Case Study

株式会社Yell Pharmacy様

スキルマップの作成・活用で事務スタッフが38%、薬剤師スタッフにおいては33%「できる仕事」項目増加!スタッフの声から生まれた働き方改革のための様々な施策とは。高知県の調剤薬局株式会社Yell Pharmacy

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高知県では県内企業の働き方改革サポート事業として、当社がモデル企業の伴走支援を行う「高知県ワークライフバランス実践支援事業」を実施。令和4年度は3社がモデル企業となりました。 キックオフではそれぞれの企業のありたい姿を決定。働き方について考える「カエル会議」を通じ、ありたい姿に向けて現状とのギャップや課題は何なのかを議論し、自分たちで考えた施策を実行して結果を振り返るPDCAサイクルを回していただきました。

株式会社Yell Pharmacy

2000年創業。四国地域で保険調剤薬局を運営。地域医療や患者のニーズに応えるべく、介護事業も手がけている。


【株式会社Yell Pharmacy】でのお取組み

当社は高知県で現在29店舗、愛媛2店舗、新潟でも1店舗のエール薬局を運営している調剤薬局グループです。グループ会社として介護事業所や配食サービスも手がけており、在宅医療にも力も入れています。今回の取り組みに関しては、「たかす店」という店舗単位で参加しました。チームの目標は以下の通りです。

「業務を洗い出し、スキルマップを作成して、業務をしっかり割り振ることで残業も減らす。スタッフ間での報・連・相をしっかりと行うことで全員が同じ意識を持ち、患者さんにまた来客したいと思える店舗にしていく」

この目標を設定するにあたり、自分たちの仕事の目的・目標は何なのかを再度スタッフに考えてもらいました。付箋を使っていろんな意見を出してもらい、たかす店での仕事の目的・目標を「薬の提供等を通じて、患者に安心・健康を届ける仕事。患者・医療スタッフの信頼・安心を得ることで患者の負担削減や医療費削減に貢献する。」という言葉にまとめ、スタッフと共有しました。

次に、「たかす店の素晴らしい点は?」「たかす店をもっとよくするためには?」を付箋に書き出してもらいました。それを通じて、チームの課題が見えてきたため、それを改善するために上記のチーム目標を掲げたという流れです。

業務の洗い出し、スキルマップの作成

各スタッフが行っている仕事を全部洗い出し、職種別・項目別にリスト化して全スタッフに配付しました。これをもとに各スタッフに「◎=指導もできる」「○=普通に一通りできる」「△=もう少し」「×=自信がない」の区分で自己評価を行っていただき、スキルマップを作成。◎がついているスタッフには、できていないスタッフへの指導をお願いし、△・×のスタッフには◎のスタッフから指導してもらうように話をしています。

中間報告時には×が多く、自己評価が低いスタッフが多いと気づいたので、△や×が多かったスタッフには「この業務については○のレベルでできていますよ」といった声かけを行いました。最終報告に先立って再度自己評価をしてもらいましたが、指導や声かけの効果もあり、事務スタッフにおいて◎と○の数が38%増加。薬剤師スタッフにおいては33%増加しています。

エール薬局様事例1

情報共有、報連相

店舗内にホワイトボードを設置して情報共有を行いました。「今日誰が休んでいるのか」といったスケジュール表も設置し、全員で共有できるようにしています。スケジュール表を確認しにくいという声が出たため、設置場所をタイムカードの近くに変更し、必ず全員が確認できるよう工夫しました。

エール薬局様事例2

整理整頓

なかなか実行に移すことができなかったのですが、事務スタッフが自発的に取り組んでくれたお陰で職場が非常に綺麗になりました。また、業務上、廃棄が必要な書類がたくさん生じるため、物置を追加で設置。保管場所を確保しました。

社内勉強会

毎月開催している社内勉強会で、中間報告内の内容を報告し、スタッフに共有しました。最終報告会についても勉強会で共有する予定です。

カエル会議については、目標の週1開催ができないことも多かったのですが、全スタッフに参加してもらい、情報の共有を行いました。

まとめ

今後の課題には「新人のスキルアップとその教育のための時間確保」「整理整頓」「情報共有・意識統一」などがあります。まずは店舗で解決できるところから今後とも取り組んでいくつもりです。

ワークライフバランスの事業に初めて参加し、正直なところ最初はどうなるかという不安が大きかったのですが、スタッフとコミュニケーションを取る場ができてよかったと感じています。今後とも継続していければと思っています。

担当したコンサルタント 吉川真衣のコメント

初訪問をした際に「調剤薬局の事例を教えてください」とリクエストをいただき、スキルマップの作成をご紹介したところ、「すぐにやります」と実行に移してくださいました。本当に何もない状態からスキルマップのフォーマットを作り、現段階で○の数が30〜40%近く増えているという事実が素晴らしいです。

スキルマップは作って終わりではなく、更新していくことが重要ですので、ぜひ次のスキルアップの更新を予定していただきたいと思います。

中間報告以降は、一緒に働き方改革に取り組まれた他社事例を積極的に取り入れてくださったのが大変印象的でした。多店舗で支店を展開されている企業では横展開が効果的ですが、他社のチームの中には「成果が出ないと発信なんかできません」とおっしゃるケースが非常に多いです。でも、成果が出てから発信したのでは、どうしても遅くなってしまいます。

取り組みの途中で発信すれば、受け手側は経緯も含めてウォッチしてくれますし、興味を持った人が「何やってるの?」「協力するよ」と名乗り出てくれる可能性もあります。ぜひ積極的に発信を行うことで、周りを巻き込みながら自分たちにもプレッシャーを与えつつ取り組みを進めていただければと思います。

カエル会議に関しては日程調整が難しく、「全員が参加できる日なんてない」とおっしゃる方が多いですが、たかす店さんでは参加できない方からも付箋で意見を集める工夫を行うなど、参画感の醸成に努められていました。スタッフの声に耳を傾け、どうすれば実行できるかを常に試行錯誤してくださったからこそ、そういった工夫につながったと思います。すでにみんなの意見を聞く場を大事にされているので、今後も前向きにお取り組みを進めていただけたらと期待しています。

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