Case Study

パナソニックヘルスケア株式会社様

効率的な働き方への見直しを通じて、従業員満足度の向上を目指す

パナソニックヘルスケア株式会社様 第二期最終報告会ダイジェスト
リーダー&事務局インタビュー
取組前の課題 BEFORE

業務量が増加し業務効率化が急務の状況にある中、従業員満足度の更なる向上を目指した。

取組後の変化 AFTER

ワークとライフ両面から従業員満足度が向上。コミュニケーションの活性化などさまざまな波及効果を実感。

ワーク・ライフバランスプロジェクト フェーズ2 最終報告会





2016年3月17日開催。東京・新橋の本会場を中心に、松山、脇町(徳島)、群馬、大阪の拠点をつないで、8チームによる取り組み発表が行われた。バラエティ豊かな取り組みが紹介されるとともに、会の最後には最優秀チームが表彰されるなど、熱気ある充実した報告会となった。

■成果報告ダイジェスト!
取り組み発表に先立ち、事務局から最終報告会の主旨説明、プロジェクトの振り返りが行われた。このプロジェクトでは、「参画したチームの『従業員満足度』(ES)の向上を目指す」ことを目的として、参加チームごとに目標を設定し、ワーク・ライフバランス活動を展開。最終報告会は、キックオフから6か月にわたる取り組みを振り返り、活動で得た成果、気づき、変化などの発表を共有しつつ、次なる全社展開へとつなげるための場となることが確認された。

各チームのチーム目標達成度はキックオフ時21%→中間報告会時39%→最終報告会時75%へ推移。

  • 開発系の部署では必要実験数90%削減!
  • 品質保証系の部署では業務の平準化、多能工化により年休取得数が15.2日から17.3日に!
  • 総務系の部署ではペーパーレス化に取り組み、紙の使用量及び課員にかかっていた工数を50%削減!
  • 技術系の部署ではプロセスの徹底的な分析と見直しにより突発業務を60%削減!全員の体力向上も!
  • その他、複数の部署で行われた取り組みとしては共有フォルダの整理や資料作成用の統一テンプレートの作成による無駄の削減、会議時間設定の変更による移動時間の効率化、集中タイムによる効率アップやマニュアルの作成によるスキルの共有、有給休暇取得促進の取組や懇親会イベント等が行われ、今まで以上に働きやすく、助け合えるようになったとの実感あふれる発表が続いた。

■ワーク・ライフバランス社村上より総括
全チームの取り組み発表を受け、コンサルタントによる総括が行われた。成果のポイントとして整理されたのは、次の3点。
①今までの延長戦上にない仕事をやったこと
②他部門の巻き込み
③楽しみながら発表していたこと。
体力向上、チーム曲の作曲など類を見ないユニークな取り組みにもふれ、前向きな取り組みの広がりを高評価。他社事例も紹介しつつ、今後の課題解決と全社展開に向けて熱い期待を寄せながら、エールをおくった。

■MVP、MVTの発表
MVP(Most Valuable Person)、MVT(Most Valuable Team)が発表された。事前に選定された各チーム1名のMVPには、栄誉をたたえプロジェクトのオリジナルロゴ入りのクオカードを贈呈。そしてMVTにはギフトカードの贈呈が行われ、会場からは温かい拍手がおくられた。

■社長総括
最後に社長による総括が行われ、発表を行った8チームを慰労。ヨーロッパにおける働き方と日本の労働生産性の現状についてふれつつ、メリハリのついた生産的・創造的な仕事の重要性を訴えた。また、今後の全社展開を見据え、ワークとライフを統合する活動となるよう、各チームによる今後の継続に期待を寄せた。


チームリーダーインタビュー

本社 経営企画部 企画課 課長 木村様

WLB活動の重要性は認識しているものの、当初はどう展開すべきか手探りでした。良いきっかけとなったのは“カエル会議”で、これを週1回のランチミーティングという形にして自然体でのコミュニケーションの場にしたことで、チームの課題やメンバーの思い、アイデアが活発にやりとりされるようになり、活動が明確になっていきました。やりとりを通じて自発的な横の連携が活発になったことも大きな成果だと思っています。仕事への取組み方についても、急に効率化が進むことにはなりませんが、「メリハリをつけて仕事をする」ということはマインドチェンジ次第で短期的にも効果が出ると感じました。“定時退社人制度”という取組みもその一環で、仕事を定時できりあげる日を決めてライフの時間を充実させることは業務のやる気にも繋がりました。楽しみながら取り組むこと、そうすれば成果もついてくると思います。


メディコム事業部 技術部技術課 課長 中里様

ワークライフバランスに対しての取組み方や考え方は、チームメンバーの中でもそれぞれでした。やらされ感が強くマイナスな力が働いてしまうと、チーム全体の士気も下がってしまいますので、メンバーと一緒に楽しい活動になるように考えながら取り組んでいきました。今まで業務が属人化しており、特定のメンバーへの負荷が偏っていましたが、業務停滞のリスク回避と負荷分散を目的に、業務の見える化と共有化を図りました。メンバー各自の業務が見えるようになることで、他のメンバーから新しい考え方や気づきを得ることができるようになりました。また他のメンバーにも意識が行くことで、お互いに助け合いの意識も出来たように感じます。ワークライフバランスの取組みでは、高い目標を掲げてしまいがちですが、最初はクリアするハードルを下げてスタートするのも継続するコツだと思います。


生産革新統括部 生産プロセス技術部 忽那様

WLB取組を開始した頃は、忙しい時期だったこともあり、ワークとライフを両立するという目標に難しさを感じていました。そんな中でも、チームで話し合いを行い「とりあえずやってみよう。」を合言葉に取組を進めました。業務の属人化や、メンバー間のコミニュケーション不足という課題が明らかになり、課題を解決するため、さまざまなアクションに取り組んでいきました。とても効果的だったのが、プチ休暇というアクションでした。まとまった休みをとり、普段できない旅行や趣味などライフの充実だけでなく、担当業務をメンバー間で引継ぐきっかけもでき、それによる業務リスクの回避と互いに補完しあえる体制作りが実現出来ました。WLB取組の発信があったことで、働き方に対するマインドチェンジと仕組み作りが実現し、以前より充実した仕事と生活を送れるようになったと感じています。


診断薬事業部 脇町製造技術1課 製造技術第1係 係長 前野様

活動前の意見では、自己のライフは充実しており、オン・オフの切り替えも出来ているとういうメンバもいて活動のすすめ方も危惧しました。職種的に突発業務が多く、また個人業務量に偏りがあることは全員が認識しておりそれが、チームの課題であることも感じていました。今回の活動でこの課題に対し取り組みが出来たことが一番良かったと感じています。それは、活動すればお互いの働き方が確実に良くなるという共通課題が見えてきたからです。 高い目標や目的ではなく、自分たち自身が良くなる為の共通課題を見つけることが大切だと感じます。しかし、お互いの為とは言っても中々直ぐには難しいものです。そこで、コミュニケーション作りが大きなポイントになりますが、コミュニケーション作りの施策も相談し意見を交わしながら、全員で決定することで継続に繋がり、また、メンバー同士の新しい個性を発見することもでき、良い関係が徐々に築けたと思います。体力づくりで始めたソフトバレーボールも、コミュニケーションとライフの向上に成果を上げています。みんながワクワクする為にはどうすれば良いか、そこからまずはやってみませんか?


本社 総務部 総務課 課長 田井様

業務的に多忙な時期で、時間のマネジメントには苦労しましたが、いろいろな面で自分自身を振り返る機会になりました。チームメンバーそれぞれの考え方や、価値観に触れることができ、WLBの活動がチーム内のコミュニケーションの活性化につながったと思います。業務改善について全員参加での取り組みを進めることができました。一時の取り組みに終わらせることなく、継続していくことが重要であると思います。

パナソニックヘルスケア様ではフェーズ1の取組みチームのメンバーによるデザインのポスターが社内に掲示され、フェーズ2の取組みを後押ししました。


事務局インタビュー

パナソニックヘルスケア株式会社にてワーク・ライフバランス活動に取り組む歴代の事務局の5人にお話を伺いました。

  • 戦略プロジェクトマネジメント部 次長 岡崎忠史様 (フェーズ1、2事務局)
  • IT推進部 グローバルIT企画・ガバナンス課 主任 濱田恭子様 (フェーズ1、2事務局)
  • 人事部 ダイバーシティ推進課 鈴木暁美様 (フェーズ1~事務局)
  • 人事部 部長 塩田徹様 (フェーズ2~事務局)
  • 人事部 ダイバーシティ推進課 久保寺恵理様 (フェーズ2~事務局)

──ワーク・ライフバランス活動に取り組んだきっかけ、弊社を選んでいただいた理由を教えてください。


岡崎様:まず、弊社の業務量が増えており、何らかの改善が必要になっていたという背景がありました。当時、ワーク・ライフバランスの重要性がクローズアップされつつあったこともあり、「業務効率を高めるために、一度チャレンジしてみようか」と考えたのが取り組みのきっかけです。御社のコンサルタントにお越しいただいたのですが、若い方がお二人でしたので、正直「大丈夫かな?」と。でも、「自分たちも長時間労働をしていたけど、今は残業ゼロを実現している」というお話をお聞きしたとき、「残業ゼロを実践して、日本の働き方を変えようとしている若い人の力が必要なんだな」と感じました。残業ゼロを実践している方のコンサルティングには、やはり説得力がありましたね。

濱田様:業務効率化を進める必要性は感じていたのですが、私自身、残業が苦ではないタイプだったので、ワーク・ライフバランスには、それほど腹落ちしていたわけではなかったんです。それが変わるきっかけとなったのが、弊社で行った小室社長のセミナーでした。データをもとに「OECD加盟国の中で、日本の生産性が一番低い」と説明していただいたことで、私を含めた参加者に強く響いたと思います。「トータルでどれだけの“距離”を走ったかではなくて“時速”だ」というお話には、「本当にその通りだ」と。自分の問題として考えてもらうという意味では、小室社長のセミナーを最初に行ったのが有効だったかもしれません。


パナソニックヘルスケア様取組みスケジュールイメージ

ここからは左側で事務局インタビュー、右側では最終報告会の発表資料(貴重な初公開!)の抜粋版をご紹介致します。









──フェーズ2最終報告会をご覧になっての感想をお聞かせください。(※インタビューは第二期最終報告会の直後に実施しています。)

岡崎様:ワーク・ライフバランスが会社の考え方や文化になりつつある、という手応えがありました。ワークだけでなく、ライフも充実させていこうという意識も出てきましたね。

鈴木様:中間報告時よりもレベルアップして、いろいろ工夫を凝らした最終報告会らしい内容だったと思います。プレゼンテーションの練習の成果が出ていたのが良かったですね。

塩田様:私は途中からこのプロジェクトに参画した為「この会社にワーク・ワイフバランスが必要なのか」という気持ちをずっと抱えてきました。ワーク・ライフバランスの諸活動に多くの時間を使っているように見えたので、これは本末転倒ではないか、と。ただ、今は、最終報告会を聞いて、自分がネガティブに思い込みすぎていたのかなと思いました。「ワーク・ライフバランスプロジェクトをやってよかった」という思いが、発表してくださった皆さん全員から強く伝わってきました。そうでなければ、あれほどまで熱心に資料を作ったり、発表したりしないでしょうから。やらされ感でやっている人より、前向きに取り組んでいる人のほうが多いように感じられたので、取り組みをやって、本当によかったなと思いましたね。

──ここまでの取り組みを振り返って、大変だったところはどんなところでしょうか。

岡崎様:このプロジェクトのゴール設定が難しかったですね。BPRの観点からは業務効率につながり、早く仕事を終えることでライフの充実につなげて頂くということで、従業員満足度の向上も意識しました。しかし、ここのつながりが間接的であり、ただ業務効率が上がればいいということになると、従業員にとってはBPRが進めてきた間接費削減のイメージの延長で「またコスト削減の話か」となってしまう。そこで従業員満足度の向上を思い切ってゴールに設定したのですが、“満足度”というのは漠然としていてゴールが見えにくいという問題がありました。ここは皆さんのアンケート結果を定点観測することで何とかKPI化を行い、一定の成果を補足することが出来ました。結果として「本当にやって良かった」という声が出てきたのは良かったですね。

久保寺様:最初は、どうしてもチームのメンバーにやらされ感がありました。その中で、事務局としてチームの中に入り込み、人間関係を構築するところが、一番ハードルが高かったですね。やはり、何回も現場に足を運んでリーダーと連携する、メンバーに朝メールでコメントするなど、自分から働きかけていくことが大切だと感じました。

鈴木様:今までにない取り組みでしたし、私も途中からのプロジェクト参画でしたので手探り状態でしたが、活動はチーム単位で行いますのでチームワークが絶対条件の為、まずは取り組みにマイナスイメージを持つ方に対しては、直接考えを聞いてみたり、周りからのフォロー体制を整えることが重要でした。一方で、どのチームも時間を追うごとに着実にリーダーを中心にまとまり、チームカラーが出てきて、様々なアイデアを出し合い積極的に取り組んで頂けるようになったことには私自身感動を覚え、当社社員皆さんの人の良さと質の高さを再認識する機会にもなりました。

──取り組みがうまくいったポイントをお聞かせください。

岡崎様:やっぱりコミュニケーションですね。コミュニケーションが活性化すれば、楽しくなるし、仕事もしやすくなる。それで職場の居心地がよくなったというのも大きいと思います。事務局としては、やはり現場の人たちの関係性、個性、悩み、仕事の仕方や課題を理解していくことが一番大切だと感じました。人事よりも業務の内容だとか人間関係だとか、そこにある課題だとか、全部掴んでいるわけですよね。ここまでそれぞれのチームについて深く理解できるような活動はなかったな、と。深く現場に入り込んだからこそ、参加者の背中を押すことが出来たり、皆さんも真面目に取り組んでくれたりしたのではないでしょうか。

濱田様:自分たちでゴールを設定するという御社の手法が非常に効果的だったと思います。皆でまずゴールを設定しよう、皆が納得するゴールを付せん紙に書こう、と。「自分で書く」ということは、コミットするということですよね。それによって、自らの問題として受け止めてもらえたのかなと思います。

──ホームページや冊子を通じて、ワーク・ライフバランスの情報を全社に発信していただきましたね。特に、社員の方々にワーク・ライフバランスに関する原稿をお願いしてホームページに掲載されて来られたのがユニークだと思いますが。

鈴木様:国内外11か所の拠点から原稿を書いてくださる方を順番に選定して頂き、ほぼ毎週原稿入手、翻訳、ホームページ掲載を繰り返しました。「同じ会社だけど顔が見えない人が多い」「こういう発信をしたかったけど機会がなかった」という声もあり、国内外のみなさんの、それぞれに充実した楽しいワーク・ライフ情報を発信できる場になったことに感謝しています。

──今後の抱負とこれからチャレンジする人へのメッセージをお願いします。

岡崎様:やはり継続が大事だと思います。弊社では従業員の皆さんに活動が周知されてきたと思うので、全社展開しながら継続していきたいですね。今までは難しい部門と進めやすい部門を半々くらいの割合で進めてきましたが、今後はWLBを取りにくい難しい部門にフォーカスしていくと良いと思います。他方、これからWLB活動を検討されている会社に関してコメントするとすれば、経営陣や現場で反対する声が強い組織ほど、ワーク・ライフバランスに取り組んだほうが、成果が出やすいポテンシャルのある会社なのではないかと思います。

塩田様:弊社の取り組みは、まだ「点火」したばかりの状態だと思いますが、これをいかに消さずに広げていくかが私たちの課題だと考えています。ここで梯子を外したら、これまで頑張ってきたチームメンバーに対しても失礼だと思うので、火が消えないように見守りつつ、力をかけるべきところは、事務局として積極的にサポートしていきたいと思います。これから取り組みを考えている企業の方には、「まずやってみましょう」と言いたいですね。やってみれば面白さがわかります。やるかやらないかで迷っているのなら、まずは、やってみたほうがいいと思います。

久保寺様:今後は、これまでのフェーズ1、フェーズ2での取り組みをもう少し横展開をしたいなという思いがあります。やって良かった取り組みや学びは、どんどん共有して広げていきたいですね。とにかく、迷っているならやった方がいいと思います。やってみて、効果を感じて、次につなげてほしいですね。



──最後に皆様から一言ずつお願い致します。

岡崎様:現場から「変わったよ」「ありがとう」という声をいただいたのが嬉しかったですね。実際に有給を取りやすい雰囲気にもなっているはずですし、組織の中でライフの話が当たり前にできるようになりました。

塩田様:組織開発や風土改革の手法は世の中にたくさんあると思うのですが、「組織を変えよう」という目的があからさまな取り組みよりも、ワーク・ライフバランスという切り口から入ったほうが、自然に会社の雰囲気が変わっていくので、組織開発の手法としては、意外に機能するような気がしました。

濱田様:WLB社のメンバーの皆さんから「自分の会社や仕事が大好き!」というポジティブオーラがひしひしと伝わってきたのが印象的で、会社という組織はそうあるべきだと改めて気付かされました。

鈴木様:「先が見えているから、今さらチャレンジしたくない」と半分あきらめ気味だったり、「これやって何になる の」と言われてた方が、「自分にも伝えられることがある」「やれば変わる」という意識に変わり、どんどんコミュニケーションを取り、チームを活性化させていったのが嬉しい出来事でした。

久保寺様久保寺様:初めは「ワーク・ライフバランスとは何か」があまり理解されていなかったと思うのですが、中間報告会でチームの課題が整理されて以降、取り組みが如実に加速してきたように思います。

──ありがとうございました。
(聴き手/株式会社ワーク・ライフバランス 大畑、村上、新井)

担当コンサルタント

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