Case Study

日本郵便株式会社様

社員の生産性・満足度向上を目指して働き方改革を推進。
事務局によるモデル局リーダーインタビューで見えてくることとは?(2ページ目)

やらないと決めてきっぱり帰る

谷合 超勤削減の取組では、どのような意識の変化がありましたか。

大川戸 これまでも、仕事を残して帰ろうと思えば帰れたのですけれども、やはりどうしてもやり残した感があるのと、翌日やその翌日に残ったままの状態のものを見るのが、いやになります。「やらなきゃ」というのが心の中に残っている状態で毎日帰るというのも、つらいものです。
しかし超勤時間が数字で示されていると、「今日はもうやらない」「今日は残って片付ける」と決めることができ、メリハリができますね。だらだらやってしまうとダメです。 

お金をかけずにきれいに

谷合 他に、どのような取組をされましたか。

小野沢 ご覧のように、局舎が古いのです。そこで、社員さんと話をして、お金をかけなくても少しずつきれいにしていこうと決めました。
まずは、窓口でお客さまが文字を書かれる時のマット、机の上に敷くマットですね。これは少しお金をかけて新しいきれいなものに替えました。
また、お客さまロビーで、いろいろなものを貼ったあとに糊がついて汚くなっている部分は、専用の洗剤できれいにして、ある程度のところまでは美しくなったと思います。

大川戸 局舎の美化では、まずお客さまルームからとりかかりました。
お客さまルームの次は社員のバックヤードです。ATMコーナーの奥に小部屋がありましたが、書類置き場のようになっており、書類も、古いものがずっと入っていたりしましたので、この際全部片づけました。

小野沢 そうですね。捨てたり処分したりしたものは結構あります。

大川戸 ちょっと置いておこうととりあえず置いておいたものが、長い間にずっと奥に追いやられて「ああ、こんなのがここにあった」というのが結構あったのです。

谷合 整理整頓をして、事務効率はよくなりましたか。

小野沢 全然違うな、と思います。足の踏み場もなかった小部屋を片づけ、今ではお客さまをお通しできるスペースができました。
窓口が混んでいる時は、お客さまをこのスペースにご案内できますので、窓口が一つ空きます。

谷合 ローカウンターを自分たちで作り出したようなものですね。

小野沢 当局ではATMコーナーの奥にスペースがたまたまあったので、きれいに片づければそのスペースが有効に活用できるのではないかと、社員さんとカエル会議で議論したのです。

大川戸 部会の保険の会議の時にも、「せっかく場所があるんだから、あそこを使ったらどうなの」と他局の人にも言われてみんなで片付けて、お客さま相談に使えるようにしたのです。
ここで商品などを紹介できたりすると、確かに営業はしやすくなりますね。

小野沢 つい先日、投資信託に関心があるお客さまをゆうちょ銀行川崎店に紹介しました。当局でじっくり話を聞きたいということでしたので、そのきれいにしたスペースにお客さまをご案内し、ゆうちょ銀行の社員に投資信託の説明をしてもらいました。その結果、後日、投資信託をご契約いただけました。

上から決めるより皆で話し合うこと

谷合 仕事の仕方の見直し取り組んでみて、何かお気づきの点や、うちでもやってみたいという局へのアドバイスはありますか。

大川戸 皆さん仕事をしながら「こうしたいな」「ああしたいな」と思っているはずです。
けれども、思ってはいてもできずに日々過ごしていることが多いので、このような会議の場があると、「みんな、こう思ってるんだ」というのが分かり合えるし、それをみんなで改善すれば良くなるというのが分かるのですね。
問題点なども、思っているだけではなく言葉にして残せますので、かなり違う のかなと思います。
やはり、上からこうするように、と言われるよりも、みんなで話して決めた方がやる気になります。
ゆうメイトさんも、一緒に働いているんですから会議にできるだけ参加していただいた方がいいと思います。
主婦のベテランだといろいろな意見が聞けるのです。「ここはこうしてもらった方が、お客さんはいいんじゃないの」などということが結構あります。やはり、お客さまから見てということはゆうメイトさんは強いのです。だから、そのような意見を聞くのもいいのかなと思います。

改革では社員への丁寧な説明が必要

谷合 小野沢局長に伺いたいのですが、これまでの取組を振り返ってみて、苦労した点と良かった点はどのようなところですか。

小野沢 やはり最初は、社員さんが「えーっ、何でうちの局が」と思う。そこを局長として丁寧に説明していかなければいけない。これが最初に悩んだところですが、今思えば最も重要な部分ではなかったかと思います。

大川戸 日中の忙しい時間帯に、カエル会議で誰かが抜けてしまうことがあると、どうしても負担が発生するのです。窓口終了後に開催しようにも、仕事を十五分ぐらい早く終わらせなければならず、正直、負担だなとは常に思っているのです。
しかし、この取組をやらなかったら、超過勤務時間の削減も職場の整理整頓も、おそらくなかなか進まなかったのだろうなとも思います。

カエル会議では全員が発言した

小野沢 それぞれの社員さんが考えている問題点の整理方法をコンサルタントの方から教えていただいて、それをやったのが一番良かったと思います。
その方法とは、問題点について各々の意見を付箋に書き、似た意見の付箋をまとめて模造紙に貼っていく方法です。似たものが多ければ、「普段は言わないけど、みんな同じようなことが課題だと思っているのだな」と一目でわかります。
そうすると、カエル会議では、「この課題を優先していこう」と絞り込むことができ、意識統一ができました。これが非常に良かったと思います。
意識を統一するという意味で、やはり会議はすごく有意義です。社員さんの言っていることを上司がきちんと聞くという状態を作った上でスタートを切ることが、一番大切なのではないかと思います。

大川戸 普段だと会議などでも発言しない人が、このカエル会議では発言しました。
カエル会議をするのは、はっきり言ってみんな「面倒くさいな」と思っているのです(笑)。でも、「やらなきゃな」と思う気持ちもあったのです。
よかったことは、局長に(部会等の会議時間を除いた)超勤時間の状況を示していただいたことです。取組開始後、超勤は随分と減っていました。
このように取組の成果が目に見えていると、やはり「やって良かったんだ」と思えるようになってきました。

谷合 始めは、局長さんも社員さんもそれぞれ苦労されましたが、取組の成果が見えてくると良い循環になっているのですね。ありがとうございました。

出典:「通信文化2018年2月号」

12345
担当コンサルタント

事例紹介一覧へ戻る