Case Study

株式会社シップス様

残業を25%減らし、売上は5億円UP!
考える力とやる気を引き出す店長研修&コミュニケーション術(2ページ目)

“飲みニケーション”より効果的で、喜ばれるコミュニケーション術とは?

カエル会議の付箋からは、「コミュニケーションの問題」も判明しました。スタッフ同士のやりとりの中に、店長からの「指示」や「指摘」が非常に多かったのです。

「店長がスタッフに指示や指摘を行うことの何が悪いのか?」と思われるかもしれませんが、実は大きな問題です。というのも、一方的に「○○をして」という指示を出すと、スタッフの思考力は奪われます。また「お客様に対して、今の○○という伝え方はダメだよ。もっと△△と言わないと」と指摘するのも、部下の思考機会を奪うだけでなく、モチベーションまで下げてしまいます。

スタッフの能力・モチベーションを引き出したいのであれば、「今のお客様は、○○と言われた時に少し眉間にしわが寄っていたね」など、客観的な事実のみを伝えます。そこから、スタッフ本人が「お客様がそういう表情をされていたのはなぜだろう。どうすればよかったのだろう」と考えるきっかけになります。本人が「こうすればよかったですか?」と考えてきた結果に対して、「なるほど、その言い方ならお客様も○○と感じるから、とてもいいね」などと承認することで、「自分が考えたことが認められて褒められた」と、さらに自分で考える意欲が生まれます。「今のやり方はダメ。正解はコレ」とぴしゃりと指摘されると思考が停止し、自ら考える力が育ちにくくなってしまうのです。

実は今回の取り組みを実施するまで、ほとんどの店長が「スタッフとはよく飲みに行くし、コミュニケーションは十分に取れている」と認識していました。しかし、カエル会議で「モチベーションが上がらない」「アルバイトスタッフへの仕事の任せ方が分からない」など、コミュニケーションの方法に起因する課題が多く挙がったことで、これまでの方法に問題があったことも初めて見えてきました。

一方、レディースをメインに扱うルミネ新宿の店舗では、業務後の“飲みニケーション”ではなく、女性店長が朝の開店前に「おにぎり作ってきたよ!」とみんなで食べながら、その日の戦略を話し合っていました。洋服の売れ筋はその日の気温や天候に大きく左右されるため、「その日の戦略」は、当日の朝にしか立てることはできません。コミュニケーションを取るなら、朝の時間帯が成果に直結するベストタイミングなのです。

これに衝撃を受け、「飲み会=コミュニケーションではなかったのか・・・」とつぶやく男性店長の姿が印象的でした。

キッズ向け商品をメインに扱う店舗では、店長がアルバイトも含めた個別面談を実施して、やってみたい業務をヒアリングしてみました。すると、「以前より何に対しても興味を持つようになった」「社員にしかできないことはないと分かった」と、アルバイト社員のモチベーションが上がり、視野が広がりました。

掃除は営業時間外に行うという“当たり前のルール”を変え、パラダイムシフトを引き起こす

店長研修の情報交換で話題になり、多くの店舗で実施された改善策として「フロアーの掃除方法変更」があります。それまでは、お客様のいない営業時間外に掃除するのが通例でした。しかし実際のところ、開店前はその日の気温や天候に応じた販売戦略を立てる時間にしたほうがいいし、閉店後はその日の売上から何がよかったのか、何が不足していたのかを振り返ったほうがよいわけです。

販売戦略を立てるために活かせるはずの貴重な時間を掃除に使っていてはもったいないと気づき、店内フロアーを4分割して、営業中のお客様が少ない時間帯を見計らってワンブロックずつ進めていったところ、効率を大きく上げた店舗がありました。

たかが掃除、と思われるかもしれませんが、それまで「掃除は営業時間外に行う」のが当たり前のルールだったのが、「ルールを変えていいんだ!」とパラダイムシフトが起きたのです。その後もさまざまな工夫が生まれ、関西で常にトップクラスの売上成績を誇るグランフロント大阪店では、なんと残業ゼロを達成する月(営業時間内にすべての業務を完結)も出てきました。

同社では、その後もよく「パラダイムシフト」という言葉が使われています。これまでの決まったルールは本当に正しいのか? もっと効率的なやり方はないのか? 関係の質を高めてカエル会議を行うことで、そんな試行錯誤ができる風土が生まれました。

全4回の「店長研修」が、会社全体を巻き込む大きな成果へとつながった理由

シップスでは、過去にも座学スタイルの研修・講演などで店長同士が顔を合わせる機会はあったそうですが、お互いの悩みや成功事例を共有・相談する研修というのは今回が初めてでした。売上に責任を負う店長は、店舗スタッフとどれだけ仲がよくても時に孤独を感じがちなポジションです。それが今回、同じ悩みを分かり合える者同士で集まり、意見を交換できる場ができたことで、店長たちの大きな励みとなったのです。

近隣エリアの店長が自主的に集まって定期的に勉強会を開催するところも出てきました。一部の店舗で成果を出した事例がスピーディに他店舗に広がっていった背景には、そういった自主的な取り組みも影響したようです。当初は取り組みにそれほど積極的ではなかった店長たちも、革新的にどんどん成果を上げる他店の店長たちに引っ張られる形で、徐々に全体の熱が高まっていく相乗効果もありました。

全国に展開する80店舗のうち、会社から常に注目されるのは売上規模が大きい店舗です。売上は規模や立地によって大きく左右されるため、注目されやすい店舗とそうでない店舗はどうしても固定化されてしまいます。しかし「働き方改革」では、規模に関係なく「小さな店舗でも成果を上げれば他店や本部から注目される。頑張れば頑張るほど正当に評価される」ことが、モチベーションになったようです。

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