大阪府四條畷市役所 子ども政策課様
業務量が多くても属人化の解消に成功!
市役所で働き方改革に取り組んだ担当者様インタビュー
大阪府四條畷市役所で働き方改革に取り組まれた子ども政策課の溝口課長に、弊社コンサルタント・松尾羽衣子がお話を伺いました。
困難な課だからこそモデル課になってヒーローに!
松尾:溝口さんは、最初から前向きに取組みをやってみたいとおっしゃっていました。どういう思いがありましたか?
溝口課長:実は当初、子ども政策課は業務量が多いし、複雑だし、新しい取組みをする余力がないということで、お断りさせてもらっていたんです。そんな中、副市長から直接お話がありまして、「困難だと思われる課だからこそ、ぜひモデル課になってヒーローになってほしい」と期待を伝えてもらいました。
松尾:副市長にそう言われ、その期待に応えようと?
溝口課長:私自身、ずっと興味はあったんです。現状の業務量の多さに対して、「なんとかせなあかん」と思っていたので、ダメ元でこの取組みにすがってみよう、と。だから、やるからには全力でとことんやりたいと思いました。
取組みに消極的だったメンバーを前向きにするために
松尾:モデル課になったと聞いたとき、メンバーの方の反応はどうでした?
溝口課長:最初は「仕事が増えてしまうの?」という感じでした。キックオフで、「朝夜メール」と「カエル会議」に取り組むと聞いたときも、「いろいろやらされて、成果が出なかったら、最後は自分らの責任になってしまうのかな」という反応だったので、前向きにするのが大変でした。
松尾:どういうお声掛けをされましたか?
溝口課長:とりあえず課でできることをやってみよう、と。自分たちの課は業務量も多く、大変だと周りからも言われていますが、ただ「大変だ」と言うだけでは説得力がない。だから、努力してできることはやり、その上で課題を洗い出してから周りにも伝えていこうと話しました。
松尾:取り組み始めたときは、私たちが定例会でお伺いしていても、「自分たちにはできなさそうだ」という雰囲気があると感じました。ただ、月に1回お会いするたびに皆さんが変わっていて、「これをやってみた」「これもできそう」「これもやってみよう」といったことが出てきていました。
改革を順調に進めるための「三つの取り決め」
溝口課長:無理なことや負担になることはしない、自分のためにやる、そのうえでチームのためにできることがあればやってみる、という三つの取り決めをしたのが大きかったんです。
その取り決めを外れ、無理や負担を感じてしまうと、働き方改革の取組みじゃなくて、仕事になってしまう。「働き方改革で仕事増やしてどうするねん」と。
今までは何かやろうとしても、やらされ感が非常に大きかったんですね。でも、カエル会議の中でいろいろ意見を出し合って、意見が取り入れられて実現して、それが負担軽減につながって自分に返ってくる。その成功体験を繰り返すことで、メンバーがどんどん前向きになっていきました。
あとは、三つの取り決めのもと、取り組み始めたことでも、やりにくければやり方を変えたり、やめるという決断をしたことが非常に大きかったと思います。課のみんなも「やめていいんや」と意識が変わりました。
松尾:増やすだけじゃなくて、やめていいというのは勇気のある判断をされましたね。
「しんどい」という意見を機に自分たちにより合う形を検討
松尾:朝夜メールのやりかたを変えた決断はどのようにされたのですか?
溝口課長:カエル会議の中で「しんどい」という意見が出ました。ただ、朝夜メールの振り返りをしてみると、いいところがあったんです。「他の人の仕事の内容、忙しさがわかる」「自分と関わりのある人の朝夜メールは参考にできる」「時間の感覚が身につき、時間を効率的に使えるようになった」など。
だから、自分たちにより合う形でその良さを活かそうと考えました。例えば、朝礼で自分の今日の仕事、昨日の報告を言い合うとか、「忙しさ管理表」を作って他の人の忙しさを把握するという取組みにつながりました。
松尾:管理表は色分けをして星を付けるなど、使い方が非常にお上手だと思いました。
溝口課長:一個一個、カエル会議で検証して発展させていったのです。例えば「忙しさは自分からはアピールしにくい」という声が出て、それについて話し合いました。最終的には、忙しさの基準を決めるのもいいけれど、人によって感覚は違うから、自分の感覚で決めていいんじゃないか、と。
お互いにコミュニケーションが取りやすくなっていたので、そんな意見も出し合えました。このように定期的に検証していくことは意識していますね。