まり、女性の労働力率が高まると出生率は下がると思われていましたが、今は世界の傾向では、それが逆転しているわけです。女性が収入を持つことで、家計が安定し、子育ての経済的な負担が解決するからです。

そうした中、日本の女性の労働参画率は、今アメリカを抜いて明らかに伸びています。ところが、先進国の中で日本だけ、女性の労働参画率があがったのに、本来上がっていくはずの出生率が上がっていません。

渡部:どういうことでしょうか。

小室:他国では女性の労働参画率を高めるときに、セットで働き方改革を強烈に行ったんです。他国では保育園は18時までで終了であり、延長保育はありません。その時間に両親が帰ってこないと子どもは生きていけない。他国の政府は中小企業に至るまで労働時間の改善を徹底的に行いました。フランスでは21人以下の企業に対しても週35時間労働の法律が適用されています。

一方、日本では企業の働き方はそのままにして、延長保育を充実させることで女性が男性並みに働ける環境を整えました。その結果、保育園の運営費が大幅に自治体赤字につながっただけでなく、男性の働き方も変わらず、男性の家庭参画も進みませんでした。

なぜ男性が家庭参画すると子どもが増えるのか分からないという声も聴きます。実は2月に岸田総理の情報官(岸田総理に情報をインプットする役割の官僚)からもその点を、もう一度説明して欲しいと依頼を受けて資料を作ってご説明したところです。子育て経験があるかたは分かると思いますが、片方の親が1人で子どもを見ていると、トイレにも行けませんし、お風呂で髪も洗えません。育てるのは1人までが精一杯となります。でも、2人の大人がいればお互いに子どもを見てもらう時間ができるので、2人か3人でも子どもを育てる余裕もできます。育児の手が1人なのか複数なのかによって、持てる子どもの数が全然違うのです。

日本の場合、女性の労働参画率だけ高めて、男性の長時間労働を改善しなかったので、男性は疲弊して深夜に帰宅し、育児参画などできませんでしたし、先陣切って労働参画した女性たちは結婚や出産を諦めざるを得ませんでした。これでは出生率は増えず、世の中は疲弊していき、国が非常に貧しくなり、子どもも少なくなっていく悪循環に陥ります。

渡部:だからこそ働き方を変える必要があるということですね。

小室:男性が当たり前に家庭参画できる状態をつくることが非常に大事です。他国でもたまに残業があり、そのときはシッターさんを雇うのですが、シッターさんに依頼する費用が必要となる分、時間外手当が高いんです。他国では1.5〜1.75倍の時間外手当を払わないといけないですが、日本は1.25倍しか払わなくていいことになっています。

日本では時間外の割増率が非常に安いので、日本で働く人たちはベビーシッターを雇うわけにもいかず、延長保育に頼らざるを得ません。割増率が高くなれば、企業が本当に残業させるべきかどうかをシビアに精査することになるはずです。

やはり国として仕組みをつくることが重要です。企業も国から言われなくても、長時間労働を放置することがどういう社会をつくり出してしまうのかを認識し、意識的に働き方を変えていかないといけないですよね。

 

会社の仕組みを変えることが大事

小室:今、JERAの中で大きな課題となっているのが女性活躍だと思いますが、女性活躍の意義や取り組み方について、渡部さんの中ではどのように整理されていますか。

渡部:女性活躍は当然必要だとは思っていますが、そのためには会社の仕組みもしっかり変えていく必要があると考えています。例えば、女性が出産などで職場から長期間離脱したとしても、それが不利にならない仕組みに変えてきたつもりですが、各職場レベルでの浸透や運用には課題が残っています。また、長時間労働是正に向けて全社大で取り組んでいますが、時間内に成果を出すことを評価する仕組みも組み込めたらいいなと思っています。

小室:会社の仕組みが大事というのは、おっしゃるとおりです。女性活躍は女性に声を掛けて一生懸命引っ張り上げることだと思われがちですが、ダイバーシティーの本質は多様な人が活躍できる仕組みをつくることです。ですから、長時間労働する人ほど偉くなるような現状の仕組みを変えることが大事です。

長期間休んでいた人が不利にならない仕組みを、他企業は既に構築しています。私の前職である資生堂では、昇進昇格ポイントについて、育休期間には同期の平均ポイントが付くようになっています。育休期間が完全なブランクになってしまうと、年単位で昇進が遅れますが、平均ポイントが付けば、ちゃんと昇進昇格できます。

会社としてこうした仕組みを持たないということは、「休むのはいけないことだ」と発信しているのと同じです。仕組みを変えないことには、どんなに女性活躍の旗を振っても、「休んだらペナルティでしょ」と受け止められてしまいます。これは介護で休む男性にも共通する問題ですので、早急に評価制度の変更が必要だと思います。

渡部:おっしゃるとおりですね。

 

マネジメントも生産性で評価する

小室:生産性の評価についても同じです。月末のギリギリまで残業して成果を1センチでも高く積み上げた人に良い評価が付く仕組みになっていると、会社がいくら働き方改革を呼びかけても聞き流されてしまい、残業を多くした人が結局は実利を得ることになります。ですから、「誰が一番いい思いをするか」というところを変えなければなりません。1人ひとりの時間当たり生産性に着目して評価することも非常に大事ですが、私たちが5年にわたってコンサルを行った住友生命さんでは、マネジメントを評価する際に生産性を重視しています。

例えば10人の部下がいたとすると、長時間労働をしがちな部署の上司にはお気に入りの部下が2〜3人いて、その人たちに重要な仕事を集中して投げています。一方で、残りの部下は短時間勤務だったり育児や介護などを抱えていたりするので、そこに頼むのは面倒に感じられ、いつまでも放置しています。

そうなると、7〜8人の部下は仕事がない日もあるのに、やり方が分からないからハードワークをしている2〜3人を助けることもできません。このように雑用係と長時間労働の人が両極端の状態になっているわけです。

こういうチームは、全体で見たときの生産性が非常に低くなります。ですから、業務の平準化とチーム全体の生産性向上にどのくらい取り組んだかでマネジメントが評価され、それが賞与のランクにも反映されるような仕組みを取り入れることが重要です。

住友生命さんは、現場の営業担当にも時間当たり生産性をシビアに入れていますが、一番効いたのは所属長の賞与の支給ランクに取り組み具合が反映されるという仕組みでした。御社では、まだこういう仕組みになっていないということですよね。

渡部:現状では時間当たりの生産性そのものを評価する仕組みはありません。一応、管理職の人事評定目標にワークライフバランス推進に関する目標の設定を必須化してはいます。個人的には長時間労働是正をもう一歩進める施策として、生産性を評価する仕組みにも関心があります。

小室:よくあるのが、現場が反対すると思って会社が決行できないパターンです。私がかつて社外取締役をしていた、金融系の企業さんでは、時間当たり生産性を評価に入れようとしたところ、営業数字を担っている部門の役員が猛反対をしました。「長時間労働で頑張ってる人が低い評価になるじゃないか」「そんな評価は現場の意欲を削ぐから、変更するのは認められない」と反対され、変更できなかった経緯があります。実際には、能力はありながら長時間労働ができない人の意欲を大きく削いでいるのですが。このように、長時間労働が発生している部門のトップが反対するだろうと人事が慮り、なかなか変えられないケースがあるわけです。

ですから、むしろ現場の代表である渡部さんから「声かけだけでは現場の働き方は変わらない」「評価方法の変更を行ってほしい」と積極的に発信していただけるとよいと思います。会社の仕組みが変わることで、女性に限らずさまざまな事情を抱える人も正当に評価されて仕事がしやすくなり、結果として能力のある人が活躍するようになるはずです。

渡部:よくわかりました。

 

大切にしてきた優先順位

小室:ぜひ、ここで渡部さんご自身の働き方やライフについてもお聞きしたいと思います。長年剣道をされていると伺ったのですが……。

渡部:子どもの頃からやっていまして、社会人になってからも「この日は絶対稽古に行く」と決めたときは、仕事をすぱっと切り上げて稽古を続けてきました。熱心に稽古していた時期は平日1回、週末1回のペース。

今はそこまで時間が取れませんが、月に数回は稽古を行っています。絶対に稽古に行く日を作ることで、今日絶対に終わらせなければならない仕事と、今日やらなくてもいい・次の日に回せることの区別がつけられるようになったと思います。

小室:そういった、ライフ面での充実こそが働き方改革につながります。だから新入社員のころからきちんと定時で帰れるように仕事を生産性高く行い、趣味のための時間を継続できることが大事ですね。

さらに渡部さんの、これまでのキャリアを振り返って、働き方の変遷があれば教えてください。

渡部:発電所に入った当初は当直勤務3交替でスタートして、そこからメンテナンスに入り、昼間帯の勤務となりました。その中で自分の時間をつくることは大事にしていたと思います。

マネージャーになってからは、部下に「優先順位の付け方として一番大切なのは自分で、2番目が家族、3、4がなくて5に仕事だ」と言ってきました。自分の代わりは自分しかいないので、病気になるほど仕事する必要は全くないし、自分を大切にしてもらわないといけない。家族の代わりも限られた人しかできないけど、仕事はチームでやっているので助け合うことができます。その優先順位を意識してほしいと繰り返し伝えてきました。

小室:渡部さんの世代で、そういうふうに言ってくださるのは珍しかったんじゃないですか。同世代には「会社第一」という優先順位の人が多かったと思います。

渡部:どうでしょうか。ただ、「上司が帰らないから自分も帰らない」みたいなことは、やったことがないです。

小室:仕事を最優先にして長時間労働をしている最中は、自分の体が壊れていることに、なかなか途中で気づくことができません。急に足が一歩も動かなくなる、朝起きられなくなるといった状態になってから気づく人も多い中で、上司として自分を大切にしてほしいと部下に言ってくださっていたというのは、素晴らしいマネジメントだと思います。

渡部:ありがとうございます。

 

属人化を解消して生産性を高めよう

小室:さきほど、評価の仕組みを変えることが必要だとお話させていただきましたが、現場ではチームの生産性を上げていくにあたって、どのように取り組まれるといいと思いますか?

渡部:属人的な仕事をなくすことに関しては、部門をあげて取り組んでいます。マニュアルをつくるといった取り組みをしていますが、「マニュアルが使いにくい、分かりにくい」という声が出ています。そういった部分は改善していかなければならないと思っています。

また、力を入れているのはデジタルです。デジタルパワープラントというプロジェクトを通じて、極力テクノロジーを使って効率化を図っています。みんな創意工夫して取り組んでいますし、会社としてもかなりコストをかけてアプリケーションなどを導入しています。それによって、いろいろな発電所でそれぞれ行っていた仕事を、まとめて行えるようになったりしています。

小室:デジタル化によって属人化を解消する取組は、素晴らしいですね!コロナ禍で各企業が直面した職場の課題がまさに「この人がそこにいないと成り立たない」という職場の実態でした。日本では属人的な仕事に誇りを持っている人もたくさんいて、企業も危機感をあまり持たずにきましたが、属人的な仕事が多ければ多いほどコロナのような危機のときに崩壊しやすいことが露呈したわけです。

日本で少子化が全然改善せず、しかも高齢者の比率が高まる一方という状況を考えると、少ない人数で国を回していかないといけないですから、具体的に手が打てた企業が勝っていくことになります。

渡部:JERAでは、仕事を統合化して少ない人でやりくりしていくことも考えていますが、現場の人を単に減らすのではなくデータをつなぐことでむしろこれまでより多くの仲間と24時間つながっているような仕組みを今年の夏を目指して作っていきます。新しい技術を活用して、生産性を高めていくつもりです。

 

安全な現場をつくりたい

小室:具体的に助け合う仕組みを作っていかれるのですね。素晴らしいです。

渡部さんご自身は今後働き方改革にどのようにコミットしていくお考えでしょうか。具体的に計画されている行動があれば教えていただきたいと思います。

渡部:男性育休の取得を増やしたいと思っているので、積極的に発信していこうと思っています。かつては男性育休という概念すらありませんでしたが、今や共働きで子どもを2人以上育てようと思ったら男性育休は必須だと思います。

小室:渡部さんの部門で男性育休の取得状況はどんな感じですか。

渡部:今年度は私の部門では32名が男性育休を取得しました。取得日数は平均47日です。部長やミドルのマネジメントには私から取得を増やすための声がけをしていて、D&I推進室でもいろいろ発信していますし、私以外の役員もメッセージを発しているので、徐々に浸透しているのを感じています。

小室:素晴らしいです。

渡部:また、最近私たちは安全な現場をつくることに力を入れていて、社長はじめ全ての役員が現場を直接回ってメッセージを発信することで、事故の件数が実際に減っているんです。それと同じように、時間外の削減についても繰り返し発信して成果につなげていきたいと思っています。

小室:トップからの発信があると「本当にその方向で行動してよいのだ」というのが具体的に分かりますので、ぜひご発信いただきたいと思います。

それと、安全と働き方というのはすごく密接ですよね。4月に発足するこども家庭庁では、中央省庁としては初めて11時間の勤務間インターバル制度を導入することが記者会見で発表されています。勤務と勤務の間に11時間あけたから健康というわけではなく、「11時間」というのは7時間の睡眠時間と前後4時間の生活時間を確保する、命を守る最低限の防波堤だと思います。ただ、11時間の休息が取れることで、脳の集中力が落ちない状態で、ケアレスミスや事故がなく仕事ができることにつながるのです。

心理的安全性を高める

渡部:本当に安全と働き方はつながっているので、確実に改善していきたいですね。企業はどうしてもコストを下げて利益を出す方向に走りがちですが、安全や信頼など、お金で換算できない価値というものがあります。そういった価値の重要性については強く意識しています。

発電所には協力会社の人もいて、その人たちに仕事をお願いすることで業務が成り立っています。ですから、「発電所で働くすべての人が仲間である」「自分だけ安全だったらいいのではなくて、すべての人の安全を考えてほしい」ということを常に発信しています。それがフラットで心理的安全性の高い組織につながっていくと考えています。

小室:心理的安全性は、今本当に注目されているキーワードですね。人為的ミスが頻繁に起きているような企業の共通点は、若手がベテランに問題を指摘したら職場に居づらくなる風土があり、何も言い出せないような状況です。

上からに下にものが伝わる構造を大事にしてきた企業ほど、フラットなコミュニケーションの取り方に苦戦されています。

これを解消するには、新しい手法、特にデジタルコミュニケーションをどんどん取り入れていくことが有効です。例えば鹿島建設さんでは、フラットな組織をつくるための会議をする際に、対面で議論すると、誰かが言った意見に上司が「そんなことないだろ」と冗談のつもりで茶々を入れた結果、誰もその話題を口にできなくなるといった忖度が働き、本音で議論できないような場面が以前はよくありました。

そこで、鹿島さんでは現在、弊社のカエル会議オンラインという仕組みを全社的に活用されています。これは、オンラインで完全無記名で同時に意見を出せる仕組みであり、ベテランが1行書いている間に、若手は3〜4行スラスラと意見を書き出します。しかも、「ウチの職場は会議が長い」「回覧物が多過ぎる」「あの会議は要らないんじゃないか。2カ月に1回でいいんじゃないか」といった率直な意見が出され、それに対して「いいね」が付けられます。

チーム全員の「いいね」が付くと、リーダーは「みんな課題に感じていて、変えたいと思っていたのか」「確かにこの会議は2カ月に1回でいいな」などと考えるようになり、改善が加速します。また、率直な意見に「いいね」が集まることで、若手の間に「やっぱりみんなもそう思っていたんだ」「これからも本音を言っていいんだ」という雰囲気が生まれます。鹿島さんでも率直な意見が集まるようになりました。それまでベテランの設計にミスがあっても指摘することを恐れていたような風土も、率直にフラットに指摘できるようになり、工事の瑕疵を未然に防ぐ効果がもたらされています。

渡部:それは大きな変化ですね。誰かは気づいていたはずのミスが、社内で指摘できず、お客様の不利益につながるようなことは防がなくてはなりませんね。

小室:私たちは、みずほファイナンシャルグループでもコンサルをしています。大規模システム障害はなぜ起きるのかという時に「前から問題に気付いていたけど、偉い人が決めたことだから、反論するのはやめておこう」という忖度の繰り返しが問題を大きくするのです。「問題に感じていることがあれば言え」と言われても、若手は「言ったら大変なことになる」と恐れているので、口をつぐんでいたほうが賢明だと考えます。こうした風土の状況では、完全無記名で発言できるデジタルツールを使うと、心理的安全性を確保でき、フラットな意思決定が実現できるようになります。

JERAでも、上手くデジタルツールを使いながら、職場内にフラットに意見交換できる仕組みを入れていかれるといいかなと思います。

渡部:私は「バッドニュースファースト」という言葉をよく使います。私の立場からすると、悪い話ほど早く入れてもらったほうが課題を正しく認識できますし、対応もすぐ考えられます。ですから、良い報告よりも困っていることを先に言ってほしいんですけど、今日小室さんがおっしゃっていたように、やっぱり忖度が働くこともあるんですね。そういうところをいかに解消していくかというのは、真剣に考えるべき課題だと思っています。

小室:バッドニュースファーストができていたら、今の日本はこうなってなかったんですよね。強いしっかりしたピラミッドをつくり過ぎてしまったせいで、バッドニュースファーストができなくなっているという、すごくもったいない部分があります。悪い話を躊躇せず上げてもらえるようになるといいですね。そのためにも、ITも活用しながら職場の課題を率直に出し合って、具体的につぶしていく職場単位の会議を奨励していただければ良いのではないかと感じました。ぜひ、渡部さんには今後ともD&Iの推進に向けてたくさん発信していただき、追い風を吹かせていただければと思います。今日はありがとうございました。

渡部:ありがとうございました。

 

事例紹介一覧へ戻る

その他のサービス