Case Study

国立大学法人 長崎大学様

全国の大学に先駆けて「働き方改革」に取り組み、自分たちのさらなる成長時間をつくっていく

国立大学法人 長崎大学
副学長・ダイバーシティ推進センター長 伊東昌子さんインタビュー

「長崎大学ワークスタイルイノベーション」の3年目では、伊東先生ご自身もコンサルタントの役割を担われました。実際にやってみての感想などをお聞かせください。

最初の2年間は事務局として、ワーク・ライフバランスコンサルタントの方々がどんな支援をされるのか、そばで拝見する立場でした。定例会でのファシリテーションが皆さん上手で「毎回こんな風にして、次のステップへ引っ張っているんだ」と感心していました。

もともと、コンサルタントの役割を担うことについては、とても興味がありました。プロジェクトが3年目に入り、実際に自分自身が取り組んでみると、それぞれのチームに個性があって「なかなか一筋縄ではいかないな」というのが実感でした。リーダーが中心となって引っ張るチームもあれば、メンバーが一緒になって考えるチームもある。それぞれの特徴を見極めながら、取り組みを進めていきました。

今回の参加チームは、どこもゴールに向かう意識が高かったですね。ワークスタイルイノベーションを通して、チームが何を目指していくのか、最初から取り組みに対する理解が進んでいたように思います。

リーダーとのコミュニケーションについては、かなりうまくいったと思っています。リーダーから、はっきり意見を言ってもらえましたし、こちらからも意図をうまく伝えることができて嬉しかったです。

過去1、2年目は、取り組みが迷走するチームもありましたが、今回は比較的スムーズだったと感じています。チーム選定の際は、自発的に名乗りを挙げてくれるところもありました。「ワークスタイルイノベーションに取り組めば、チームの改善ができそう」という期待が、学内に醸成されてきたからかもしれません。

子どもが楽しむようなワークも、第一線の先生たちが素直に取り組んでくれたり、こちらからの提案を受け入れてくれたりと、初めから拒否するのではなく、トライアンドエラーでやってくれたのはありがたかったです。

コンサルタントとしての一連の経験を通じて、いろんなスキルを学ばせてもらいました。働き方見直しに限らず、今後もさまざまな場面で役に立つだろうと思います。

伊東先生が所属するダイバーシティ推進センターは、今回トライアルチームとしても参加されました。参加前の印象と違ったことや、気づいたことなどはありましたか。

もともと気心知れた職場の仲間ですので、トライアルチームとしての取り組みは非常にやりやすかったですし、エンジョイできました。従来の事務局としての立場より、コンサルタントとして関わるのが楽しいですし、それ以上に、チームメンバーとして実際に取り組む方が楽しいと感じました。みんなで「変わろう」と意識して取り組むことで、チーム全体が良くなっていく感覚は、得がたい経験です。

コンサルタントは、客観的にチームの方向性を明確にするサポートはしますが、チームの当事者であれば、メンバー同士で気軽に本音をぶつけ合うことができますからね。思った以上にすごいスピードで、行動計画が進んでいきました。

現在でも、カエル会議は定期的に継続しています。2018年度に入り、スタッフが交代・減員する中で、いかに業務をうまく回すかを議論しているところです。ダイバーシティセンターという性格上、多様な意見をチーム運営に生かしたいと思っています。

カエル会議の経験を通じて、事前に議題と所要時間を決める習慣ができました。従来の会議では、そのようなことはしてきませんでした。

具体的なアクションプランを考え、誰がいつまでにどんなことをするのかを決める。もし計画が進まないときは、アクションをより具体化したり、細かくしたりして、実行しやすくする─。そうした動きを、みんなが自然にできるようになりました。

今では、カエル会議をやらないと落ち着かないし、「朝メール.com」の活用についても同じことが言えますね。朝、一日の業務の流れをお互いに共有して、夕方に振り返って終わる。これも習慣づけなんだろうと思います。新しいメンバーも、早速適応してくれています。習慣化することで、継続ができるようになります。

自走組織として取り組みを継続するにあたり、気を付けた方がよいポイントはありますか。

朝メールやカエル会議をしっかりと習慣づけ、継続することだと思います。メンバー全員に意識づけができれば、しめたものです。もし、また新たな課題が生じた場合も、これまでと同じ流儀(やり方)で対応していけばいいんです。

過去うまくいったチームでは、カエル会議の日程を、ある曜日のランチタイムに設定していました。定例化することで、普段集まりにくいメンバーが一同に会することができました。私たちのチームも、火曜日の午前中に会議を設定しています。

今後の大学の動きについて、どのようにお考えですか。

長崎大学でこれまでやってきたスタイルは、10人前後のチームで取り組むのが基本でした。そのため、組織体制ができている医療系のチームに編成が偏りがちでした。ただ学内には、文系の研究者など個人単位で仕事をしている人も少なくありません。今後、全学への展開の際は、そうした実情も考慮しないといけません。

実際に、個人で研究活動をする分野でも、取り組みに関心を持っている先生方がおり、どのようにして活動を広げていくべきかが課題です。少人数単位でも取り組めるよう、従来のやり方をアレンジしてみることも検討しています。

全国でワークスタイルイノベーションに取り組まれる大学・企業の皆さんに、一言お願いします。

全国の大学に先駆けて取り組みを始めましたが、私たちが目指すのは「働き方はこうあるべき」と押し付けることではなく、「働き方をもっと良くすることで、自分たちのさらなる成長時間をつくる」ということです。

この取り組みは、やってみると本当に楽しいです。チームで設定したゴールへ到達するために、いろんなプロセスを踏みますが、その中で学びがあり、思わぬ副産物も出てくるわけです。

カエル会議などを通じて、「私たち、こんな働き方がしたいね」と、互いに意見を交わし合うことで、自然とコミュニケーションも良くなります。もしかしたらそれは、ゴール達成以上に意味のあることかもしれません。

いま「働き方改革」という言葉が一人歩きして、世の中では多くの誤解が生まれているようです。例えば、長時間労働規制や過労死防止そのものが最終目的ではありませんよね。個人個人にとって、より良い働き方を実現し、自分の目標や成果につながる働き方をつくり出すことが、何より大事だと思っています。

担当コンサルタント

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