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CASE STUDY

豊田鉃工株式会社の導入事例

経営層と現場が本音で語り合う場
~豊田鉃工「共有会」で見えた改革の手応え~

豊田鉃工株式会社

業種
製造
事業規模
1000名以上
成果
経営層の意識変革 男性育休取得率増加 働き方改革の意識向上 社員のコミュニケーション活性化 心理的安全性の向上 若手層の意欲向上 管理職層のマネジメント能力向上

豊田鉃工株式会社では、2018年度から社員の幸福度向上を軸に「働き方・働きがい改革」を推進し、2023年11月には当社代表取締役社長 小室淑恵が「業績とモチベーションが上がる働き方改革~心理的安全性がマネジメントの鍵~」と題して全役員・管理職向けに講演を実施しました。
翌2024年度からは制度整備にとどまらず、現場の意識変革を目的とした「MYカエル³活動」を全社展開。活動名に込めた「仕事の仕方、意識を変える・早く帰る・仕事を振り返る」という三つの“カエル”には、社員一人ひとりが自ら考え行動し、未来を主体的に選び取るという強いメッセージが込められています。

※掲載内容(部署名・役職)は取材・撮影当時のものです。現在の部署名・役職とは異なる場合があります。

豊田鉃工株式会社様スケジュール

2026年1月21日、豊田鉃工にて「共有会」が開催されました。本取り組みの特長は、単なる業務改善にとどまらず、「一人で抱え込まない」「チームで知恵を出す」という姿勢が、各職場に着実に根づき始めている点にあります。各部門の発表からは、現場のリアルな葛藤と、それを乗り越えていくプロセスが生き生きと伝わってきました。

最初に登壇したのは、調達部 部品調達室です。経験1〜4年目の若手中心の11名で構成されたチームで、「相談する時間がない」「仕事の目的がわからない」といった率直な声から活動がスタートしました。「ワークライフバランスを大切に、笑顔あふれる職場」をありたい姿として掲げ、基礎からの立て直しに取り組みました。

象徴的だったのが、勉強会の実施です。プレス知識や図面の見方、伝票処理の現地確認などを通じて業務理解を深め、「不安なまま仕事を進めている状態」から脱却していきました。また、生産準備全体のフロー図を作成することで、自分たちの仕事がどの工程にどうつながっているのかが明確になり、働きがいの向上にもつながりました。

豊田鉃工株式会社様インタビュー▲調達部 部品調達室

さらに、仕入れ先からの問い合わせ対応では、生産管理部や工場と連携し、内容ごとに問い合わせ先を整理。役割分担を明確にすることで問い合わせ件数の削減と工数低減を実現しました。

コミュニケーション面でも大きな変化がありました。週2回、あえて目的を設けない「相談・共有の場」を設定したことで、メンバー同士が気軽に相談できる環境が生まれました。他のモデルチームからの「会議はいつ設定していますか」との質問に対し、「火曜と木曜の午前中に定例で実施しています」と回答されており、仕組みとして定着させている点が印象的でした。

こうした取り組みの結果、『ありたい姿』への達成度は25%から90%へと大きく向上しました。他チームの部長から活動に対して質問・好評をいただき、伊藤部長の問いに対し、「困りごとを話す場と勉強会によって気持ちが楽になり、一人でも効率的に仕事を進められるようになったことが大きい」と語られた言葉が、この活動の本質を表しています。

豊田鉃工株式会社様インタビュー▲技術開発統括部 伊藤部長

豊田鉃工株式会社様インタビュー▲調達部 浅井上級幹部

浅井上級幹部も「若い人たちが多かった中で、「とにかく1人で悩まない。全員で悩んで新しい知恵を出そう」という基本に一生懸命取り組んでいただきました。毎朝自然な形でミーティングが行われている光景を見ると嬉しく感じます。これが職場で根付く土壌をつくることが我々の職責ですので、ぜひ継続していただきたいと思います」と評価され、日常の中で自然に行われている様子に変化を実感しているご様子でした。

続いて発表されたのは、技術開発統括部 技術管理室です。16名の組織を開発環境支援グループと知財グループに分け、それぞれでカエル会議を実施しました。

開発環境支援チームでは、Teamsの活用によるコミュニケーション改善が進みました。チャットへのリアクション機能を活用することで「既読無視の不安がなくなった」という声が上がり、安心感の醸成につながりました。また、Teams Plannerによるタスクの可視化や、「賞賛」機能を使った感謝の見える化により、チームの一体感とモチベーションが高まりました。

豊田鉃工株式会社様インタビュー▲技術開発統括部 技術管理室

一方、知財チームでは、対面での情報共有やスローガンの明文化などを通じて、組織の方向性を揃える取り組みが行われました。特に印象的だったのは「やめられる業務を探す」という視点です。横山部長からの質問に対し、「やめることには勇気が必要で簡単ではなかったが、リスクを話し合いながら決めていった」との回答があり、改善の難しさと真摯な姿勢がうかがえました。その結果、月10時間の工数削減を実現しています。

豊田鉃工株式会社様インタビュー▲品質管理部 横山部長

須田取締役は「知財と環境支援にチームが分かれ、非常に難しい中で進めていただきました。Teamsをうまく使うなど、これからの働き方を先行して見せてくれました。また、帳票をシンプルにまとめるなど、カエル会議の成果が出ていると実感しました。皆さんが明るい雰囲気になったことは心強く思っています。これからもさまざまな部署に影響を与えるような新しい仕事の仕方を進めてほしいと思います」 と述べ、上村常務からも「両チームの皆さんが行っている業務を全社的に理解してもらえる良いアピールの場になったと思います。特に知財チームは、5つのスローガンによってやるべきことや目指すべき方向性が明確になりました。

個人任せだった業務内容が共有され、お互いに助け合いができる環境が整ったことは大変嬉しく思います。今後もチームとして良い関係を出せるよう取り組んでください。様々な意見を遠慮なく出し合い、改善を進めて仕事のやり方を変え、早く帰ることが当たり前になる形を目指してください。そしてさらに良いチームとなり、豊田鉃工を支えてくださることを期待しています」とエールを送りました。

豊田鉃工株式会社様インタビュー▲須田取締役

三つ目の発表は、額田工場 総括課です。現場に近い立場ならではの課題に対し、具体的かつ実践的な改善が多数報告されました。

豊田鉃工株式会社様インタビュー▲額田工場 総括課

例えば、トラブル対応の連絡フローを整理することで月90分、在庫管理方法の見直しで月120分の工数削減を実現。また、Excelマクロの活用による業務効率化や、Teams Plannerによるタスク共有によって、残業削減と業務の見える化を進めました。

豊田鉃工株式会社様インタビュー▲額田工場 澤田工場長

加えて、「Bravo!キュンですカード」による感謝の見える化や、レクリエーションの実施など、職場の雰囲気づくりにも力を入れています。このカードについては澤田工場長も「新しいものを作って色々とチャレンジした」「私もキュンですカードがもらえるよう現場のためにがんばります」と評価されていました。

山本取締役は「7か月で大きく雰囲気が変わったと感じています。特に普段の業務を当たり前と思わずに改善し、感謝の言葉を伝え合って風通しの良い職場をつくったところは非常に大きかったと思います。これからも言い合える・助け合える環境を維持しながら、継続して取り組んでいただきたい」と述べました。伊藤常務も「意見が活発に出るようになり、意識が変わってきたことを皆さんが自ら実感されていると思います。総括課は工場の生産に異常が発生すると真っ先に対応が求められる部署であり、計画通りにいきにくい職場ですが、皆さんが諦めずに困り事をしっかり吸い上げ、現場との意見共有を行い、チームでお互いを支え合いながら活動していただきました。今後も活動を続け、風通し良く、楽しくお互いを褒め合える職場にしていきましょう」と、諦めずに困り事を吸い上げ、チームで支え合ったことを高く評価されました。

豊田鉃工株式会社様インタビュー▲山本取締役

最後に登壇したのは、品質管理部 SSA推進室です。工程変更という複雑で量の多い業務に対し、着実な改善を積み重ねてきました。

豊田鉃工株式会社様インタビュー▲品質管理部 SSA推進室

工程変更連絡書のリンク化や電子化、フォーマット統一などにより、作業時間の短縮とミス防止を実現。また、週次の定例会議を食堂で実施するなど、環境面の工夫も印象的でした。メンバーからは「若手の思いを知ることができた」「小さな改善が大きな成果につながると感じた」といった声が上がり、対話の価値が共有されています。八木取締役 は「しっかりコミュニケーションを取り、意見を出すことができたと聞き、本当に良かったと思います。これからもコミュニケーションをとり、グループ内でいろんな意見を出し合って改善してもらえたらと思います。そして品質本部内で各グループがアクションを取れるように、皆さんの取り組みを伝えていただければと思います。」と述べられました。

豊田鉃工株式会社様インタビュー▲八木取締役

最後に坂元社長が締めくくりました。「私たちは「働きがい向上活動」に取り組んでいますが、主役は人事部や私ではなく、あくまでも皆さんです。皆さんには「主役は自分である」と思いながら活動を続けてほしいですし、それをしっかり聞いて受け止めるのが私の役目です。仕事は毎日がカエル会議だと思っていますので、今後も頑張っていただきたい。」この言葉には、現場主体の改革への強い意思が表れています。

豊田鉃工株式会社様インタビュー▲代表取締役社長 坂元康彦社長

このたびの共有会を通じて見えてきたのは、制度や仕組み以上に、「対話」と「共創」が働き方改革の原動力であるという事実です。日々の業務の中で課題を共有し、小さな改善を積み重ねていく。そのプロセスこそが、働きがいと成果の両立を実現する鍵であるといえるでしょう。

担当コンサルタント

田村優実
松久晃士
村上健太
和田正人

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